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太陽光パネル、大規模崩落

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今月の上旬、西日本を未曾有の大雨が襲った。

数日間に渡って降り続いた雨の影響によって、
西日本各地では甚大な被害が出た。
自分の住んでいるたつの市でも、市の中央を流れている揖保川が増水し、
一時は氾濫寸前の状態にまで至ったのだが、
幸いにして揖保川は氾濫することなく、無事にこれを乗り切ることが出来た。
我が家はちょうど、土砂崩れも、揖保川氾濫による水害も
及ばない場所にあるので、終わってみればただ、
長く雨が降り続いただけのことで済んだのだが、
深夜「特別警報」が発令され、避難所開設の放送、
揖保川の水位が氾濫寸前という放送が流れてきては、
おちおちと眠っているわけにもいかない。
ついにはほとんど一睡もしないまま、翌朝を迎えることになったりもした。
(もちろん、その翌日も一日中雨は降り続いていたのだが……)

この大雨の影響で、一時、市内の各所が通行止めになったりしたのだが、
無事、雨が降り止んでみれば、どうも我がたつの市内では、
それほど目につくような大きな被害は出ていないようである。
ただ、近くのことでいえば、うちの近所の天神山の
北側の一部が崩れて道路を塞ぎ、通行が出来なくなっていたのだが、
今回の大雨で、自分の目にした、たつの市の被害というのは、ここだけである。
(恐らく、同様の被害は他にも出ていると思うが……)

今回のこの大雨による被害では、死者は200人を超え、
未だ多数の行方不明者が見つかっていない状況である。
ネットのニュースサイトでは、連日、この大災害について
大きく取り上げているのだが、そんな中、兵庫県の地方ニュースの中に
こんな見出しがあった。

太陽光パネルが大規模崩落
 西日本豪雨の影響』

7月7日、兵庫県姫路市林田町で、豪雨の影響による
大規模な土砂崩れが発生し、太陽光パネルが
3600平方メートルに渡って崩れた。
幸いにも、近隣住民や建物への被害はなかったのだが、
崩落が発生してから10日以上たった現在も撤去工事は進んでおらず、
住民らからは不安の声が上がっている。

実は、今回の豪雨で崩れた太陽光パネルというのは、これだけではない。
7月5日には、神戸市須磨区の山陽新幹線のトンネル近くで、
斜面が20mに渡って崩れ、一時、
新幹線の運転が見合わされることとなった。

ニュースには、大規模崩落を起こした現場の写真も掲載されているのだが、
ちょうど三角形の形に山肌を切り開いて設置された太陽光パネルのうち、
中程から下側が大きく崩れてしまっている。
手前側には工場(?)や学校(?)などと思わしき建物も
映り込んでいるのだが、それらの大きさと比べてみても
崩落した範囲というのは、かなり大きく感じられる。
太陽光パネルとそれらの建物の間には、
木の生い茂っているスペースもあるので、
崩落した太陽光パネルが民家などに被害を及ぼすことはなさそうに見えるが、
いずれにしても、人家近くの山が大規模に崩落していては、
近くに住んでいる住民はたまったものではないだろう。
この太陽光パネルは、東京の自然エネルギー事業を展開している企業が
設置したものらしいが、崩落から10日経っても撤去が始まらず、
住民からは不安の声が上がっているようだ。

かつてこのブログで、台風によって鬼怒川の堤防が決壊し、 大きな被害をもたらした件について書いたことがある。
その一件では、太陽光パネルを設置する業者が堤防を削って
パネルを設置した結果、そこの部分から堤防が決壊する結果になったという
話である。
後々の影響を考慮せず、軽々に太陽光パネルを設置した結果、
とんでもない自然災害を招いてしまった、というワケなのだが、
今回、姫路市林田町で起こった、太陽光パネルの大規模崩落も
どうやらこれと同じ話らしい。

実は、兵庫県には太陽光パネルの設置についての条例がある。
これによって、設置場所や工事の方法などの審査が行なわれ、
その安全性の確保をしようというものなのだが、
この条例が制定されたのは、去年の7月のことである。
太陽光パネルの設置があちこちで進められていたのは、
何年も前のことであるし、(実際、先に挙げた鬼怒川堤防決壊の一件も
2015年に発生している)今回の大雨によって崩落した太陽光パネルは、
どちらもこの条例が制定される前に設置されていたため、
全く審査が行なわれず、土地の所有者が自由に作ることが出来た。
そのため、今回のような崩落の危険性があるような場所であっても、
太陽光パネルを設置することが出来、その結果、
今回のような災害を招いてしまった、というわけである。
これら一連の流れを見れば、やはり行政(兵庫県)の対応は
遅すぎたというしかあるまい。

このように、山肌を切り開き、そこに一面の太陽光パネルを設置してある
場所は、今回大規模崩落した林田町のみならず西播全域、いや、
日本全国にある。
もちろん、事前にキチンとした調査を行い、安全性を確認した上で
太陽光パネルを設置している所もあるだろうが、
それらの法整備が整う前に、いい加減なやり方で設置された所も
相当数あるのは間違いない。
それらは、今回のような大雨、あるいは台風、地震などと言った
天災を前にすると、今回の様に一気に崩壊してしまうだろう。

これらは皆、人間のエゴが生み出した時限爆弾のようなものである。

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