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的場山

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日本のシンボルと言える山は、富士山である。

これは100人の日本人に聞いたら、100人がそう答えるだろう。

兵庫県のシンボルと言える山は?と聞いたらどうだろう。

恐らく氷ノ山と六甲山で、二分されるだろう。

氷ノ山は兵庫県内で一番標高のある山だから、その候補に挙がるのに対し、

六甲山は兵庫県内でもっとも登山客の多い山だ。

もっともここで言う六甲山とは、六甲山系のことであり、その最高峰を含む、

東西50kmに及ぶ、神戸、芦屋、宝塚の北の屋根と言える山脈全体をさしている。

では、たつの市のシンボルの山は?と聞かれたら、

たつの市民はどう答えるだろう。

旧新宮町域の市民は亀山というかもしれないし、

旧揖保川町域の市民は黍田富士というかもしれない。

旧御津町域の市民は綾部山というかもしれない。

が、旧龍野市域の市民は100人いれば100人が「的場山」と

答えるはずである。

的場山、標高394m。

新龍アルプスの最南端であり、山容自体はわりと平凡な、

どこにでもありそうな山だが、その山頂部には巨大な電波塔施設があり

それが一種の目印になり、旧龍野市域のほとんどからその姿を見ることができる。

と、こんな所が一般的な的場山の情報だ。

これに登る、と言うことになると主なルートは3つある。

ひとつは的場山南麓、龍野窯前からの登山ルートである。

ちょうど登山口近くに駐車スペースがあり、マイカーでアプローチする

登山者からすれば、一番アクセスしやすいコースである。

本来は、山頂の電波塔に車で上っていくための道路なので、

他のコースに比べると、圧倒的に歩きやすいのが特徴である。

登山口は普段、車が入れないように、ゲートが閉じられているが、

すぐ横に登山者用の小さなゲートがあるので、そこからいつでも入山できる。

傾斜は3つのコースの中では一番緩く、初心者向きだ。

迷うような分岐もなく、山頂までほぼ1時間か1時間半ほどでたどり着く。

山頂付近にメインルートから外れる階段状の遊歩道があるが、

この遊歩道を登っていっても山頂にたどり着く。

毎年、元旦に行なわれている元旦登山では、ほぼ全ての登山者がこのルートで

山頂を目指す。

200mごとに距離と高度を表示した杭がたっているので、

今自分がどれくらいの距離を歩いたのかすぐにわかる。

片道約4km、往復で8km。

毎日登山をしている人もいる。

一日に傾斜のある道を8kmも歩くのであれば、

それは充分に健康を維持できる運動量だろう。

的場山の登山コースそのふたつめは、紅葉谷から両見坂に登り、

そこから山頂をめざすコースである。

紅葉谷から両見坂までのコースは、しっかりと遊歩道が整備されている。

特に10月から11月の紅葉シーズンは、紅葉谷の紅葉を楽しみながらの

登山を楽しむことができる。

さらにこの時期、紅葉谷は野生の鹿との遭遇率が高い。

百人一首に、「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」

という一首があるが、まさにその状況がそこにあるわけだ。

両見坂の上まで登ると、そこで的場山山頂と鶏籠山山頂への道とに別れる。

左に行けば的場山、右に行けば鶏籠山である。

ここには県が建てた指標があるので、しっかりと確認すれば間違うことはない。

ちなみにここに書かれている表示では「的場山山頂 1km」とある。

ここからはきちんと整備された遊歩道ではなく、ただ登山客に踏み固められた

だけの山道になる。

しかも道自体がはっきりとせず、踏み跡を辿りながら急登を登ることになる。

このコースの一番苦しい所だろう。

しばらく登り続けると、急登が緩やかになり、道がはっきりとしてくる。

しかしここまでの急登で疲れきっている身体には、かなりキツいかもしれない。

どうしてもキツいようなら、適当に休憩を入れてもいいだろう。

がんばって登っていくと、やがて指標がたっている場所にたどり着く。

その指標には「的場山山頂 700m」と書いてある。

