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味噌〜その1

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今年も庭の片隅に「大葉」が茂り始めた。

例年のことなので、今年もこれを刻んで麦飯に混ぜ込み、
さわやかな紫蘇の香りのする「大葉飯」を楽しんでいるのだが、
今年はこの「大葉」を使って、簡単な飯の友を作ってみることにした。
「大葉」と味噌を混ぜ合わせて作る「大葉味噌」である。

インターネットで「大葉味噌」のレシピを調べてみると、
結構な数のレシピが出てくる。
それらを1つ1つ調べてみると、大方の場合、
刻んだ大葉と味噌、これに砂糖やみりんなどの調味料を加えて、
さらにそれを油で炒める、とある。
まあ、要約すれば、味噌に砂糖、みりんなどを加えて
味噌を軟らかくすると同時に甘味を加えて、味噌をまろやかな味わいにする。
そこに大葉を加えて油で炒めることにより、大葉の香りと
油のこってり感を付け加えようということだろう。
火を通す行程が入っているのは、みりんのアルコール分を飛ばす意味と、
「大葉味噌」としての保存性を、より高めようということだろうか。

なるほど、確かにこのレシピに沿って「大葉味噌」を作れば、
それなりの量の「大葉味噌」が出来上がりそうである。
出来上がったものをタッパーにでも入れて、冷蔵庫に入れておけば、
それなりに日持ちもしそうである。

しかし冷静に考えてみれば、いくら日持ちするとはいえ、
火を通して、長期間、冷蔵庫の中などで保存すれば、
肝心の「大葉」の風味が落ちてしまいはしないだろうか?
スーパーで買って来るもののように、
収穫後、日数の経っているものならともかく、
折角、家の庭から摘んでくる鮮度抜群の「大葉」なのだから、
出来うるならば、その新鮮さを最大限に活かすようにしたい。
そう考えた自分は、レシピを自分で考えるとことにした。

まず、火にかけるという行程を省く。
この行程を省くということは、「大葉味噌」の保存性が落ち、
みりんのアルコール分も全く飛ばないということになる。
保存性については、問題ない。
材料はいつでも最高に新鮮なものが手に入るので、
毎回、必要な分だけ、少量作って食べ切るようにすれば良いのだ。
みりんの方も、全く入れないことにした。
味噌の味をまろやかにするのなら、砂糖を混ぜるだけでも可能だし、
味噌の固さの調節が必要なら、少量だけ水を加えれば良い。
油に関しては、必要なようならサラダ油を混ぜ、
必要ないようならこれも省くことにした。

さて、残るのは、肝心の「味噌」の選択である。

「味噌」の種類は多い。
しかし、使用されている材料、という視点から見てみると、
大きく4つに分けることが出来るのではないだろうか?
1つは米麹を使って作られている「米味噌」。
1つは麦麹を使って作られている「麦味噌」。
1つは大豆の全てを麹化させて作る「豆味噌」。
もう1つは、先に挙げた材料以外で麹を作り、それで作られた「味噌」である。
これら4つの選択肢からは離れるのだが、
先に挙げた2種類以上の「味噌」をブレンドした
「合わせ味噌」というものもある。

「米味噌」は、もっともポピュラーな「味噌」である。
「味噌」全体の約80%が、この「米味噌」であり、
日本全国各地で、様々な「味噌」が作られている。
味、色などについても様々な種類があり、
甘味の強いものから辛みの強いもの、白いものから赤味の強いものまで、
この「米味噌」というジャンルの中だけでも、
「味噌」の選択肢は膨大であるといっていい。
これらの違いは、材料の中の麹の割合と、食塩の量に関係してるようだ。

「麦味噌」は、もともと農家などで自家用に醸造されていた「味噌」で、
麹の材料にはハダカ麦か大麦が使われる。
そういう出自故か、「田舎味噌」などと呼ばれることもある。
主に九州・四国地方、北関東の一部などで作られている。
こちらも「米味噌」と同じように、加える麹の割合と、食塩の量で、
色や味に違いが生じてくる。
一般的に南九州では甘口のものが好まれ、
北関東では辛口のものが好まれている。
ちなみに愛媛県などでは、大豆を全く用いない
麦100%の「麦味噌」が作られている。

「豆味噌」は、愛知、岐阜、三重の東海三県で作られている。
原料である大豆そのものを麹化してしまうので、
米麹、麦麹は全く使われていない。
そのため、大豆特有の濃厚な香りと旨味があるほか、
味わいも濃厚で、若干の渋みと苦みがあるのが特徴である。
なお、色は一様に、光沢のある赤褐色になる。
他の2つと比べると、非常に個性の強い「味噌」になっている。

さて、ここまでに挙げた「米味噌」、「麦味噌」、「豆味噌」以外には、
小麦を麹化して使った「味噌」や、雑穀を麹化して使ったものなどがあるが、
その中でも特に有名なのは、沖縄県で作られている「ソテツ味噌」だろう。
ソテツは、亜熱帯性の植物で、日本では南西諸島一帯に自生しており、
(一応、公式にはたつの市の室津辺りが、
 自生の北限ということになっている)
卵の形をした種子をつける。
この種子は食用に出来るため、飢饉の時の救荒植物として
育てられていたのだが、このソテツを米・麦の代わりに用いたのが
沖縄の「ソテツ味噌」ということになる。
ただ、ソテツの実は有毒成分を含んでいるため、
これを麹にして使うためには、まず毒抜きの作業から始めなければならない。
(ソテツの実を麹化させる際は、玄米か麦と混ぜてカビを発生させる)
他の「味噌」に比べると、手間がかかるものであることは間違いない。

さて今回、自家製の「大葉味噌」を作るにあたって、
どの味噌を使うか?というのが、大きな課題になった。
インターネットのレシピを見ても、
ただおおざっぱに「味噌」とだけしか書いていないものばかりで、
どういう種類の「味噌」を使えば良いかまで言及しているサイトがない。
まあ、インターネットのレシピを大幅に逸脱して作るため、
「味噌」の種類が書いてあったとしても、
それほど参考にはならず、そこは自分の裁量で決めなければならない。

色々と勘案した結果、今回の「大葉味噌」には「豆味噌」を使うことにした。
名古屋近辺では「八丁味噌」のブランドで知られているアレである。
「味噌」自体に濃厚な旨味があること、
砂糖を加えて全体をまろやかにするため、
「豆味噌」の持っている渋みや苦みも、
全体的な味わいを深めてくれるであろうことなどが、
「豆味噌」を選んだ理由である。

早速、スーパーへ出かけていき、「豆味噌」を見て回ったのだが、
改めて探してみると、うちの近辺のスーパーでは「豆味噌」そのものを
ほとんど置いていない。
全く置いていない店さえある。
それなりの広さの味噌コーナーを設置しているスーパーであっても
置いてある「豆味噌」は、1種類か2種類という有様である。
関西で、いかに「豆味噌」が使われていないかということだ。
幸いに500g入りの「豆味噌」をみつけ、これを購入した。

家に帰って、試しに少し嘗めてみると、味わいは濃いが意外にまろやかだ。
昔、親戚から貰った「八丁味噌」は、もっと尖った味だったため、
砂糖などを加えて味をまろやかにするつもりだったのだが、
ひょっとすると、その辺は省いてしまってもいいかもしれない。

次回は、「味噌」の歴史を振り返りつつ、
オリジナルの「大葉味噌」作りについても書いていく。

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