2月の半ば頃に、モテない男にとっては面白くないイベントがある。
今回の記事は、時節を考えてそのくらいに書こうかと思っていたのだが、
諸々の事情により後回しにした。
今回はその時に書かなかったテーマだ。
そう、チョコレートについてである。
前回、コーヒーについて書いた。
コーヒーはもともとアフリカ原産の植物だ。
現在では世界的な嗜好品となって、世界的に愛飲されている。
現在の主産地は中南米で、世界のコーヒーシェアのかなりの部分を占めている。
アフリカから大西洋を渡り、中南米で大いに栽培されている。
これとは全く逆の道をたどったのが、チョコレートだ。
チョコレートもまた世界的に愛されている嗜好品で、世界的に食されている。
コーヒーとチョコレート。
この2つは、非常に似通った過程を経て、世界へ広がっていった。
今回はチョコレートとコーヒーを引き比べながら、書いていく。
チョコレートの原材料であるカカオは、中央アメリカが原産地だ。
原住民の間では、カカオは貨幣の役割も果たしていた。
食べることのできる貨幣と言うことだ。
カカオ経済、と言うこともできるかもしれない。
この頃のカカオは、基本的に飲み物であった。
そういう意味ではコーヒーに類似している。
コーヒーとの違いは、コーヒーは焙煎した豆から成分を抽出するのに対し、
カカオは豆を粉にしたものを、そのまま湯に溶かして飲んだ。
味付けは香辛料などでつけ、現在のココアとは全く違っていた。
やはりコーヒーと同じく、薬用として飲まれていた。
やがて大航海時代が始まり、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を発見する。
これによりカカオ、改めチョコレート(飲用)はヨーロッパに持ち出された。
ここでチョコレートにミルクや砂糖が加えられ、
嗜好品として愛飲されるようになる。
ここまでが、コーヒーと全く同じ道と言っていい。
この後、チョコレートはコーヒーにはない、独自の発展をしていく。
そう、食べるチョコレートの発明だ。
1847年にイギリスで発明された固形チョコレートは、
やがて原料にミルクを加えたミルクチョコレートを生んだ。
このミルクチョコレートの発明は、「チョコレート4大発明」のひとつだ。
残りの3つは、上記した食べるチョコレートの発明、
滑らかな口当たりのチョコレートの発明、ココアパウダーの発明である。
ちなみにこのココアパウダーを発明したのがバン・ホーテン。
あのココアメーカー、バン・ホーテンの創始者である。
チョコレートを、神が人間に与えた菓子、と表現した人がいる。
チョコレートの融点が、人間の体温に極めて近いからだ。
だからこそ、チョコレートは口の中でシャープに溶けるのだ。
固いチョコでも口に入れると、とろりととろける。
そんな食感も、チョコレートの魅力のひとつだ。
チョコレートの原料であるカカオ豆は、現在主にアフリカで生産されている。
中南米から大西洋を渡り、アフリカで生産される。
コーヒーのたどった道とは全くの反対である。
だがチョコレートはコーヒーと同じく、世界中で愛される嗜好品になった。
さて、世界中の人たちから愛されているチョコレートだが、
これが日本で、あのモテない男から忌み嫌われているイベント、
バレンタインデーに使われるようになったのは、1960年くらいかららしい。
もっともイベントとしてしっかりと定着したのは、1970年代に入ってからだ。
書きながらも全く忌々しい。
今回の記事をバレンタインデーとも、ホワイトデーにも近くないタイミングで
書いた理由は、ただただ忌々しいからであった。