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元旦登山

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少し前の記事で1月1日、つまり元旦に
「元旦登山」をした、と書いた。

これは読んで字のごとく、元旦の早朝に登山をし、
山頂で初日の出を拝むイベントである。
初日の出を拝むわけだから、
当然、暗いうちから山に登り始める。
時間を上手く計算しておかないと、
山頂に着いたころには、
すでに太陽は昇っていた、ということもありうる。
そういう意味では、
時間に追われるようにして、山に登ることになる。
登山においてもっとも大切なことは「安全」だ。
足元もおぼつかないうちから山に登り始め、
時間に追われるようにして山に登る「元旦登山」は、
その意味では、かなり危険な登山であるとも言える。

世の中には、様々な「元旦登山」がある。
自分がやっているように、いつも登っている山を、
厚着をして、ライト片手に登っていくスタイルもあるし、
日本アルプスや、富士山など、
厳寒の雪山に何日も前から登り、
雪中、テント泊を繰り返しながら、
日の出を待つスタイルもある。
年末年始、日本アルプスなどでは例年、
登山者遭難のニュースが流れるが、
彼らのうちの多くは、
厳寒の高峰での初日の出を見ることを、
楽しみにしている。
もちろん、山頂まで自動車道がついているような山では、
車に乗って山頂に登り、
そこから初日の出を見るスタイルもある。
ただ、これに関しては、
「それは『登山』といえるのか?」
という声も聞こえてきそうだ。

調べてみた所、自分の住んでいるたつの市内では、
少なくとも8カ所で「元旦登山」が行なわれている。
自分の登った、的場山をはじめ、
片山の金輪山、そうめんの里北の愛宕山、
揖保川町の黍田富士と金剛山寺山、
揖西町と揖保川町の境界にある養久山乙城跡、
新宮町の新田山などである。
あれ?7つしかないじゃない、と思われそうだが、
後ひとつは的場山中腹にある
野見宿禰神社展望台である。
野見宿禰神社展望台に関しては、
「山頂」ではないものの、そこに到るまでの道が
的場山登山道の一部と同じである。
さらに言えば、「元旦登山」と「初詣」を
セットで行なうことが出来るお得な場所ともいえる。

この「元旦登山」、
たつの市内だけでも複数箇所で行なわれているように、
わりとあちこちで行なわれている。
元旦に山に登る、という風習が
いつごろから行なわれるようになったのかは、
全く定かではない。
これについては、いくら調べても、
その由来のようなものすら
見つけることが出来なかった。
日本では、もともと「登山」とは、
山岳信仰など宗教に関連したものしか存在しておらず、
一般人が「レジャー」として、
登山を楽しむようになったのは、
明治時代になってからである。
その「登山」も、多くの装備を持ち、案内人を連れて、
未踏の高峰に挑むといったタイプのもので、
元旦に山頂へ登り、初日の出を拝むというものとは、
かけ離れたものであった。

明治時代中ごろになると、
神戸で「毎日登山」とが始まる。
これは、適当な高さの山に毎日登る、というもので、
神戸在住の外国人達が始め、それに神戸市民が習った。
感覚としては「散歩」に近い登山である。
恐らく、この「毎日登山」を1年休まず行なうことにより、
1月1日の元旦も山に登る、という風習が
出来たのではないだろうか?
さらに、毎日登りなれた山道なので、
元旦の朝には、灯りを持って日の出前に山に登り、
山頂で初日の出を拝むということが出来るようになった。

そう考えると、少なくとも明治時代中期以降、
「毎日登山」の変形版として、
「元旦登山」は始まったのだと考えられる。
「元旦登山」発祥の地、というのも、
恐らくは「毎日登山」発祥の地である神戸の六甲山系、
その内のどれかではないかと推測できる。

「元旦登山」と「毎日登山」の関係を見てきたが、
実際に「元旦登山」が行なわれている山は、
普段、「毎日登山」が行なわれている山であることが多い。
毎日、同じ山に登っている地元登山会、
あるいは、地元のスポーツクラブなどによって、
「元旦登山」が呼びかけられていることもある。
事実、自分が毎年登っている的場山の場合は、
年末になると「的場山元旦登山」などと書かれた幟が
町中に立てられる。
もう毎年恒例となっており、
年末の風物詩のようにさえなっている。
これら地元の有志のよって
運営されている「元旦登山」では、
山頂において各種の振る舞いなどが、
用意されていることもある。
的場山の場合、豚汁、コーヒー、紅茶、
甘酒などが振る舞われ、
お手製の「元旦登山記念カード」も配られている。
それだけではなく、振る舞いの後のゴミの回収や、
山頂への臨時トイレの設置など、
快適な「元旦登山」のための様々な準備を行なっている。
いち登山者としては、まことに頭の下がる思いだ。

さて、自分も「元旦登山」を……、と考えているならば、
いくつかの注意点がある。

まずひとつは、完全な防寒体勢だ。
山を登っている時は、すぐに身体が温まり、
時には熱く感じることもあるだろうが、
山頂で日の出を待つ時間、
あるいは下山時などは、
身を切るような寒さにさらされることになる。
正月早々風邪などひかないように、
しっかりと準備を整えよう。

さらに灯りの用意。
大方の場合、登り始めは真っ暗である。
しっかりと足元を照らすものがないと、
マトモに歩くことも出来ず、大変危険だ。
懐中電灯……、可能であれば
手を自由に使えるヘッドランプを用意しよう。

靴も重要なポイントだ。
元旦早朝ともなれば、山道が凍結していることもある。
滑りやすい靴は避けるようにしたい。

そして出来るのであれば、「元旦早朝」以前に、
同じコースを明るいうちに登っておき、
コースの情報を得ておくようにしたい。
一度歩いておくだけでも、
後々、ずいぶんと登りやすくなるはずだ。

もちろん、元旦だけでなく、
普段もたまに山に登るようにしておけば、
体力的にも余裕ができ、楽に登れるようになるだろう。
そうなるともはや「元旦登山」ではなく、
ただの「登山」である。

「元旦登山」に始まり、
だんだん山に登る頻度が増えていき、
仕舞いには「毎日登山」をするようになる。

そう考えると「元旦登山」は、
「登山」を始める、格好のきっかけかもしれない。

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