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ジャガイモ収穫

更新日:

4月の中旬ごろ、うちの庭の畑に
ジャガイモを植え付けたことを書いた。

植え付けて、すぐに記事にしたのではなく、
しばらくたって、芽が出始め、その時点で記事を書いた。
なかなか芽の生えてこない焦燥と、
ようやく地面にヒビ割れが出来、芽が生えてきたときの喜び。
以降、ジャガイモについては全く書いてこなかったが、
このジャガイモがようやく、この6月の末に収穫時期を迎えた。

実は、芽は生えてきたものの、
その後の生育は決して良好とはいえなかった。
地下の「イモ」部分に関しては、全く見ることが出来ないので、
ジャガイモの生育の様子は、
地上部分を見て判断するしかないのだが、
この地上部分が、どうも大きく育っていかないのである。
うちの周りにも、ジャガイモを作っている畑はたくさんあるのだが、
それらの畑のジャガイモの地上部分は、
ワサワサと茂っているのに対し、
我が家の畑のジャガイモは、どうも勢いが無く、小さいのである。
イモで重要なのは地上部分ではなく、
あくまでも地下茎の出来具合なので、
大丈夫、大丈夫と、不安な心を押し殺し、
ジャガイモの生育を見守ってきたのだが、
普通に考えれば、地上の葉や茎が貧弱だと、
地下茎の「イモ」部分も貧弱、ということになってしまう。

原因について、考えてみた。

まず1つ目は、全く肥料を与えないで植え付けたことである。
ジャガイモを植え付けるにあたり、
栽培方法をのせているホームページをいくつもチェックしたのだが、
その全てで、大量の肥料を放り込んでいた。
自分は、どうせやるなら徹底した自然農法でやってやろうと思い、
肥料も農薬も除草剤も全く使わず、これを栽培した。
(早い話、種芋以外には1円も金をかけなかったのである)
大して広い畑でもないので、たまに雑草を手で引くだけで、
畑はきれいな状態に維持することが出来た。
本当は、植え付ける前に雑草を積み上げて腐らせたものを、
土の中に鋤き込み、半月ほどしてから
種芋を植え付けたかったのだが、
ちょっとスケジュールの調整がうまくいかず、
この行程を省かざるを得なかった。
結果として、まったく肥料らしきものを与えないまま、
ジャガイモを植え付けてしまったのである。
まあ、言い訳をするのならば、
去年、勝手に生えてきた「キクイモ」が、
全く肥料をやらなかったのに、大量に収穫できたことと、
ミミズなどの微生物が結構、住み着いていたため、
土自体がすでに肥えていると判断したのである。

もう1つは、品種の違いによるものである。
自分が買ってきた種芋は「キタアカリ」である。
調べてみると、味はかなり「いい」ものの、
メジャーなメークインや男爵に比べて、
収穫量が劣るとしているホームページもあった。
ひょっとしたら「キタアカリ」自体、地上部分があまり生育せず、
その結果、収穫量が少なくなるという品種なのかも知れない。
だとすれば、これはもう自分の力ではどうしようもない。

さらに植え付け時期が随分と遅くなった、と言う理由もあるのだが、
ただ、これはどれくらい生長に影響して来るのかは、
全くの未知数である。

つまり、地上部分が小さくとも、
「完全な自然農法で」という方針であるために、
追肥も全く行なわず、完全に成り行きに任せたわけである。
早い話が、放任主義だったわけだ。
結局、5月を過ぎ、6月の中旬になっても、
うちのイモの地上部分は大きくならず、
やがて地上部分は枯れ始めたのである。
これは、ジャガイモが収穫時期を迎えたことを示している。

6月の中旬に、我が家で法事が執り行われ、
妹夫婦が甥っ子を連れて、我が家に帰って来た。
その際、甥っ子に食べさせるために、
すでに地上部分の枯れている株を、掘り起こしてみることにした。
法事の準備がひととおり終わった所で、
長靴を履いて畑に行き、小さなスコップで畑を掘り起こしてみた。
(ちなみに甥っ子に「芋掘りしてみるか?」と聞いてみたのだが、
 TVゲームに夢中で、全くその気は無いようであった。
 まあ、自分が子供だったころも、わりとそんな感じだったので、
 咎めることも出来ないわけだが……)
ちょうど小学生のころ、学校のイベントで
「イモ掘り」があったのだが、
まさにそれの再現のようなものである。
小学生のときのイベントと違うのは、
掘り起こすイモがサツマイモではなく、
ジャガイモだということだろうか?
鎌で、枯れたジャガイモの地上部分を切り離し、
茎を掴んでゆっくりと持ち上げてみると、
細いひげ根の他に、ピンポン玉大のジャガイモがついている。
はっきりいって、植えた種芋よりも小さい。
数があるので、それを合計すればプラス収支になってはいるものの、
正直言って、それほど「いい」収穫とは言い難い。
3株ほど掘り起こしてみたのだが、
どれも似たような大きさのイモばかりで、
あまりまともな収穫とはいえない。

まあ、せっかく掘り起こしたのだから、ということで、
このイモを洗って、包丁で十文字に切れ目を入れ、
ラップをして電子レンジで蒸し上げてみた。
皿に盛った、ピンポン玉ほどの大きさのジャガイモは
ものの3~4分ほどできれいに蒸し上がった。
小さめのものを1つつまみ、塩をかけて口の中に放り込んでみる。
驚いたことに、これがウマいのである。
いつも食べているジャガイモよりは、明らかに味が濃く、
ホックリとした仕上がりになっている。
ともすれば、クリを食べているような感覚になる。
妹夫婦につまんでもらい、さらにTVゲームをしている
甥っ子の所に持って行ってやると、
「おいしい」といって、ペロリと全部、平らげてしまった。

法事が終わり、妹夫婦たちも帰っていったが、
畑に植わっているジャガイモには手をつけず、
さらに地上部分が枯れるのを待った。
地上部分が枯れれば枯れるほど、
地下の「イモ」部分が大きくなっているに違いない。

そうしておいて6月の末、梅雨の晴れ間を見て、
ジャガイモを掘り起こしてみた。
畝の端からクワを入れて、土中に眠っているイモを探す。
さらに半月ほどおいておいたせいか、
イモのサイズはかなり大きくなっており、
種芋より、ひとまわりも、ふたまわりも、大きいものさえあった。
ただ、やはり小さいサイズも多く、
さらに数も、昔、婆さんが作っていたときと比べると、
半分ほどしか穫れなかったのである。

ちょうど、種芋として買ってきたのは1kgで、
この種芋を半分の大きさに切り分けて、畑に植え付けた。
掘り起こしたイモを、日陰で乾かし、その重量を量ってみると、
実に5kgほどの量になっていた。
約5倍の量になって、返って来たわけである。

普通に育てた場合、1kgの「キタアカリ」から、
どれくらいの収穫があるのか?というのを、
インターネットで調べてみると、
5倍くらいという意見から、
10倍くらいという意見まで、様々であった。
少な目ではあるものの、一応標準の範囲内の収穫ではあったようだ。

穫れたイモの中から、特に小さいものばかりを選んで、
以前の様に蒸し上げて食べてみたのだが、
以前と同じように、クリのように味の濃いジャガイモであった。

これからしばらくは、ホックリと美味しいジャガイモを
楽しむことが出来る。

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