雑学、雑感、切れ味鋭く、思いのままに。

Falx blog 2

食べ物

駅弁〜その2 駅弁の変遷。

更新日:


前回、駅弁について、その歴史を書いてみた。
今回は、全国にある様々な駅弁について書いていく。

一概に「駅弁」といっているが、
実はこれは大きく2つに分けられる。
「普通弁当」と「特殊弁当」だ。
「普通弁当」というのは、白飯と総菜から出来ている
ごく普通の弁当のことだ。
代表的なものとしては、「幕の内弁当」がそれにあたる。
これに対し、「特殊弁当」というのは、
それ以外のものということになっている。
代表的なものとしては、「峠の釜飯」、「蟹飯」、
「押し寿司」などがこれにあたる。
かつては「ソバ弁当」や「サンドイッチ」など、
米飯を使用していないものは、
国鉄が弁当と認めなかったが、
国鉄時代の末期になって、これらも弁当として認められた。

駅弁は、いくつかに分類することができる。

まず幕の内弁当に近いタイプのもの。
米飯と、様々な総菜が入っているものである。
この場合、米飯は白飯に限らない。
大方の場合、地元の特産品などを炊き込んだご飯が
入っている。
総菜の方についても、
やはり地元の食材や料理にこだわっている。
見た目的には、非常にオーソドックスだが、
郷土料理を色々一度に食べられることもあり、
結構お得な駅弁である。
弁当の形式としては、「幕の内弁当」形式が多いが、
「松花堂弁当」の形式をとっているものもある。
こちらの場合だと、
米飯も2~3種類入っていることが多い。
室蘭本線・白老駅の「味の散歩道」、
山陰本線・松江駅の「松江堀川遊覧おべんとう」、
横浜・崎陽軒の「シウマイ弁当」などがこれにあたる。

次に丼ものに近いタイプもの。
この場合、弁当箱や特注ケースに
敷き詰められた米飯の上に、具材が乗せられている。
米飯が普通の白飯の場合もあれば、
調味してある、「変わりご飯」が入っていることもある。
上に乗せられる具材は様々で、
肉類、魚介類、野菜類などさまざまである。
まれに、炊き込みご飯などが入っているだけで、
他に何も入ってい無いものもある。
静岡駅の「鯛飯」、
羽越本線・酒田駅の「ががちゃおこわ」などだ。
具材が乗っているものとしては、
八戸線・八戸駅などの「田子ニンニクスタミナメガ弁当」、
金沢駅の「能登たべまっし」、
横川駅の「峠の釜飯」、
釧路本線・摩周駅の「摩周の豚丼」などがある。

次に、各種寿司弁当がある。
この場合、もちろん米飯は酢飯を使っている。
ちらし寿司のように、上に具材を乗せているタイプ。
ばら寿司のように、具材を混ぜ込んでいるタイプ。
あるいは、この2つのハイブリッドタイプ。
また、笹寿司や稲荷寿司のような、
おにぎりに近いタイプもある。
富山駅の「ますのすし」、
札幌駅の「やまべ鮭すし」、
北陸本線・敦賀駅の「笹寿し」、
和歌山線・吉野口駅の「きぬ巻き時雨寿司」、
山陰本線・鳥取駅などの「元祖かに寿し」などがある。

もちろん、ここに挙げた分類に収まらないものもある。

函館本線・森駅の「いかめし」は、
イカの胴体に米を詰め、秘伝のタレで煮上げたものだ。
見た目は折り詰めの中に、
足の無いイカが入っているようにしか見えない。

小淵沢駅の「天下とりカツサンド」は、
チキンカツを使ったカツサンドだ。
カツサンドの駅弁はいくつかあるが、
チキンカツサンドというのは珍しい。
何故か金粉がまぶしてある。

高崎駅の「朝がゆ」は、
駅弁の中では格段に珍しい、おかゆの駅弁だ。
具材に栗とエビ、シラスが使われている。
「朝がゆ」というだけあって、
午前7時から9時までの限定販売である。
350円という価格が嬉しい。

これらは全国的に見ても珍しいので、
近くに寄ることがあれば駅に寄ってでも食べてみたい。

最後にひとつ、
気軽に食べることの出来ない駅弁を紹介しよう。
それが、「日光埋蔵金弁当」だ。
蟹やエビをふんだんに使ったちらし寿司、
和牛ヒレステーキに車えびの塩焼き、
ます寿しに、食後の和菓子までついている豪華版だ。
その価格は圧倒的で、15万7800円もする。
原付バイクが1台、買えてしまう値段だ。
なぜ、こんなに凄まじい値段になるのか?
秘密はその弁当箱にある。
実はその弁当箱に、日光彫りの重箱が使われており、
箸、器も日光彫りで作られている。
もちろん、全て職人の手作りだ。
そんな最高級の弁当箱に、最高の料理が入っている。
まあ、はっきりと言えば、
器に金のかかった弁当なのだ。
しかし、この駅弁を食べると、
日光彫りの重箱、器、箸がついてくる。
いや、正確には
重箱に料理がついてくるといった方が正しいか。
ただ、この駅弁、いつも販売しているわけではない。
販売会社の日光鱒鮨本舗のホームページによると、
15万円の埋蔵金弁当は、器が出来次第、
随時販売しますとある。
値段もさることながら、
購入すること自体がかなり難しい駅弁なのだ。

さて、ここまで、様々な駅弁を紹介してきた。
移動に鉄道を使わない限り、なかなか目にしない駅弁だが、
現在では、駅以外で販売している所もある。
前回にも書いたように、
現在、駅弁はその姿を消しつつある。
珍しい駅弁や、食べたい駅弁を見つけた場合は、
迷わず購入しておこう。

また次回に、などと考えていると、
いつの間にか、無くなってしまっているかもしれない。

Related Articles:

にほんブログ村 その他生活ブログ 雑学・豆知識へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-食べ物

Copyright© Falx blog 2 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.