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ジャガイモ収穫〜2017

更新日:

今年の春ごろ、昨年と同じように
畑に「ジャガイモ」を植え付けたことを記事にした。

ただ、今年のジャガイモ栽培に関しては、一抹の不安があった。
以前に書いたように、ジャガイモという作物は
同じ場所で続けて栽培を行なうと「連作障害」というものが発生する。
今回、自分は他に作りたい作物が無かったために
この「連作障害」がある程度、起こることを覚悟の上で、
ジャガイモの連作に踏み切ったのである。

ただ、去年の栽培とは違い、今年の栽培には有利な点があった。
それは比較的早くからジャガイモ栽培を決めていたため、
それに向けて、大根の収穫終了時から、
土作りを行なうことが出来たことである。
去年は、取りかかるタイミングが悪かったため、
この土作りを行なう暇がなく、全く掘り起こしただけの畑に
種芋を植え付けるしか出来なかったのだが、
今年は植え付けを始める半月前には、
土の中に、自家製の腐葉土と鶏糞を混ぜ込み、土を作ることが出来た。
この自分流の土作りが、連作障害とかち合って、
果たしてどういう結果になるのか、
ここの所が大きな1つの「賭け」であった。

土を作り、いよいよ種芋の植え付けということになったのだが、
今年はそのタイミングが難しかった。
と、いうのも今年の春は気温の上昇が遅く、
「桜」の開花も、例年に比べて大きく遅れていたからだ。
例年通りのタイミングで、2月の下旬ごろに種芋を植え付けた
友人の所では寒さのために種芋が全滅し、
植え付けをやり直すハメになっていた。
結局、自分も植え付けのタイミングを大きく後ろにずらし、
「桜」の開花が終わった辺りで、種芋を植え付けた。
だが、去年は1週間もたたずに芽吹いていたものが、
今年は2週間ほどたってようやく芽吹き始めるという状況だ。
はたしてこの遅れが、去年との気温の違いによるものなのか、
あるいは「連作障害」によるものなのかはハッキリしないのだが、
ともかく無事に発芽して、ひとまず胸を撫で下ろした。

まあ、ここまでは以前に書いたことである。
今回はそれ以降のことと、収穫について書いていきたい。

去年、土作りをしなかったためか、ジャガイモの地上部分が酷く貧弱で、
他所の畑のジャガイモと比べても、弱々しかったのだが、
今年の地上部分は凄かった。
芽吹きこそ遅かったものの、一度伸び始めた芽はグングンと大きくなり、
あっというまに去年の大きさを上回ってしまった。
太い茎にたくさんの葉を付けて、青々と茂っている。
他所の畑のジャガイモと比べてみても、明らかに大きく育っている。
去年は地上部分が小さかったため、楽々と畑に踏み入り、
雑草を引くことが出来たのだが、
今年は畑に踏み入るのも億劫なほど、地上部分が生い茂っている。
ちょっとしたジャングルである。
やはり、植物栽培において土作りというのは重要なんだなぁと、
改めて痛感させられた。
地上部分の育ち具合が、イモの生成にどれだけ関わってくるかは
わからないが、すくなくともピンポン玉サイズのイモばかりだった
昨年に比べると、良い型のイモが大量に穫れるのではと
期待が膨らむ。

やがて、ある程度まで地上部分が育つと、
あるときを機会に、今度はこれがヘタリ始めた。
まっすぐ天に向かって伸びていた茎が、
その自重を支えきれなくなったように、横向きに倒れる。
恐らくは、このまま地上部分が枯れていき、
地中のイモが大きくなるということなのだろう。
畑の上に、だらしなく広がった地上部分は、
ゆっくりと時間をかけて、黄色く枯れ始めていった。
それとほぼ時を同じくして、土が大きく盛り上がり、
地面がひび割れ始めた。
恐らくは地中のイモが育ち始めたのだ。
よくよく観察してみると、複数のイモが地中に収まりきれず、
地面の上へ露出している。
これを放っておくと、イモは太陽の光を浴びて緑化してしまう。
色が変わるだけならまだ良いのだが、
ジャガイモは太陽の光を浴びて緑化する際、
「ソラニン」と呼ばれる物質を生成する。
この「ソラニン」を持つジャガイモ、
緑色になったジャガイモを食べると、中毒症状を起こすことになる。
(ジャガイモの緑の部分、つまり茎や葉にも
 この「ソラニン」が含まれているため、
 ジャガイモの葉や茎は食べることが出来ない)
とりあえず、それからは地上部分に露出しているイモを見つけると、
すかさず辺りの土を掘って、これを埋め戻すようにした。
これは思っていたよりもずっと面倒くさい作業で、
1つイモを埋めれば、間を置かずに新しいイモが地面に出てくる。
それを埋めれば、また新しいイモが……の繰り返しであり、
この終わりの無い作業は、
それこそジャガイモの収穫まで続くのであった。

