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愛すべき、没企画たち

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先日、図書館に行ったら、
「ゴジラ」の歴史を満載したビジュアルブックがあった。

え?図書館にそんな本があるの?
と思う人がいるかもしれないが、
最近の図書館は、なかなかに侮れない品揃えである。
その品揃えの中には、
こんな本、一体誰が読むんだ?
と、頭を抱えたくなるような本も結構ある。

実は図書館では、
入荷する本をリクエストすることも出来る。
もちろん、全ての図書館でリクエストできるわけでもないし、
リクエストした所で、それが入荷されるとは限らない。
ひょっとして、お前、
「ゴジラ」の本をリクエストしたんじゃないか?
などと疑われてしまいそうだが、
この本をリクエストしたのは、自分ではない。
というより、自分はリクエストしたことがない。
自分が読みたい本をありのままにリクエストすれば、
かなりオタクチックで、マニアックな、
ラインナップになってしまうだろう。
そんなものをリクエストしたら、
これから先、どういう顔をして、
図書館に本を借りにいけば良いのか?
……。
まあ、そういう理由で、自分は図書館に
リクエストをしたことがない。

話がそれてしまったが、自分が借りてきた
「ゴジラ」のビジュアルブックには、
「ゴジラ」シリーズの詳しい歴史が、書かれていた。
もちろん、歴史というのは
「ゴジラ」のストーリーではなく、
その製作の歴史である。
様々な映画企画が立てられ、
取捨選択され、内容を推敲し、改良され、
やがて完成した企画をもとに、映画が作られる。
そこら辺の企画の変遷の歴史が、その本に書かれていた。

これによると、「ゴジラ」シリーズが作られていく中で、
かなり様々な企画が作られ、そして没になっている。
今回は、そんな没企画の中から、
面白そうなものをピックアップしてみる。

まず、シリーズ第1作「ゴジラ」が出来るまでの企画だ。
もともと「ゴジラ」シリーズは、
インドネシア独立運動の秘話を描く、
「栄光のかげに」という企画が作れなくなったため、
その穴埋めということで作られた企画であった。
その一番最初の企画タイトルは、
「海底2万哩から来た大怪獣」である。
ややもすると、ノーチラス号でも出てきそうなタイトルだ。
水爆実験によって恐竜が目覚め日本を襲うという、
「ゴジラ」と同じコンセプトは、
この時にでき上がっている。

同じころ、円谷英二も海から現れた化け物クジラが
東京を襲うというストーリーを考えていた。
さらにもうひとつ、
大ダコが捕鯨船団と戦うという企画もあった。

これらの企画をまとめ、「G作品」ということで
製作が進められていった。
これが後に「ゴジラ」となるのである。
ちなみに円谷英二は当初、怪獣を大ダコにすることを
強く主張していた。
どこかで間違いが起こっていれば、
「ゴジラ」はウネウネと東京の町をのたくる
大ダコだったかもしれなかったのだ。
もしそうなっていれば、
後のシリーズは随分と違っていたはずだ。
以降、気になる没タイトルを挙げていこう。

「フランケンシュタイン対ゴジラ」

キングコングに続く対戦相手として企画された。
有名な海外モンスターということだろうが、
今となってみれば、かなり違和感のあるタイトルだ。
というか、両者サイズが違いすぎる。
(それをいえば、キングコングもそうだが……)

「バットマン対ゴジラ」

冗談みたいなタイトルだが、こんな企画もあったらしい。
確かに有名なキャラクターだが、ゴジラと戦わせるか?
しかし身長50mのバットマンというのも、
見てみたい気がする。
だがゴジラを倒せるようなら、
ジョーカーなど敵にはならないだろう。

「ロビンソンクルーソー作戦 キングコング対エビラ」

キングコングシリーズとして企画された。
ロビンソンクルーソー作戦というのが、全く意味不明だが、
オリジナルのキングコングに近そうな気がする。
後にエビラはゴジラと戦っている。

「ゴジラ・レッドムーン・エラブス
 ・ハーフン 怪獣番外地」

ゴジラ以外は、全く聞いたことのない怪獣が並んでいる。
エラブス、ハーフンは、まだ怪獣の名前に
聞こえないこともないが、
レッドムーンというのは、どちらかといえば
ヒーローのような名前である。
ひょっとしたら、ジェットジャガーのような、
人類の味方をするヒーローなのかもしれない。
怪獣番外地というのが、なんとも世相を感じさせる。

「KING OF MONSTERS ゴジラの復活」

1977年に企画された。
ちょっとバタ臭いタイトルである。
これは、1975年に「メカゴジラの逆襲」で
シリーズが幕を下ろした後、
1984年に「ゴジラ」が復活する前に
企画されたものだ。
ただ、ストーリーの上では、ゴジラは死んでいない。
だから「復活」の言葉が入るのには、違和感がある。

「ゴジラ対アスカ要塞」

ついに怪獣ではなく、要塞と戦うことになった。
対怪獣と違い、どうも盛り上がりに欠けそうな気もする。
「アスカ要塞」というのが、
どういうものを指すのかわからないが、
ひょっとしたらロボットとか、戦艦かもしれない。
それならば「ゴジラ対メカゴジラ」に、
近いものだったのかもしれない。

「ミクロスーパーバトル ゴジラ対ギガモス」

ギガモス、というのがどういう怪獣なのかわからないが、
ネーミングを聞く限りでは、かなり強そうな名前だ。
ただ、「ミクロスーパーバトル」というのが気になる。
ひょっとして、巨大な怪獣ではなく、
ウイルスのような微生物で、
ゴジラの内部から攻撃したりするのだろうか?
だとすれば、ストーリー的にはちょっと魅かれるが、
絵的には面白くなさそうだ。

「ゴジラ対ゴーストゴジラ」

ゴジラ対ゴジラの対決だ。
メカゴジラとは違って、オカルトな感じがする。
しかし、ゴーストというからには、
足がなかったり、うらめしや〜と
哭いたりするんだろうか?
いずれにしても、力対力の迫力満点のバトルは
見られそうにない。

どうだろうか?
長いシリーズの裏には、
いくつもの没企画があるものなのである。
そして没になった企画の中には、
なんとも怪しい魅力を放つものが、転がっている。
さすがに「対バットマン」や
「対フランケンシュタイン」のようなトンデモ企画は、
これからも実現することはないだろうが、
「ゴーストゴジラ」などは、
そのうち実現するかもしれない。
そういう未来の企画が眠っているかもしれない所も、
この手の没企画の、楽しさである。

個人的には、没企画の中に
「ゴジラ対ガメラ」がなかったのが残念だが。

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