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大根栽培〜2017

更新日:

去年、初めて我が家の畑で、大根を栽培してみた。

結果、途中で害虫に葉を食い荒らされるなどのトラブルはあったものの、
大根の育成自体は順調に進み、最終的には良型の大根を
100本近く収穫することが出来た。
素人の初めての大根栽培としては、上々の結果といえるだろう。
この大根については、弟や妹に分けてやったりもしたが、
結局その大半を、自分自身で食べて処理することとなり、
去年の11月中旬から今年の3月ごろまでは、
我が家の食卓が、ほぼ大根尽くしということになった。

その後、春から夏にかけての2回目のジャガイモ栽培では、
連作であったにも関わらず、昨年を大きく上回る収穫を得て、
一時期、自分はコメの代わりにジャガイモを食べるという、
外国人の様な食生活を送ったりもした。
そして今年の9月末。
満を持して、2度目の大根栽培に乗り出すことになった。

正直、少々、油断があったというのは事実である。
ジャガイモ栽培については、昨年、かなり収穫量が少なく、
失敗といえる結果だったものが、今年は問題点を改善し、
大幅に収穫量を増やしていただけに、自身を深めていたというのもある。

今年、大根を栽培するにあたり、去年、問題が起こった部分を
改めてピックアップし、その対策を練ることにした。
去年の大根栽培で、一番の問題となったのが
葉に集って、これを食い荒らした害虫である。
我が家の大根は、葉も食べること前提で栽培しているため、
一切、農薬の類は使用していない。
その結果、大根の葉がようやく開き始めたころに
大量の害虫が沸いて、これを食い散らかしてしまったのである。
あわや、全滅か?と思われたのだが、
畑が小さいことをいいことに、1つ1つ、害虫を手で除去し続けた結果、
大根の成長力が、害虫の食害を上回り、無事、収穫を得ることが出来た。
ただやはり、1つ1つ、手で害虫を取り除くのには手間がかかる。
毎日20分近くは、その作業を行い、
気温が下がって、虫がいなくなるまで、これを続けねばならない。
ここの所を、どうにかしたいと考えたのである。

方法としては、いくつか考えられる。

1つ目は、普通に害虫除けの農薬を散布することだ。
それなりに効果はあるだろうし、手軽なのだが、
その場合、葉を食べることは止めておいた方が良いかも知れない。
自分の場合、大根の葉もまた1つの食材だと思っているので、
これをなくしてしまうこの案は、没ということになった。

2つ目は、酢を水で薄めたものを、葉に散布するというものだ。
友人から聞いた話なのだが、これをすると虫がつかなくなるらしい。
これなら、農薬と違い、葉が食べられなくなるということもないだろう。
酢水の散布には霧吹きでも使えば、手間がかからない。
このアイデアを採用しようと思ったのだが、そこで1つ、思い当たった。
酢(この場合は食酢)は、酢酸を含んでいる。
これを撒いたとして、畑の土が酸性になってしまうのではないか?
というのも、この畑のもう1つの主要産物であるジャガイモは、
アルカリ性の土壌を好む。
(基本的には、ほとんどの野菜がアルカリ性の土壌を好み、
 各種作物を育てるごとに、土は酸性になっていく)
ジャガイモを植え付ける前、土作りの段階で、
肥料と一緒に木灰を土に混ぜ込むのも、
土壌をアルカリ性にするためである。
実際の所、酢水を散布した所で、本当に土が酸性に傾くのかは
ハッキリとは分からないのだが、後々のジャガイモ栽培の
害になるというのであれば、あまり積極的にやるわけにもいかない。

