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歴史上の人物の「好物」

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自分は昔、強烈に食べ物の好き嫌いがあった。

お好み焼きが嫌いで、
うどんが嫌いで、
ラーメンが嫌いで、
すき焼きが嫌いで、
給食のカレーは大嫌いだった。

スイカが嫌いで、
イチゴも嫌いで、
餅が嫌いで、
コーヒーが嫌いで、
ラッキョウに関しては見るのもイヤだった。

我ながら、よくこれだけのものが嫌いで、
普通に生活して来れたなぁ、と感心する。
普通、好き嫌いというのは、
成長とともに無くなっていく。
自分の場合も、その例に漏れず、
成長とともにひとつ、またひとつと、
嫌いなものは無くなっていった。
そして現在、上に書いた嫌いなものは、
全て普通に食べることが出来る。
ラッキョウなどは、きっと一生、
食べれるようにはならないだろうと思っていたが、
意外に普通に食べられるようになっていた。
給食のカレーについては、
好きになる前に卒業してしまったので、
結局、思いでの中の「給食のカレー」はまずいままである。

ただ、面白いことに嫌いなものが無くなったのと同じに、
子供のころ好きだったものも、好きではなくなった。
厳密にいえば、
昔ほど好きではなくなったというのが正しい。
好き嫌いという、振り幅が小さくなったのだろう。

しかしこの「食べ物の好き嫌い」というのは、
隠しようもない、生の人間の個性である。
大方の人間には、好き嫌いがあり、
それはどんなに有名な、歴史上の人物でも変わらない。

今回は、そんな歴史上の人物の
「好物」について書いていく。

徳川家康……鯛の天ぷら

家康の死因になったことで有名な、鯛の天ぷらだが、
当時の天ぷらは現代のものと違い、
ポルトガルから伝えられた、
「フリッター」に近いものだったと思われる。
かなりくどかったはずだが、
それが好物であったと言うことは、
相当、胃が丈夫だったのだろう。
その内臓の丈夫さが、家康の健康の秘密だと思われる。

豊臣秀吉……ひきわり粥、麦飯、ゴボウ、甘いもの

家康に比べると、秀吉の好物は質素なものが多い。
おそらく、貧しい身分の出身であったため、
質素なものを食べる機会が多く、
自然にそういう嗜好になったと思われる。
甘いものが好きなのは、茶の湯を好んだ影響だろうか?

織田信長……焼き味噌、湯漬け、濃い味のもの、甘いもの

信長は酒が飲めず、甘党であったといわれている。
ポルトガル人の宣教師から献上された、
南蛮菓子を食べていたという記録もある。
湯漬けは、現在のお茶漬けに近い。
お茶の代わりに、お湯をかけたものだ。
せっかちな性格の信長が好んだらしいが、
これは味を好んだのとは違うだろう。
また、非常に濃い味付けのものを好み、
京風の薄い味付けの料理をまずいと評した。

徳川吉宗……バター

江戸時代、オランダからもたらされたバターは、
当時、「ぼうとろ(バターが変化したのか?)」「白牛酪」
「牛かまぼこ」と呼ばれ、ごく一部の人間が食していた。
そのごく一部の人間の1人が、徳川吉宗だったわけだ。
彼は牛を購入し、牛乳やバターを作らせていた。
とはいえ、当時の料理人にしてみれば、
バターというのは未知の食材だ。
上手く使えるとは思えない。
恐らくご飯の上にバターを落とし、
醤油をかけて食べていたのではないだろうか?
現在でいう所の、バターライスに近い。

徳川慶喜……豚肉、きな粉

徳川最後の将軍・徳川慶喜。
幕末の切羽詰まった時代に将軍になり、大政奉還。
徳川最後の将軍となった彼だが、
彼は子供のころから豚肉を好み、
「豚一将軍」などと呼ばれた。
また、彼はきな粉も大好きだったが、
あるとき顕微鏡できな粉を見ると、
小さい虫がわいていた(保存が悪かったらしい)ので、
以降は、きな粉を食べられなくなったという。

森鴎外……饅頭茶漬け

大正時代の小説家で、医学博士であった森鴎外。
その好物は饅頭茶漬けで、
これはご飯の上に4つに割った饅頭を乗せ、
お茶をかけたものである。
思わず正気を疑ってしまうが、
おはぎの変形と考えればなんとか……、無理か。
家族の話によれば、
彼は甘いものでご飯を食べるのが好きだったらしい。
あんパンも大好物だったというから、
かなりの甘党であったようだ。

夏目漱石……甘いもの

森鴎外と同じ時代の小説家、夏目漱石。
彼もまた、甘いものが大好きであった。
お汁粉、羊羹、アイスクリーム。
甘いものには目がなく、
身体を壊しても甘いものを食べた。
特にアイスクリームは、
業務用のアイスクリーム製造機を購入するほど、
はまってしまっていたらしい。
文豪は甘いものが好きなのだろうか?

東条英機……シュークリーム

第2次世界大戦時の総理大臣で、陸軍大将。
戦後、東京裁判にてA級戦犯とされた。
これだけを見ると、とんでもない悪人に見られがちだが、
一個の人間としては、かなり生真面目で
平等主義であった。
そんな彼の好物はシュークリーム。
当時としては珍しかったが、彼はコーヒーを飲みながら、
これをほおばったらしい。

さて、こうして見てみると、
一定の傾向は見て取れないだろうか?

意外と、甘いものを好む人物が多いのだ。
森鴎外などは行き過ぎの感もあるが、
甘いものは、やはり脳のエネルギーになるのだろうか?

もうひとつ、肉や乳製品を愛好していた人物は、
やはり活動的に思える。
江戸時代において、バターや牛乳を好んだ徳川吉宗。
幼少のころから豚肉を好んだ、徳川慶喜。
どちらも歴代将軍の中では、
エネルギッシュに活動した人物だ。

こうしてみると、やはり食が人間に与える影響は大きい。
食が肉体を作り、食が人間を作る。
歴史上の人間の事蹟から学ぶことは多いが、
その食からも、学ぶことは多いのかもしれない。

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