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揖保乃糸レシピ

投稿日:

先日、ネットの「食べ物」関係のサイトを見ていたら、
こんなタイトルが目に入った。

「揖保乃糸公式サイトのそうめんレシピがおかしい」

このタイトルをクリックしてみると、冒頭に出てきたメニューが
「わらびもち風そうめん」である。
写真も掲載されており、そこには束のまま
茹でられたと思われるそうめんが短く切りそろえられ皿の上に乗っており、
さらにその上には、黒蜜ときな粉がかけられていた。
その絵面に思わず絶句してしまったが、
さらにその横には、調理時間、カロリー、使用麺などの情報も
載せられていて、どうも冗談ではなく、大マジメなレシピの様だ。

この情報を見た後、すぐに「揖保乃糸」の公式サイトを開いてみた。
この公式サイトには「おいしい食べ方」というメニューがあり、
そこの所をクリックすると、そうめん(とそれ以外の麺)を使った
レシピ集を開くことが出来る。
レシピ集は、大きく「あったかメニュー」と「冷たいメニュー」に
分けられており、さらにオマケの様に「そうめんつゆの作り方」と
「そうめんのゆで方」の項目がある。
本来的にいえば、この「そうめんつゆの作り方」と「そうめんのゆで方」こそ
メインで紹介しなければいけない項目のはずなのだが、
「揖保乃糸」公式サイトにおいては、完全に脇役になってしまっている。

それに引き換え「あったかメニュー」と「冷たいメニュー」は、
それぞれさらに「主菜」「副菜」「和風」「洋風」「中華・エスニック」
「炒める」「揚げる・焼く」「サラダ」と、細かく分類されていて、
このサイトを作った人間の熱の入れ様が伺われる。
試しに適当な項目をクリックしてみると、
これでもかというくらい大量のレシピが表示される。
「あったかメニュー」の「主菜」を開いてみた所、
表示されたレシピの数は、なんと80種以上である。
そうめんなんて基本、茹でて食べるだけで、
その他のメニューなど、温かくした「にゅうめん」か、
変わった所で沖縄料理の「そうめんチャンプル」ぐらいだと思っていただけに、
このレシピの数には、ただただ圧倒されるしかない。
もちろん、全てのメニューは実際に試作され、
写真と作り方、分量、カロリー、調理時間が表示されている。
ここに載っている全てのメニューを考え、
それを実際に作ってみたのだとしたら、
その賛否はともかく、凄まじい情熱だと言わざるを得ない。

もちろん、そこに掲載されているメニューをよくよく見てみた所、
同じメニューが、別の項目でも紹介されていることがある。
冷静に考えてみたら、「和風」「洋風」という区分けはともかく、
「主菜」だとか「炒める」などと言ったカテゴリー分けでは、
そういうことも充分に起こりうるだろう。
その点を考えてみれば、さきほどの「主菜」のように
1つの項目に80種類以上という、膨大なレシピが掲載されているのも
こちらが考えているほどの、凄まじいレシピ量ではないのかも知れない。
しかし、そうはいっても、やはりここに記載されているレシピの数が
膨大であることには変わりない。
当然、それだけ膨大な数のレシピがあれば、
見ていて「んん?」と首をひねりたくなるようなものも、無いわけではない。

そこで、自分がこのレシピ集を見て、思わず突っ込んでしまったものを
いくつか書き出してみたいと思う。

・海鮮蒸し寿司
 のっけから、そうめんレシピとは思えない名前である。
 写真では枡に盛りつけられたそうめんの上に、エビやウニが乗っている。
 そうめん自体も薄めた酢にくぐらせてあり、酸味がつけてある。
 これを蒸し上げて、ツユで食べるらしい。

・サツマイモ入りミルク煮めん
 牛乳につかったそうめんに、刻まれたりんごとサツマイモが入っている。
 メニューに(離乳後期9~11ヶ月)と書かれている。
 恐らくは、そうめんを使った離乳食ということなのだろう。
 大人受けはしそうにないが、小さな子供は喜ぶかも知れない。

・ソース焼きそうめん
 豚肉、キャベツ、ナルト巻きと共に中濃ソースで炒められたそうめん。
 青のりが振りかけられ、紅ショウガがトッピングされている。
 あきらかにソース焼きそばのそうめん版である。
 ただ、写真でみるかぎり、あまりソースは麺に絡んでいない。

・冬三神雑煮そうめん
 花びら餅で作ったすまし汁の雑煮に、そうめんが入っている。
 お正月に食べるそうめんということだろう。
 揖保乃糸の中でも最高級品である「三神」を使っているのが
 いかにもお正月らしい。

・味噌汁そうめん
 そうめんの入ったみそ汁。
 そうとしか表現の仕様が無い。
 地元・たつのではそうめんのバチをみそ汁に入れることもあるので、
 それの上級版、といった所だろうか。

・オムレツそうめん
 具材を加えたそうめんを、薄焼き卵で包んだそうめん。
 ちゃんとトマトケチャップをかけている辺り、
 オムライスを意識しているようだ。
 調理時間が25分と、かなり長くなっている。

・そうめんプティング
 洋風デザートそうめん。各種フルーツと共に
 そうめんがプリンの中に入っている。
 そうめんをパリパリに焼いたものが表面に突き刺してあり、
 香ばしさを演出している。

・そうめんラザニア
 そうめん、ミートソース、チーズを繰り返して重ね、
 オーブンにて焼き上げた料理。
 そうめんがミートソースで染まって、
 まるでスパゲッティナポリタンの様だ。

・そうめんあんみつ
 あんみつの中にそうめんを入れた、インパクトのあるメニュー。
 市販のミックスフルーツ缶と、アンコを利用しているので、
 かなりお手軽に作れてしまうのがミソ。
 
・そうめんのお弁当
 同じ名前のレシピが2つ掲載されているが、中身は別物。
 まあ、どちらも弁当箱の中に、小さくまとめた
 そうめんが入っていることに違いは無いのだが……。
 別に魔法瓶などで、ツユを持っていく必要がある。

どうだっただろうか?
個人的な感想をいわせてもらえれば、
結構、ショッキングなレシピも多かったように思う。
ただ、変わり種レシピ(ほとんどがそうだが……)はどれも
もともと別のメニューだったものを、
そうめんに置き換えただけというものが多い。
それが、元のメニュー以上のものに仕上がっているか?といわれれば、
正直、そこの所には疑問符をつけざるを得ない。
(実際に、試したわけではないので、本当の所は分からないのだが……)

ただ、ネット上での評判を見る限り、
やはり「やりすぎ」という意見の数が多いようである。
「揖保乃糸」という評価の高いブランドのそうめんを使ってまで、
やることではない、という意見もチラホラ見られた。
これらの意見には、自分も頷く所である。
ただ、ここまでのブランドを築いていても、そこに胡座をかかず、
貪欲にそうめんの可能性を模索していくそのパワーについては、
正直、脱帽せざるを得ない気持ちもある。
恐らくは、このパワーこそが「揖保乃糸」をトップブランドに押し上げた
源なのだろう。

あと1つ。
これらの変わり種レシピの中に、さりげなく
「冷やしそうめん」という、ごく普通の食べ方が混じっていたのだが、
正直、周りのレシピが余りにもアレなので、
かなり違和感があったことを記しておく。

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