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コーヒー

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よく好きな缶コーヒーは?と聞かれることがある。

今までに一番飲んだ缶コーヒーは、キリンのFIREだ。

理由は簡単で、かつての職場にキリンの自動販売機があったからだ。

もっといえば、キリンの自動販売機しかなかったので、

コーヒーを飲むとなったら他に選択肢がなかった、という事情ある。

そのうち、近くの量販店で缶コーヒーを買うようになったが、

その時もずっとキリンのFIREを買っていた。

味が気に入った、と言うのとはちょっと違う。

もともとコーヒーを飲んでいたのは、

仕事中のリフレッシュの意味合いが強かった。

小さな菓子パンと缶コーヒーで休憩時間を過ごしていたのだが、

そこで菓子パンに求めたのは、疲れた身体を癒す糖分だったし、

缶コーヒーに求めたのは、頭をしゃっきりとさせるカフェインの効果だった。

詰まる所、もともと嗜好品として、コーヒーを飲み始めたのではなかったのだ。

もともとコーヒーはアラブの寺院で、徹夜のお祈りをする際の気付薬として

飲まれていたものである。

そういう意味では、自分のコーヒーは、これにかなり近い意味のものだった。

だから銘柄を変えることにより、カフェインの効き方が変わってしまうのを

恐れていたのだ。

「コーヒールンバ」という歌がある。

あの歌の中でも、アラブの坊さんがコーヒーを飲ませたことになっている。

歴史的に見てもコーヒーの原産地はエチオピアの辺りらしい。

エチオピアから海を渡ってアラブへ。

そしてアラブからヨーロッパへ、ヨーロッパから世界へと、

コーヒーは広がっていった。

現代では、コーヒーは世界各地で愛飲されている。

コーヒーはいつ、薬用品から嗜好品へと変わったのか?

おそらくは飲用する際に、ミルクと砂糖を入れるようになった時からでは

ないだろうか?

一般にヨーロッパでは深煎りしたコーヒーを好み、

アメリカでは浅煎りのコーヒーを好む傾向にあるようだ。

コーヒー豆の焙煎の深さを表す表記では、

もっとも深く豆を煎ったものはイタリアンロースト、

それより1段階浅く豆を煎ったものはフレンチローストとなっている。

これらはヨーロッパ人が深煎りを好むという、何よりの証拠だろう。

エスプレッソやカフェラテ、カプチーノなどは深煎りの豆でいれられる。

一方のアメリカンは、浅煎りの豆でいれたコーヒーの代表格だ。

中にはお湯で薄めた、ケチ臭いコーヒーをアメリカンだと

思い込んでいる人もいるが、とんでもない誤解である。

アメリカンで美味しいコーヒーを飲むためには、豆自体の持っている酸味が

重要になってくる。

これを浅く煎ることによって、苦みを出さず酸味を生かすようにする。

それだけに本当にうまいアメリカンをいれるためには、何よりも良い豆が

必要になる。

それだけにアメリカンにはミルクや砂糖は入れず、その香りと酸味を

ブラックで楽しむのが普通だ。

今やコーヒーは世界中で栽培されている。

アフリカ、東南アジア、中南米。

コーヒー栽培に適した土地は、大体同緯度上に存在している。

これらの生産地のある緯度を、別名コーヒーベルトと呼ぶ。

コーヒーも茶と同じく、基本的にはその年生産したコーヒーを

その年のうちに飲んでしまうものである。

この採れてから1年たってない豆を、ニュークロップという。

その期間を過ぎた豆はオールドクロップと呼ばれる。

かつてはこの熟成されたオールドクロップを珍重する人も一部いたが、

やはり豆の脂分の揮発や、香り成分の揮発によって味わいは劣るとされる。

現在、店で求めることができるのは、ほぼすべてニュークロップだ。

日本に、本格的にコーヒーが入ってきたのは、明治時代になってからだ。

もっとも日本人の嗜好にはなかなか合わなかったらしく、

国民が日常的にコーヒーを飲むようになるのは、昭和に入ってからである。

それも本格コーヒーとしてではなく、

インスタントコーヒーの普及によるものであった。

40代以上の人ならば、「違いのわかる男の~」というインスタントコーヒーの

TVCMを記憶しているだろう。

そう、日本では違いがわかる男も、インスタントコーヒーを飲んでいたのだ。

現代では考えられないことである。

実は日本人がコーヒーの歴史に大きく関わっている。

しかもどちらかと言えば、チープな所で大きく歴史を動かした。

そう、インスタントコーヒーの発明と、缶コーヒーの発明だ。

インスタントコーヒーは1899年、アメリカで日本人科学者が発明した。

缶コーヒーは1965年、日本国内で発売された。

この2つが、現在の日本でどれくらい普及しているかを考えれば、

これらが日本人による発明だと言うのも納得できる。

現在、日本は世界で第3位のコーヒー輸入国だ。

さて、一番最初に好きな缶コーヒーは?ということを書いた。

散々キリンのFIREについて書いたので、

これが好きだと思われているかもしれない。

間違いである。

自分の好みはミルクと砂糖をたっぷりと入れた、甘~いコーヒーだ。

一番好きな缶コーヒーはと聞かれれば、MAXコーヒーと答えるしかない。

もし自動販売機にお汁粉(缶)とMAXコーヒーが並んでいれば、

そこで自分は究極の選択を迫られることになる。

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