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集団登校・集団下校

更新日:

月曜日から金曜日まで、
朝、7時30分ごろになると、家の前を小学生の集団が通過する。

自分の母校でもある、揖西西小学校の生徒たちである。
一瞥すると、自分が小学生だったときと、
全く同じ制服で、同じ白い帽子をかぶっている。
リーダーと思わしき生徒の手には、
黄色い旗が握られており、車の通行する道路を横断する際は、
これを広げて、他の生徒たちが安全に道を渡れるように
誘導するのである。
思い起こせば、自分も小学6年生のころには、
あの旗を持って、集団登校の先頭を歩いていたものだ。
もっとも、田舎道ばかり歩いて、小学校まで辿り着ける
うちの地区の通学路には、車が頻繁に通る道路というのが
学校の前の道路しかなく、
そこには専業(?)の緑のおばさんが立っていたので、
自分の持っている旗というのは、それほど重要でもなく、
まあ、おばさんの横で儀礼的に広げるだけであった。

自分の母校である揖西西小学校では、
毎朝の集団登校は決められていたが、
下校時は基本的に、個人個人でのバラバラ下校であった。
これは1年生から6年生まで、
学校の終わる時間が違っていたからである。
1年生など1学期のころは、学校の終わる時間も早く、
4時間目が終わり、給食を食べるとすぐに下校であった。
1年生の2学期ごろからは、5時間目の授業が入るようになり、
下校時間はそれよりも遅くなったが、
そうなる前は、給食が終わると
そのまま1年生だけをバラバラで下校させていた。
現在の感覚からすれば、危険だと思われるかも知れないが、
当時はそういうことが
ごく普通に行なわれていた時代だったのである。

これが1年生の2学期になると、
5時間目の授業が行われるようになり、
結構な人数の生徒が一斉に下校するようになる。
もちろん、授業が終わる時間が重なっているので
下校する生徒たちの時間が重なるだけで、
別段、集団下校が行なわれていたわけではない。
生徒の中にはすぐに下校せず、学校で遊んでいく者や、
部活動などに参加する者もいて、
基本的に下校時間はバラバラであった。
5時近くになると校内放送がかかり、
いまだ下校していない生徒たちへ、下校が促される。
それを聞くと、学校に残って遊んでいた生徒たちも
下校を開始することになる。
冬場などは日が沈むのも早いので、
辺りはかなり薄暗くなっていることもあったが、
そんな中を生徒たちは、それぞれバラバラに
帰宅の途につくのであった。

ところが1週間に一度だけ、集団下校が行なわれる日があった。
それが土曜日である。
毎週土曜日に学校に行くというと、
若い人たちの中には「信じられない」という人も
いるかも知れないが、
当時は土曜日も普通に授業が行われており、
1時間目から3時間目まで、普通に授業を行った後、
給食を食べずに、そのまま帰宅していたのである。
これが、いわゆる「半ドン」である。
当時のうちの小学校では、土曜日の3時間目が終わると、
全校集会という集会が運動場で行われ、
その後、各地区ごとに別れて、
担当の先生から注意・連絡を受けた。
その後に各地区ごとの集団下校が行なわれたのである。

さて、このことを書こうと思ったのには、1つ理由がある。
今年の2月、神奈川県の川崎市で
中学1年生の男子生徒が殺害される事件が起こった。
13歳の少年が、複数人の少年らから激しい暴力を受け、
殺害されてその死体が多摩川の河川敷に
遺棄されていた事件である。
かなりショッキングな事件だったので、
覚えている人も多いだろうが、
ちょうどその事件が報道された後ぐらいに、
うちの母校である揖西西小学校が、生徒の下校時間に
これから生徒が下校すること、
それぞれの地区で見守りをお願いしたいことを、
地区放送で流すようになった。
タイミング的に見て、川崎市の事件が、
この「下校放送」の開始に大きく関わっているのは、
恐らく間違いがないだろう。
たつの市から遠く離れた、
神奈川県川崎市で起きた事件をきっかけに、
たつの市でこのような放送が行われるようになったのは、
なかなか興味深い事実である。
もちろん、これに類することは
日本中あちこちで行なわれているだろう。
子供が被害者になる凶悪事件が起こると、
日本各地で子供の見守りや、市民のパトロールなどが行なわれる。
それが、どれくらいの期間続けられるのかは、
それぞれの自治体によって変わってくるが、
のど元過ぎれば……、の諺でもないが、
適当な所で切り上げる自治体も多いだろう。
そういう意味では、ずっと放送を続けている我が母校は、
のど元過ぎれば……の体質ではないのだろう。
今、子供を通わせている親たちにしてみれば、
安心できる学校なのかもしれない。

だが先日、ちょっと驚きの事実を知った。

自分の妹は結婚して、現在、
神奈川県の川崎市に住んでいるのだが、
今年の4月から、1人息子(自分にとっては甥っ子)が
小学校に入学した。
法事でこちらに帰ってきた妹に話を聞くと、
甥っ子の通っている川崎市の小学校では、
集団下校はおろか、集団登校もしていないという。
入学したばかりの小学1年生たちも、
それぞれ個別に登校し、個別に下校しているという。
妹自身は「川崎市といっても、広いから……」といっていたが、
あの川崎市の事件の影響(?)で、
「下校放送」が行なわれるようになったたつの市に比べると、
やや暢気すぎるのではないか?という気がする。
これだけ距離の離れた小学校が敏感に反応しているのに、
事件の本拠地である川崎市の小学校が
それほど反応していないというのは、
いささか鈍すぎるのではないだろうか?
集団登校や「下校放送」などが、
どれくらい凶悪犯罪防止に効果があるのかは、
正直、未知数であるとは思うが、
さすがに川崎市は、暢気過ぎる気がする。

川崎市という町がどんな町か知らないため、
そのやり方にこれ以上書くのは控えるが、
甥っ子には、毎日安全な登下校をしてもらいたいものである。

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