そこで思い出したのが、去年の大根栽培では、
秋が深まり気温が下がってきて、それが一定以下になった途端、
害虫自体がグッと減ってしまったという事実だ。
これを上手く利用すれば、害虫取りをする期間を
大幅に減らせるのではないか?
もう1つ。
去年の栽培では、土に肥料(鶏糞)を混ぜ込んだ他に、
タネまきをした後、土の表面にも肥料をまいておいたのだが、
どうも去年の感じでは、この表面にまかれた肥料が、
害虫の発生源になっている様な気がしたのだ。
そのため、今年は土の表面への肥料散布は止めておいた。
もともと、それほど多量に散布していたわけでもないので、
これはカットしても、影響はほとんど無いだろうと踏んだのである。
そう。
要は、種まきの時期を限界近くまで後ろへずらし、
さらに土の表面への肥料散布を行なわないことによって、
そもそも発生する害虫の数自体を減らし、
早い段階で、寒さによって害虫がいなくなれば、
害虫取りをする量と期間を、極限まで短縮できると考えたのである。

今年は夏の暑さが長く続いたため、大根のタネまきを
9月の末まで後にずらした。
昨年は、夏の間に土を作り、9月に入るとすぐにタネを播いたので、
実に1ヶ月ほど、栽培スケジュールを遅らせたことになる。
タネまきを1ヶ月ほど遅らせたものの、わりとすぐに発芽して、
それなりに順調に育っているように思えた。
ある程度のサイズになると、去年同様、大根の葉に虫がつき始めたが、
去年のそれに比べると、随分と数が少ない。
そうこうしているうちに、今年はあっという間に寒さが強くなり、
害虫の姿を、ほとんど見なくなった。
しめしめ、狙い通りになったと、ほくそ笑んでいたのだが、
ここで計算外の事態が発生した。
どうも、大根の発育状況が去年程よくない。
まあ、栽培スケジュールを1ヶ月後ろにずらしたのだから、
去年の同時期と比べると、どうしても成長が悪いのは当たり前なのだが、
ことに寒さが強くなり、害虫がいなくなった辺りから、
大根の成長速度が、大幅に落ちてしまった。

単純に考えれば、タネまきを1ヶ月遅らせたのだから、
それによって収穫も1ヶ月ほど遅れるはずである。
去年は、ちょうど11月15日、狩猟解禁に合わせて
大根の収穫も解禁したのだが、その段階ではすでに
大根はまるまると太って、大きく育ち切っており、
店売りのものと比べても、全く見劣りしない育ちぶりであったのだが、
これに遅れること1ヶ月の12月15日の段階では、
去年の大根の半分ほどにも成長していない。
このまま放置して、さらに成長するのを待つという手もあるのだが、
去年並みの大きさに育つのに、後どれくらいかかるのか想像がつかない。
いや、そもそも、これを放っておいて、
本当に去年ほどのサイズまで成長するのだろうか?

そう考えた自分は、一応、当初決めていた通り、
去年より1ヶ月遅れで、12月15日から大根の収穫を解禁した。
まあ、収穫といっても、調理する前に必要な分だけを
畑から抜いてくるだけの話なのだが。
そんなワケで、今年最初に収穫した大根は、
去年のものに比べると、太さが半分ほどしかない。
当然、葉の方も微妙な大きさなのだが、
こちらの方は、ちょっとした葉もの野菜程度のサイズではある。
まあ、これを食べる方法というのが、例によって、
葉・大根ともに細かく刻んで塩をして、
炊きたての麦飯に混ぜるというものなので、
それほど調理のしにくさというのはないのだが、
いかんせん、去年のものと比べると、恥ずかしくなる様な出来である。
去年は全国的に大根が不作で、値段が高騰している中、
スーパーでしなびた大根が高値で販売されているのを見て、
秘かに優越感に浸っていたのだが、
今年の大根の出来では、店売りのものと張り合うのは無理である。

一体、何が悪かったのか?ということになるのだが、
まあ、もっとも大きな原因は、種まきの時期を遅らせすぎたことだろう。
早く寒さが来たこともあり、これが大根が充分に育たない
大きな一因になったことは、確かなようである。
断定していいのかは分からないが、やはり大根の順調な成長には、
一定以上の気温が必要、ということだろう。
来年があるのであれば、種まきの時期を元に戻し、
実験的ではあるが、酢水を使った方法を試してみることにしよう。

一応、畑には、育ちは悪いものの、大量の大根が植わっているので、
これらを少しずつ収穫しながら、この先、
ちょっとでも大きくなってくれることを祈りたい。

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