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巨人の星〜その3

更新日:

前回、主人公・飛雄馬が無事、
巨人に入団する所まで物語を追った。
今回は、彼の波乱のプロ人生、その前半である。

さて、無事に読売巨人軍に入団を果たした星飛雄馬。
本来、プロ野球に入るのは高校を卒業しているか、
大学、社会人野球を経験してから、ということになるのだが、
彼の場合、高校1年生にして学校を中退し、
そのまま試験を受けて入団したため、
良くて16歳、ひょっとしたら15歳で
「プロ野球選手」になったことになる。
もし15歳で「プロ野球選手」になっていたとしたら、
日本でもっとも早く、プロ入りした選手ということになる。
(厳密に言えば、15歳でプロ入りした選手は何人かいるので、
 もっとも早くプロ入りしたうちの1人、ということになる)

入団後、2軍スタートとなり、
厳しいプロの洗礼を受ける飛雄馬だったが、
チャンスをつかみ試合に出場、
持ち前の豪速球で勝利投手となる。
だが、飛雄馬には投手として致命的な欠点があった。
それは彼の身体の小ささから来る、球質の軽さであった。
生まれ持った身体の大きさばかりは、
いくら努力しても覆すことが出来ない。
飛雄馬はプロ入り早々、絶体絶命のピンチに陥ったのである。

この球質の軽い・重いということに関しては、
様々な説があり、そのようなものは
存在しないといわれることもある。
ただ、実際問題として、バットで打ち返した際に
よく飛ぶ球と、それほど飛ばない球があるのは確かである。
一説には、これは球の回転数によるもので、
球の回転数が多いと、それだけ運動エネルギーが大きくなり、
球質が重くなるという説と、
逆に回転数が多いと、バットの弾きが良くなり、
球質が軽くなるという説がある。
原因については、はっきりとわかっていないというのが
実情のようである。
アメリカでは、球質という概念自体が存在していない。
だが実際に、この「巨人の星」のように、
体重がそのまま球質の重さに
関わってくると考えている人もいる。
飛雄馬の場合、
「大リーグボール養成ギプス」によって、
身体が圧迫されていたため、そのせいで
身体が大きくならなかったという人や、
貧困のため、充分な食事をとることが出来ず、
身体が大きくならなかった、という人もいる。
いずれにしても、それなりに納得のできる理由である。
ただ、飛雄馬はまだ15歳。
本来であれば、中学校を出て半年もたっていないのである。
放っておいても、まだ身体が大きくなる可能性はある。
球質の軽さに絶望し、怪しい魔球を開発するぐらいなら、
宿舎にてしっかりと栄養をとり、
ゆっくりと休むことで、次第に身体は出来ていく筈である。
なんといっても、彼の父親・一徹は
プロ野球選手として問題の無い体躯を持っていたのだから、
その息子である飛雄馬が、身体が小さいままというのは
ちょっと考えにくい。
仮に飛雄馬が高校を退学せず、
3年間、高校野球を続けていたとしたら、
その間に充分に身体が大きくなっていた可能性も高い。
そうなると、ずしりと重い豪速球を投げることが出来、
コントロール抜群の飛雄馬は、
ドラフト最大の目玉となっていただろう。
まことに惜しいことをしたものだ。

ライバルたちによって、球質の軽さという弱点を
見破られた飛雄馬は、彼らに敗れ去る。
その後、飛雄馬は禅寺での講話から新変化球のヒントを得て、
友人・伴の協力の下に「大リーグボール1号」を完成させる。

ついに「巨人の星」の代名詞とも言える、
「大リーグボール」が登場してきた。
これは、バッターの構えているバットにボールをぶつけ、
無理矢理凡打にさせてしまうというものだ。
作品中ではこれを「新変化球」と称していたが、
果たしてこれは「変化球」といっていいのだろうか?

飛雄馬は「大リーグボール1号」によって、
ライバルたちを退け、連勝を重ねていく。
しかし花形満は、そんな飛雄馬に一矢報いるべく
鉄球を使った「死の特訓」を行ない、
「大リーグボール1号」を打ち砕く。
しかしその代償として、花形の上半身はズタズタになってしまい、
休場を余儀なくされる。
飛雄馬はさらに特訓を重ね、
「大リーグボール1号」を進化させる。
セ・リーグ優勝、日本シリーズと勝利した巨人は、
大リーグのチーム「カージナルス」との戦いに挑む。
黒い悪魔・オズマとの勝負に勝利した飛雄馬だったが、
オズマの放った「野球ロボット」という言葉に衝撃を受け、
混乱の中で自分を見失ってしまう。

さて、ここで新たなライバル、
カージナルスの黒人選手・オズマが登場する。
彼は、子供のころにカージナルスによって引き取られ、
球団をあげての野球英才教育を施されて育ってきた。
いわば、飛雄馬のアメリカ版である。
そんなオズマに、
「お前は自分と同じ、野球ロボットだ」と言われた飛雄馬は、
動揺・混乱し、自分を見失ってしまう。
少しでも人間らしくありたいと、
慣れないダンスを踊ったりするのだが、
正直、無理をしているのが見え見えで、痛々しい限りだ。
そもそも、王貞治との出会う前の飛雄馬なら、
このオズマの言葉に動揺してしまうのもわかるが、
彼は王との出会いにより、自ら野球の道に入っている。
そんな飛雄馬が、オズマの言葉に動揺を示すのは
読者の目から見ると奇異に映る。
お前、ちゃんと納得して野球を始めたんじゃないのか?と、
突っ込まずにはいられない。

自分を見失い、野球も疎かになりかけていた飛雄馬だったが、
無医村で奉仕医療を行なっていた看護婦・日高美奈と出会い、
彼女に魅かれていく。
だが、そんな彼女には大きな秘密があった。
美奈はその身体を病魔に侵されており、
余命幾許も無い身だったのだ。
ほどなく美奈は亡くなり、飛雄馬はひどいショックを受け、
「大リーグボール1号」が投げられなくなってしまう。
長いスランプに陥ってしまった飛雄馬だったが、
友人やライバルたちの激により、ついに復活する。
しかし復活した飛雄馬の前に待っていたのは、
中日のコーチに就任した父・一徹と、
カージナルスから一時移籍し、一徹に鍛えられたオズマであった。
一徹・オズマのコンビは「見えないスイング」を完成させ、
飛雄馬の「大リーグボール1号」を、
完膚なきまでに打ち砕くのであった。

まさに怒濤の展開である。
主人公の突然の恋と、恋人との死別。
心理的ダメージによるスランプと、そこからの復活。
さらに敵として立ちはだかる父と、
「大リーグボール1号」の完全な敗北。
物語はジェットコースターのように激しく展開している。
きっと、リアルタイムで読んでいた読者たちは、
この展開に、目を離すことが出来なかったのではないだろうか。

今回は、飛雄馬のプロ生活の始まりから、
「大リーグボール1号」の敗北までを書いた。
次回は、新たな大リーグボールと、
飛雄馬の悲劇的な運命についてである。

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