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ヤギさん

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猫が好きである。

これは昔、家で飼っていたためだ。

確か妹がよそから貰ってきた雑種の猫だったが、

その頃は大して猫は好きではなかった。

が、妹は毎日生き物の世話のできる性格ではなかった。

いつのまにかそれが母親の担当になり、母親が入院するのを期に

なぜか自分が面倒を見るはめになった。

最初は面倒なばかりだったのだが、やってみるとこれがなかなか可愛い。

餌を用意する間、きちんとお座りして待っているのも可愛かったし、

とことこと近寄ってきて、足に身体を擦り付けてくる様子など、

殺人的な可愛さだった。

かくして猫に溺れた。

身も世もない可愛がり方をして、家族にドン引きされた。

ああ、これが溺愛ということなのかと、頭の中で感じながらも

全く自分の態度が改まることがなかった。

以降、その飼っていた猫がなくなった今でも、猫好きは変わらない。

この例を見てみると、自分は猫が好きで飼ったわけではない。

たまたま自分のもとに猫が転がり込んできて、それを育てるうちに

猫に転んだわけだ。

これは動物を好きになるひとつの形だろう。

だが世の中の多くは、自分とは逆の順序で猫を飼うのではないか?

つまり、まず1番最初に猫を好きになるのである。

その後、猫を飼いたくなり、八方手を尽くして好みの猫を手に入れる。

一般的には、こちらの方が正しいペットとの出会いだろう。

そういう意味では、自分はまだ正しい手順を経て、動物を飼ったことがない。

そんな自分が、今飼ってみたいと思っている動物がいる。

それがヤギである。

実はヤギの第一印象はそれほど良いものではなかった。

実際に生きているヤギを見ての印象ではなく、ヤギの写真を見ての印象だ。

ヤギのたぐいの特徴なのだが、目の瞳孔が横に長いのだ。

これが初めて見た印象を悪くした。

なんといっても見慣れない形の目である。

はっきり言って不気味だと思った。

それから月日は流れて、図書館で再びヤギの写真を見た。

確か何気なく手に取った本が、ヤギの本だったのだ。

久しぶりに見たヤギの顔は、なんとも穏やかな顔だった。

気味が悪かった横に長い瞳孔も、全然気にならない。

むしろそれがいい感じにさえ思える。

そう、何というか『徳』のある顔に見えたのだ。

おもわず「ヤギさん」と言いたくなる。

猫の場合は「ネコちゃん」だが、ヤギの場合は「ヤギさん」になる。

ヤギの不思議な魅力だ。

ヤギの顔を改めて見てみると、優しく微笑んでいるようにすら見える。

横長の瞳孔が、にっこりと微笑んでいるように見えるのだ。

顎の先には、まるで水戸黄門のようなヒゲが生えている。

厳密にいえばこれは体毛で、ヒゲではない。

ヤギは沖縄九州では古くから飼われていたが、それ以外の地域で

飼われ始めたのは明治時代に入ってからである。

主に家畜として飼われ、食肉利用と乳利用の目的だったようだ。

かなりの粗食にも耐えるようで、そこらにはなって放っておいても

草だけ食べて生きている。

実際、その食欲はすごく、これを利用して除草作業にヤギを使うこともある。

ヤギのミルクは牛乳アレルギーの代用品としても使われることがあり、

牛乳と比べて味の劣るものではない。

またチーズの原料にも使われる。

食肉としては、羊肉と同じ扱いになる。

沖縄などでは頻繁に食べられている。

が、ミルクはともかく、さすがに普通にペットとして飼っている動物を

食肉として食べるのには抵抗がある。

ペットとして飼ってみたい、という気持ちはあるのだが、

どうも鳴き声が大きいのと、臭いが強いらしく、住宅地で飼うのには

ご近所の理解が必要なようだ。

それが得られるものなら、ぜひ飼ってみたい。

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