やがて6月の下旬になった。
ジャガイモの地上部分はいい加減で黄色く枯れかけており、
もう少しで、収穫時期になると思われたのだが、
それを前に、天気予報が不穏な情報をもたらした。
今年は空梅雨で、ほとんど雨が降らず、
乾燥注意報なども頻繁に発せられるような状況だったのだが、
この6月の下旬に至り、いよいよ天気が崩れ始めるというのである。
それも1〜2日のことではなく、かなりの期間、
ぐずついた天気が続くらしい。

ジャガイモを作っている人には、良く知られたことだが、
ジャガイモの収穫は、土が乾いている状況で行なうのが鉄則である。
雨の日の収穫では、掘り起こしたイモが水分を含んでしまう上、
イモの表面もキズつきやすくなり、
これが腐敗の原因になることもある。
自分は即座に決断を下した。
雨が降り始める前に、イモを全て収穫してしまうのである。

早速、カマとクワを持ち、イモの収穫に取りかかる。
カマを使って、ジャガイモの地上部分を根元辺りで切り、
残った株を目安にして、畝にクワを入れていく。
その際は、間違ってもイモを傷つけることの無い様、
畝の横から、深くクワを入れる。
ジャガイモは地表近くにイモが出来るため、
深め、深めにクワを入れていけば、イモを傷つけずに済む。
まず最初に、株を掴んで、ゆっくりと土の中から引き抜く。
すると、土中に張り巡らされた根に引っ張られるようにして、
イモがゴロゴロと地表に姿を現した。
結構、大きなサイズのものも混じっていて、
去年のようにピンポン玉サイズのものばかりではない。
ひととおりイモを取り分けると、地面にクワを入れる。
するとさらに土の中から、ゴロゴロとイモが出てくるのだが、
これが驚くほどのビッグサイズで、
大人の握りこぶしほどの大きさがある。
ここまで大きなサイズの「キタアカリ」というのは、
スーパーの野菜売り場や、産直市などでも、ほとんど見かけない。
もちろん、株によっては、ピンポン玉どころか
パチンコ玉のようなサイズのイモが出てくることもあったが、
数にしても、サイズにしても、
去年のそれを大きく上回っているのは確実である。
この収穫量は、昔、婆さんが畑をやっていたときのものに近い。
すっかり嬉しくなって、収穫作業を続け、
2時間もたたぬうちに、全ての畝を掘り返し終わっていた。

目の前にゴロゴロと転がっている、様々なサイズのイモたち。
全体的に去年のものより、数もサイズも上回っている。
植え付けのときには、「連作障害」が起きないか不安もあったが、
実際の所、収穫量は去年の3倍以上であった。
(去年は1kgの種芋が5kgのイモに。
 今年は同じ1kgの種芋が、なんと16キロものイモになった)
自家製腐葉土と、鶏糞による土作りは大成功を収め、
心配された「連作障害」も、跳ね返すことが出来たのである。

さて、春植えのジャガイモはその収穫を終えた。
例年通りにやるのであれば、このまま畑は秋口まで休めておいて、
そこから土作りの後、大根を植えることになる。
こちらの方は、去年大成功を収め、
食べきれないほどの大根を収穫することが出来た。
今年も同じように栽培して、同じような収穫を得たいものだが、
こればっかりは自然が相手なので、
同じようにいくとは言い切れない。

しかし、逆に言えば、そこの所が農業の面白い所である。

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