ここで、大方の人は「えっ、あれだけキツい思いをして登ってきたのに、

まだ300mしか来てないの!?」という感想を持つ。

思わず脱力して、休憩したくなる。

それで正解である。

実はこの「的場山山頂 700m」の指標の場所から先が、

このコース第2の急登なのだ。

勢いのまま休憩を入れずに先に進むと、途中でばててしまうことになりかねない。

ここで充分に休憩を取り、第2の急登を登りきると簡易ベンチの設置してある

小さなピークに到る。

ここからは南、東、北と三方向に展望が楽しめるので、

ここでの休憩もオススメだ。

ここから山頂までは、それこそ500m程になるが、

ここまでに比べると、なだらかな山道になる。

尾根上を緩やかに登っていく道であり、原生林の中を歩く気持ちのいい山歩きだ。

この辺りには鹿の他に、リスなども棲息している。

目にするためには、相当な幸運が必要かもしれないが、

注意して歩いてみると良い。

やがて、細い木材を横にして整備した階段が現れる。

最後の急登である。

ここを登りきった所に、的場山山頂の三角点がある。

最後のコースは、野見宿禰神社の裏から登っていくコースである。

と、いってもこの野見宿禰神社に来るまでが、すでにちょっとした登山である。

この神社に来るためには、童謡の小道の奥から山道を登っていくか、

紅葉谷の途中から横道にそれるか、龍野神社の裏から登っていくかの

3つのルートがある。

どの道もしっかりと整備してあるので、歩きやすいだろう。

ただ、野見宿禰神社の直下にある階段は、古くなっていることもあり

やや石段がななめになっている箇所がある。

足腰に不安のある人は、石段の真ん中に設置してある手すりを、

しっかりと握って登ると良い。

長い石段の上にあるのは、神社とは名ばかりの石の扉である。

この石の扉の周りには、相撲取りが奉納した玉垣が並んでおり、

それに刻まれた往年の名力士の名前を探してみるのも、面白いだろう。

この野見宿禰神社の裏に回り込むと、そこに山頂への登山口がある。

このコースは、的場山登山のための3つのコースのうち、もっとも危険度の高い、

上級者向けのコースである。

コースは前半からまるで崖のような急な岩場を、登っていくことになる。

こぶし大の石がゴロゴロしていて、しっかりと足をおろす場所を確認して

歩かなければ、思わぬ事故を起こすことになる。

ただ、それ以上に注意しないといけないのは、

このコースは意外に登る人が多いということだ。

そのため、自分が不注意で落石を起こせば、否応無しに他人を

巻き込んでしまうことになりかねない。

また、他の登山者が引き起こす落石にも注意しておかないと、

思わぬ怪我をする可能性もある。

このコースを登る時は、全く気を抜く暇がない。

こう書くと、このコース、あまり良い所が無いようにも思えるが、

3つのコースの内では、もっとも短時間で山頂に達することができる。

さらにコースの途中での展望が良いので、休憩を多用するのも良いだろう。

コースを6割ほど登ると、傾斜は緩やかになり、道も岩場ではなくなる。

柔らかい土の山道を、張り出した木の根にだけ注意して歩いてゆけばいい。

しまいには傾斜もほとんど無くなり、森の中を歩いているような気分になる。

やがて両見坂から登るコースの最後、木材で整備された階段に合流する。

ここまでくれば、山頂はもうすぐだ。

さて、3つのルートをざっと説明した。

的場山の山頂からは播磨灘と、播州平野、そして空気が澄んでいれば、

淡路島までも一望できる。

ちょうど南と東の方角に、視界が開けている。

逆に西と北は、木々によって視界が塞がれてしまっている。

もし展望が開けていれば、的場山の北には新龍アルプスの山並みが、

西には大倉山をはじめとする、菖蒲谷方面の山々が見えるはずである。

ほぼ四季に渡り、問題なく登山を楽しめる山だが、

真夏の午後だけは避けた方が良い。

低山であるために、うだるような暑さで熱中症の危険があることと、

夕立が起こった場合、的場山山頂付近には幾発もの落雷があるからである。

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