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楽しいUMA ビッグフット 〜その1

更新日:

By: senov

前回まで3回にわたって、世界でもっとも有名なUMA、
「ネッシー」について取り上げてみた。
今回取り上げるのは、猿人型UMAの代表格とも言える
「ビッグフット」である。

「ネッシー」同様、「ビッグフット」についても、
知らない人はいないといってもいいくらい、有名なUMAなのだが、
一応、その概要を大まかに書いておく。

「ビッグフット」は、アメリカ合衆国・カナダの
ロッキー山脈付近で目撃されることの多い、UMAである。
アメリカ先住民族インディアンの伝説の中にある
「サスカッチ」と同一視される場合もある。
「ビッグフット」の名前の通り、
巨大な体躯を持つ類人猿と考えられており、
これまでに様々な目撃情報が寄せられ、
その足跡と思わしきものも見つかり、
数多くの写真、映像が撮られているが、
これまでに1度も実物は捕獲されていない。
(もちろん、捕獲された時点でUMAではなくなるのだが……)

だから、本来であれば、まだ確認されてもいない
動物のデータということで、
全く意味のないものという見方も出来るのだが、
一応、巷で囁かれている「ビッグフット」のスペックについて
ここに書き出してみると、

・身長は2〜3m、体重は200〜350kg
・二足歩行を行ない、歩幅は1〜1.5m
・足跡は大きなもので45cm
・筋骨隆々で、全身に褐色、または灰色の毛が密生しているが、
 顔の部分は毛が生えていない
・鼻は低く、目は落窪んでいる
・強烈な体臭を放つ
・温厚な性格だが、好奇心が強い
・「ブーブー」「ピューピュー」「キー」「キャー」「ウー」と鳴く
・雑食性である
・おとなしい性格であり、人間が仕掛けない限り襲っては来ず
 偶然に遭遇した場合でも、静かに立ち去っていく
・ほとんどの場合、単独行動をしているが
 ごく稀に、夫婦・家族で行動しているものもある

と、いうことになる。
外見的なものに関しては、まあ、目撃証言や写真、映像から
推測できるとして、性格や食性に関しては
どうも人間の勝手な思い込みではないのか?という節もある。
これらが、アメリカ合衆国北西部からカナダ西部にかけての
ロッキー山脈周辺で生息している、ということらしい。
ただ、これまでに寄せられた目撃情報を統計してみると、
「ビッグフット」が目撃されているのは、
特にロッキー山脈近くに限ったことではなく、
アメリカ合衆国のほぼ全土、東海岸やフロリダ半島、
メキシコ湾沿いなどでも多く目撃されている。
これらの目撃情報を信じるのであれば、
「ビッグフット」は北アメリカ大陸に広く分布している
未確認生物ということになる。

「ネス湖」という、狭い湖のみに限定されて目撃される
「ネッシー」と違い、陸生である「ビッグフット」は
かなり広範囲に渡って目撃されている。
特にフロリダ半島など、広大なアメリカ合衆国の中でも
ロッキー山脈付近とは、ほぼ対角線上に位置している。
それだけ広い範囲に生息しているのであれば、
簡単に捕獲されていても不思議ではない気もするのだが、
残念ながら、未だそれはなされていない。

こうなってくると、「ネッシー」の場合と同じく、
その目撃情報について、年代順に整理して分析してみたくなる。

ネット上で調べてみた限り、もっとも古い目撃例は
1810年、東部からやってきたハマーンという人物が
カリフォルニアの北部で巨大な足跡を発見している。
それは出来たばかりの足跡で、その傍には動物の骨と
血だらけの動物の肉が転がっており、
遠くの茂みを見ると、毛むくじゃらの大男が胸を叩きながら
雄叫びのような声を上げていたという。
胸を叩きながら、という点が、
他の「ビッグフット」目撃談とは違っているが、
他の動物でこれに類する行動といえば、
ゴリラの行なうドラミングであろうか?
(ちなみにゴリラが発見されたのは、これから100年も後の
 1902年のことであり、それもアフリカでの話である)
今から約200年前の目撃例である。
コロンブスがアメリカ大陸を発見したのが1492年のことで、
それ以降、ヨーロッパ人たちが
この新大陸にやってくるようになるのだが、
そう考えれば、それ以降の300年間は「ビッグフット」は
見つからず、300年たってようやく発見されたということになる。
そんなことが、あり得るのだろうか?

もちろん、1492年にコロンブスたちがやってくる前にも、
アメリカには先住民族インディアンたちがいた。
彼らの間には、「サスカッチ」と呼ばれる巨人伝説があり、
これはほぼ、「ビッグフット」と同様の姿をしているという。

1834年、ワシントン州スポケーンの白人宣教師が
アメリカインディアンの間に伝わる毛深い生き物の話を記録しており、
これが先述の「サスカッチ」のものだと考えられる。
その言い伝えによれば、その巨大な毛むくじゃらの生き物は、
魚のサケを盗み、強烈な臭いを残していくといわれている。
「サスカッチ」というのも、
アメリカインディアン・コウィチャン族の言葉で
「人に似た動物」という意味らしい。
ただ、強烈な臭いでサケを好み、毛むくじゃら、ということになると、
我々日本人の感覚からすれば、クマを思い浮かべてしまうのだが、
彼らの言う「サスカッチ」の中にも、
これを指しているものが、相当数あるのではないだろうか?
もっとも、この1834年の話は
「ビッグフット」の直接の目撃例ではなく、
あくまでも、インディアンの言い伝えを
白人宣教師が記録しただけのものに過ぎない。

詰まる所、1800年代の目撃談は、
1810年の1件だけ、ということになる。
しかも、他に例の無い「ドラミング」行為をしている辺り、
その真偽のほどについては、かなり怪しいと思わざるを得ない。
真実、ドラミングをしていたというのであれば、
19世紀初頭には、アメリカ大陸にもゴリラがいたということなり、
それはそれで大発見ということになるが、
もちろん、ゴリラはアフリカでしか見つかっていない。
そう考えると、この話の真実は1つだろう。
話の年代こそ1810年ということになっているが、
実際にこの話が作られたのは、遥かに後年なのだ。
ゴリラの「ドラミング」を取り入れているということは、
20世紀に入ってすぐか、ひょっとすると
映画「キングコング」の上映で、ゴリラのドラミングが
良く知られるようになった、1933年以降のことかも知れない。

さて、ここまで「ビッグフット」のざっとした概要と、
1800年代の目撃例を取り上げてみた。
私見になるが、ここまででは、
まだまだ信憑性のある目撃例は無さそうな感じだ。
次回は、1900年代に入ってからの目撃例を取り上げて、
これを検証していく。

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