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異物混入

投稿日:

By: t-mizo

ここの所、食品への異物の混入が流行っている。

こういう風に書くと、
各社ともせっせと異物の混入に
精を出しているように聞こえるが、
もちろんこれはそういうものではなく、
全く意図せずに、混入してしまったものだ。

最近ではインターネットの発達によって、
「この手」の情報が、
各個人から全世界的に発信されるようになった。
最近の異物混入騒ぎも、一連の騒ぎの発端となったのは、
あるカップ焼きそばにゴキブリが混入しており、
その写真がツイッターで発表されたものだった。
白い乾麺の中に、ゴキブリが埋め込まれている写真は
なかなかにインパクトがあり、
そのせいで、問題は一気に拡散された。
一部では、会社に苦情を入れるより先に
ツイッターで問題の画像を発表したことに、
非難の声も上がったりしたが、
やはり「こと」を有耶無耶にしないためには、
あの手順しかなかったのだろうと思う。
証拠となる「現物」が手元にある段階で、
「こと」を明らかにしておかなければ、
その後、いくら写真を発表しても意味がない。
せいぜい詐欺師呼ばわりされて終わりだろう。
問題の商品が食べられなくなったのは、
「こと」を明らかにした人間のせいではなく、
「こと」を起こしたメーカーの責任だ。

この問題が起こったとき、各所から
「どうしても、虫などは完全に防げない」とか
「どこの食品工場も、おおむね似たようなものだ」
という声が上がった。
確かに食品などを扱っている工場などでは、
どうしたってゴキブリは出るし、
虫などに関しても、これと全く無縁の工場というのも
無いかもしれない。
しかし大方の工場では、製造機械をしっかりと掃除し、
排水溝やゴミ捨て場などもしっかりと管理して、
虫の対策をしている。
その成果が、我々が現在享受している
「安心して食品を食べれる」生活だ。
そんな生活が当たり前になっているからこそ、
「異物混入」がこれだけの騒ぎになったのだ。
それを考えれば、
「どうしても、虫などは完全に防げない」とか
「どこの食品工場も、おおむね似たようなものだ」
などという声は、
地味で目立たず、手間のかかる虫対策を、
きっちりとやっている食品工場への、ひどい侮蔑だろう。

ところで騒ぎになった「異物」は、虫ばかりではない。
某ハンバーガーチェーンの商品からは、
「虫」ではない、様々な異物が見つかっている。
チキンナゲットからはビニール片、
ホットケーキにアクセサリーの金具、
ソフトクリームからビニール片、
ハンバーガーからは金属片に発泡スチロール、
フライドポテトからは人間の歯である。
ここでは「虫」でないものばかりを挙げたが、
もちろん「虫」も見つかっている。
ここまでくると、もう、
「異物混入」の見本市のようなものだ。
ビニール片や発泡スチロールなどは、
食材を入れていたものか?と推測も出来るが、
アクセサリーの金具や、金属片、
人間の歯などに至っては、どういう経緯で混入したのか、
想像もつかない。
特に人間の歯など、一体何があれば混入するというのか?
フライドポテトを食べていて、
中から人間の歯などが出てきた日には、
もう気味が悪くて、食べられなくなるのではないだろうか?

これらの件に関して、このハンバーガーチェーンは
異例ともいえる、3時間もの記者会見を行なった。
このチェーンでは、以前、チキンナゲットの材料に
使用期限切れの鶏肉を使っていたことが明らかになり、
その時も謝罪会見を行っていた。
以前の問題から、半年ほどで新しい問題が起こった格好だ。
この記者会見の中では、
一連の問題について謝罪を述べた後、
それぞれマスコミ各社の質問を受ける形になっていた。
この中で、特に気になった質問は、
「過去、どれくらいの件数の異物混入があったのか?」
というものだろう。
年間12億人の客に商品を販売しているという、
ハンバーガーチェーンにおいて、
年間どれくらいの件数の
「異物混入」が発生しているのかは、
いち消費者としては非常に気になる質問だったが、
具体的な数字の発表というのは無かった。
「異物混入」を公に発表するかどうかは
社内規定によるとしていたが、
顧客個人が、この手の情報を自由に発信できる現在、
会社側が積極的に情報を開示しておかないのは、
かえって、情報隠蔽を疑われるだけかもしれない。
そういう意味では、ネットの普及によって、
この手の情報が客側から積極的に開示されるというのは、
食品会社側からすると、恐ろしい状態だろう。

東京では、年間3000件近い、
食品に関する苦情が寄せられる。
そのうち、実に500件ほどが「異物混入」である。
ただ、ここで出ている数字は、
あくまでも保健所に届けられた件のみであり、
実際には、これに数倍する「異物混入」が
起こっていると思われる。

何が入っていたか?という点では、
第1位が「昆虫」となっている。
2位が「食品成分」、3位が「動物組織」となっている。
4位が「毛髪」、5位が「植物組織」である。
2位~4位までは、混入件数がそれほど離れていないが、
1位の「昆虫」だけは、2位の倍近くの件数となっている。
それだけ「虫」の混入というのは多く、
他のものに比べ、これだけが積極的に寄ってくるという
特性を持っているせいでもあるだろう。

「異物混入」の中には、え?こんなものが?
という例も結構、報告されている。
それらを挙げてみよう。

冷凍ハンバーグから銃弾が出た。
玄米茶からムカデが出た。
カップゼリーからネジが出た。
ウインナーソーセージから注射針が出た。
グリンピース水煮袋詰めから指先が出た。

どれも実際に目にすれば、相当ショッキングだろう。
ハンバーグから銃弾が出てくれば、
え?これ、野生の動物の肉なの?と思うだろうし、
注射針など、万が一食べてしまっていたら大惨事である。
指先などは、目の前にコロリと出てくれば、
ショックのあまり卒倒する人もいるだろう。

某カップ焼きそばや、某ハンバーガーチェーンによって、
にわかに注目され始めた「異物混入」。
あまり、遭遇したくはないものだが、
万が一遭遇してしまった時は、面倒くさがらずに
保健所やメーカーに連絡しよう。

そういうひとつひとつの声が、
メーカーに問題意識を与え、
しっかりとした改善対策に繋がる、
……はずである。

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