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天下台山

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前回、たつの市のシンボルと言える山として、的場山を取り上げた。

今回はたつの市の隣、相生市のシンボルとしての山を取り上げてみようと思う。

市町村合併で巨大化したたつの市とは違い、相生市は昔からの市域を

そのまま保持している。

それだけに相生市民の意識は、たつの市民に比べても純度が高いと

言っていいだろう。

もちろんそれは山に関しても、同じである。

相生市民に相生市のシンボルとしての山を聞いた場合、名前が挙がるであろう

山はいくつかある。

まず、市街地東側の天下台山。

同じく市街地西側に宮山。

相生市の最高峰、三濃山。

国道2号線と県道5号線の間で、巨大電波塔を頂く、宝台山。

これらが、相生市のシンボルとして、名前の挙がってきそうな山である。

ここに挙げた山の中で、一番登山者が多いのが天下台山である。

日中に登れば、必ず誰か他の登山客に出会うことができる。

毎日登山をしている人も多く、まさに市民に愛されている、市民の山だ。

今回はこの天下台山を取り上げてみる。

天下台山、標高は321m。

相生市街地の東側に位置し、東と南にその山域を広げている。

だが、たつの市の的場山とは違い、市域の全てから見えるということはない。

むしろ市内からは天下台山は見えにくい。

この山に登るためには、主に3つのルートがある。

今回はその中でも、もっともメジャーなコースを紹介する。

紹介するのは天下台山の北麓、岩屋谷公園から登る、通称遊歩道ルートである。

相生市那波野に岩屋谷公園という、山に挟まれた細長い公園がある。

立派な駐車場もあり、遠方から車でアクセスしてくる登山者も多い。

休日には公園内でバーベキューをする人たちもおり、市民の憩いの場である。

この岩屋谷公園を登山口として、遊歩道コースはスタートする。

公園の入り口から公園奥に向かって、きれいに舗装された遊歩道が続く。

途中、遊歩道は山に登っていくコースと、川に沿って進んでいくコースに別れる。

ここはどちら側に進んでも問題ない。

川に沿って進んでいくと、やがて目の前にダムが立ちはだかる。

道はそのままダムの階段へと続いているので、その階段を上りダムの上に出る。

水量調節のためのダムなので、普段はほとんど水は入ってない。

ダムに上がり、右折して進んでいくと先ほど別れたコースと合流する。

合流地点には、「天下台」と書かれた指標がたっている。

そのまま舗装された遊歩道を、ダム湖に沿って遡るようにして進んでいく。

この辺りにはほとんど傾斜はない。

やがてダム湖は見えなくなり、遊歩道の左は針葉樹林帯となる。

その針葉樹林帯がなくなる頃、遊歩道の舗装がなくなる。

右手には砂防ダムがあるが、柵があって近づくことはできない。

さらに進んでいくと、小さな流れを横切って、本格的な登り道になる。

道幅は広いので、多人数で来た場合も、話しながらのんびりと登れるだろう。

この坂を上りきった所に藤棚があり、半分枯れかけた藤の蔓がからみついている。

その先には階段状の登りがあり、その手前にベンチがあるので、

疲れている場合は、ここで休んでいこう。

ベンチの後ろに水場らしきものがあるが、飲用には適さない。

くれぐれも飲んだりしないように。

階段を上っていくと、右手側に小さな滝がある。

ある、といったが、実のところこれは幻の滝である。

ある程度の雨がふった後、ここに滝が出現する。

そしてわずか1日かそこらで、この滝は枯れてただの岩肌に戻る。

だからここで滝を見たい時は、雨上がりに来なければならない。

この滝の見える所で、道は大きく左に曲がる。

左手には今まで歩いてきた岩屋谷が、木々の間から見える。

そのまま階段を上っていくと、やがて頭上を覆っていた樹木がなくなり

ちょうど階段も終わりになる。

そこに屋根のついたベンチがあるので、ここでの休憩するのもいい。

岩屋谷方面がよく見える。

さらに登るべき天下台山の山頂も、南西方向に見える。

ここからは砂礫と、むき出しの岩肌の連続した登りになる。

傾斜は緩いのでそんなにキツくはないはずだ。

しばらく上がっていくと左手に水場があるが、ここも飲用に適している水では

ないので、飲まない方がいい。

飲むのならあくまでも、自己責任で。

この先に分かれ道があるが、本道から細い道が分かれているだけなので、

普通に判断してもらえれば、そうそう迷い込んだりすることはないはずだ。

この道は、電力会社が送電線を整備するために作った道で、

正規の登山ルートではない。

さらに進むと、今度は東尾根ルートからの合流がある。

ここから西に向かって、ほとんど傾斜のない尾根歩きになる。

尾根歩きと言っても、尾根の幅が広く、あまり尾根を歩いている感じはしない。

目の前は天下台の山頂部が見え、他の登山者が山頂に立っている姿が

見えるかもしれない。

尾根を渡りきると、そこから山頂に向かっての、つづら折りの最後の登りになる。

つづら折りの先端部分に、ベンチが設置してあるが、

ここまでくれば休憩はせずに、一気に山頂まで登ってしまいたい。

途中、ドウダンツツジが、秋には見事に紅葉する。

その鮮やかな色は、一見の価値がある。

天下台山の山頂では360度のパノラマが楽しめる。

標高はわずか300mそこそこの山だが、その展望は近隣の山の中でも

群を抜いている。

南に瀬戸内海、家島諸島、小豆島、四国を眺め、

西に赤穂、岡山の山並みを眺め、

北にたつの市の的場山、大倉山をはじめとして、兵庫県北部の高山まで眺め、

東には姫路、加古川、明石の町と明石大橋、そして淡路島を眺めることができる。

この山頂に立ち、360度のパノラマの大視界を目の当たりにすると、

まさに天下を睥睨する『台』にのっているようである。

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