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タラの芽

更新日:

By: heniha

山登りをしていると、たまに食べられる「モノ」に出会う。

そのまま食べれるものや、調理が必要なものなどあるが、

基本的に自然のものなので、そのままでは食べられないものが多い。

そのまま食べられるものとしては、アケビなどがある。

これは意外と数が多いので、歩きながら適当にもいで、

食べながら歩くこともできる。

今回のテーマである「タラの芽」は、そのままでは食べられない。

一度、生のままかじってみたことがあるが、

エゴいような渋いような、なんともいえない味だった。

タラは「楤」と書く。

タラの芽という風に言うので、「タラ」がこの植物の名のように思えるが、

タラノキというのが正式名称で、辞典で引く場合はこちらで調べないといけない。

ウコギ科の落葉小高木で、あまり枝分かれしない。

幹が鋭い刺に覆われており、うっかりつかむとエラいことになる。

山の中よりは、むしろ林道の脇などに生えているので、

山歩きの行き帰りに見つけることが多い。

木が大きいと、高枝切り鋏がなくては収穫できないので、

きっちりと収穫しようと思えば、前もって準備をしておく必要がある。

タラの芽は、春の山菜の人気ものだ。

比較的、人家に近いところに生えているので、季節ともなると

近所の人たちは、今か今かと芽が出るのを待ち構える。

そしてある日、ふと気がつけばごっそりと無くなっている。

後に残るのは、刺だらけの幹のみ、ということになる。

ツクシやコゴミなどと違って、次に生えてくるということはなく、

誰かに先に採られてしまうと、まるまる1年間、チャンスはまわってこない。

タラの芽採りの非情な掟だ。

タラノキは1本だけ生えている、ということはあまりなく、

1本生えていれば、その近くにも何本かタラノキを見つけることができる。

枝が広がっていないだけに、まわりに背の高い木があれば、

見つけにくいことも多く、背の低い若木が草に隠れていることもある。

そういう若木からは、充分な大きさのタラの芽は採れないが、

場所さえ覚えておけば、翌年の春にはちょっと大きくなったタラの芽を

収穫することができる。

たとえ収穫がなかったとしても、場所だけはしっかりと覚えておきたい。

もちろん木を探すだけならば、春先でなくとも可能だ。

葉が茂ったタラノキは、ウルシの木に似ている。

特に葉の形は、タラノキとウルシはそっくりで、見分けがつかない。

見分ける為には、幹の部分を見ればいい。

タラノキは凶悪な刺が生えているが、ウルシにはこれがない。

だが、刺がないからといって安心してウルシに触ると、

かぶれてしまってひどい目にあうことになる。

タラノキもウルシも、なかなか手強い木なのだ。

採取の際にも、ウルシはかなり紛らわしい。

幹さえ見れば刺のあるなしで判別はできるのだが、

うっかりそれを忘れてしまうと、ウルシの芽を必死になって集めていた、

なんてことになりかねない。

ウルシについては、食べられる、美味しい、という人もいるが、

食べられない、毒がある、という人もいる。

過去に、漆職人が漆に対する免疫をつける為に、食べていたことがあり、

食べると舌がピリピリするらしい。

やはり食べない方がいいようだ。

逆にタラノキと同じように刺のある木でも、タラノキではないものもある。

これはタラの芽と同じように、食べることができる。

もちろん、タラの芽ではないので味は違う。

タラノキは林道の法面など、斜面に群生していることが多い。

だから、いざタラの芽を採集しようとすると、足場の悪い斜面を

登ったり、下ったりしないといけないことがある。

こういう時、もちろん滑落事故にも気をつけないといけないが、

近くにある木をつかむときも、注意が必要だ。

うっかりタラノキをつかもうものなら、手が穴だらけになる。

軍手程度では、全く手を守ることができない。

できれば厚手の革手袋を用意したいが、それでも油断は禁物だ。

タラノキの刺はかなり堅いので、革手袋でも貫通する可能性がある。

もしタラノキが群生している斜面で、滑落するようなことがあったら、

それこそ生きながらにして、針地獄を味わうことになる。

そんなことにならないように、充分注意しよう。

さて、そこまでの危険と、並みいるライバルを出し抜き、

無事にタラの芽を手にしたら、いよいよお楽しみの調理タイムだ。

ゆがいたり、和え物にしたり、炒め物にしたりと、

調理方法は色々あるが、やはり一番は天ぷらだろう。

薄く衣をつけ、さっと揚げると、あこがれのタラの芽の天ぷらだ。

これを塩で食べてもいいし、天つゆで食べてもいい。

醤油はタラの芽の香りを損なってしまうので、止めておいた方がいい。

この時期、スーパーなどでも、タラの芽の天ぷらを売っているところがあるが、

そういうものは大概が人工栽培のタラの芽だ。

香りも天然ものに比べると弱いし、何より歯ごたえが違う。

栽培もののタラの芽は、冷めるとくったりとしなびてしまうが、

天然物は、冷めたところで、そのしゃっきりとした歯ごたえはなくならない。

だが、せっかく天然物のタラの芽を天ぷらにしているのだから、

やはり熱々のところを食べたい。

おおかたのタラノキはひょろっとした幹が、1本立っているだけだ。

タラの芽は、その先にひとつかふたつ、生えるだけだ。

食べて美味しいのはここだけだ。

脇や胴からも芽が生えてくるが、これは採らずに放っておこう。

これまで採ってしまっては、タラノキは枯れてしまう。

山菜を採るときに、採りすぎないことは暗黙のルールだ。

来年の為にも、木を枯らすことはないようにしたい。

そして来年こそは、誰かに出し抜かれないようにしよう。

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