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黍田富士

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図書館で本棚を漁っていると、「兵庫県の山」というタイトルの本を見つけた。

なかなか面白そうな本だと思い、読んでみて唖然とした。

紹介されている山が、ずいぶんと偏っている。

というよりは、自分のホームである西播地方の山がほとんど紹介されていない。

いや、というよりも播州全体で見ても、紹介されている山が少ない。

……どういうことだろう?

西播地方には高い山が少ないからだろうか?

いや、他の地方では標高300mそこそこの山が、たくさん紹介されている。

この標高で紹介されるのであれば、西播地方にも良い山はたくさんある。

ではなぜだろう?

どうも釈然としない。

のっけから愚痴っぽくなってしまったが、今回紹介するのは黍田富士である。

たつの市揖保川町、神部小学校の東側に位置する低山である。

標高は160mそこそこしかない。

黍田富士の名前の通り、結構きれいな円錐状の山なのだが、

背後の山に稜線がとけ込んでしまい,その姿はわかりづらい。

だが地形図を見れば、きれいな円錐状の山であることを確認できる。

第1回で、揖保川町民に揖保川町のシンボルと言える山は?と聞けば

黍田富士と答えるかもしれない、と書いた。

答えるかもしれない、というのは曖昧な書き方だ。

これには理由がある。

揖保川町には、この黍田富士以外に登山を楽しめる山、というのがないのだ。

正確にいえば、この黍田富士を含む山系のみが、揖保川町の山だといえる。

この山系においてシンボルとなりうるのが、黍田富士である。

この山系自体は、揖保川町の全域から見ることができるが、

前述したように、黍田富士はその中にとけ込むように存在しているので、

はっきりとその山容を確認することは難しい。

が、黍田富士の山頂には小さな展望台が設置してあり、この山系の北面の

地域からは、これを目印として黍田富士を見分けることができる。

神部小学校から東に広がる山域は、「ヤッホの森」と名付けられている。

神部小学校すぐ側の入り口付近には、アスレチック施設があり、

誰でも利用することができる。

山域中に遊歩道が通され、この遊歩道を通って山の反対側にある

河内小学校まで行くこともできる。

また山中には古墳、炭焼き小屋跡、隠し田跡などがあり、揖保川町の歴史の

遺産とでも言うべきものが点在している。

この「ヤッホの森」の入り口こそが、黍田富士への登山口となる。

黍田富士山頂へ到るルートはふたつある。

ひとつは黍田富士南側の谷を東へと遡ってゆき、黍田富士南の鞍部から

つづら折りに山頂を目指す、いわゆる遊歩道コース。

もうひとつは神部小学校東側から尾根に取り付き、そのまま尾根伝いに

山頂を目指す尾根コース。

この尾根コースには「健脚向け」との表示が出ているので、健脚コースと

呼ぶことにする。

まずは遊歩道ルートから紹介していく。

ヤッホの森に入ると、まずは子供向けに整備されたアスレチックパークがある。

ここには各種遊具の他に、ログハウス風の休憩所がある。

このログハウスの壁には、登山者用に杖が何本かぶら下げてある。

必要な人はこれを利用すると良い。

ただしきちんと返却すること。

このアスレチックパークの奥へ進んでいくと、道は二手に分かれる。

橋を渡って南側へ進むコースと、谷に沿って東側へ進むコースだ。

ここを東側の遊歩道コースへと進んでいく。

やがてコースに沿うように、細い流れが現れる。

足下もコブシ大の石がゴロゴロしているので、気をつけて歩くこと。

傾斜は緩いが、日当りが悪く、雨の後などは地面が緩くなっていることもある。

登り続けていくと、やがて流れはなくなり、頭上を覆っていた樹木もなくなる。

視界が開け、目前の鞍部まで見渡せるようになる。

坂を上りきると、道が南北に分かれている。

北に進めば黍田富士山頂、南に進めば河内小学校方面へと向かう。

ベンチがあるので休憩を入れてもいいだろう。

ここには鐘が設置してある。

鐘は設置してあるのだが、それを鳴らす仕掛けが何もない。

しようがないので、手にしている登山用の杖で鐘を叩いてみるが

いい音では鳴らない。

この山域には何カ所か鐘が設置してあるが、きちんと鳴らすことができるのは

黍田富士山頂に設置してある「幸せの鐘」のみである。

ここから北の黍田富士山頂に向けて、日当りの良い道を登っていく。

所々階段状に整備してあるが、地面は砂礫が多く、下る時に勢いをつけすぎたり、

いい加減な足運びをしていると、転んで思わぬ怪我をすることもある。

5~10分ほど登れば、山頂にたどり着く。

つづいて健脚コース。

ヤッホの森の入り口付近に、ヤッホの森の案内図が設置してあるのだが、

そこから山際に沿って北側へ進む。

すると踏み跡は、途中で右に曲がり山肌を登っていくことになる。

ここが健脚コースのスタート地点だ。

遊歩道コースとは違い、傾斜もきつく、足下も悪い箇所が多い。

落ち葉に足を取られたり、小さな足場を踏み外したりしないように

慎重に歩いていこう。

このコースは、基本的に尾根上を歩いていくコースなので

ある程度の高さに出ると、左右に展望が望めるようになる。

もっとも右手側、つまり南側に見えるのは山並みだけなので

視線がいくのは左手、北側だろう。

北側に黍田、山津屋地区の町並みを眺めながら、徐々に高度を上げていく。

黍田富士自体が160mほどの標高しかないので、その途中での展望だと

決して遠望は望めないが、そのぶん町の様子はよく見える。

ある高度まで登ると、そこからは傾斜の少ない道になる。

この辺りにはツツジの木が多いので、春にこのコースを歩くと

春の陽気と花の美しさが相まって陶然となる。

やがて道は下り坂になり、やや高度を下げる。

そしてここからが傾斜がきつく、段差も大きい、歩きにくい急登になる。

雨水の流れが、砂岩質の地面を削ったのか、深い溝状になっている箇所もある。

下手をして、足を取られないように登っていこう。

やがて目の前に「幸せの鐘」と展望台が現れる。

そこが山頂である。

黍田富士の山頂は、大きく北側にひらけている。

そして山頂の北側斜面にせり出すようにして、2階建ての展望台が

設置されている。

この展望台の2階に上がるとJR竜野駅を中心とする、揖保川町の中心部を

眼下に納めることができる。

揖保川町の北に広がる、旧龍野市域、的場山や大倉山をふくむ山並、

さらに遥か北から播州平野を滔々と流れる揖保川、さらにその北に連なる

兵庫県中北部の高山の数々。

展望台の西側には、「幸せの鐘」と銘打たれた鐘が設置してある。

黍田富士南側の鞍部にあった鐘と違い、ロープを引けば鐘が鳴る仕組みだ。

黍田富士に登る度にこの鐘をついているが、結構大きな音がする。

が、どうも麓の方までは届かないようなので、思い切って鐘を鳴らしてみたい。

幸せになれるかどうかはわからないが、きっと心はスッキリするだろう。

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