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植物 食べ物

ネバネバ成分ムチンとジネンジョ

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By: oya:

粘っこい食物は、身体に精をつけるといわれている。

納豆
オクラ
なめこ
レンコン

どれも、その粘りに特徴のある食物である。
これらに含まれている粘りの原因は、
「ムチン」と呼ばれる物質である。
このムチンは糖とタンパク質の結合した物質で、
タンパク質を効率よく吸収させてくれる。
この効率の良いタンパク質の吸収が、
体力増強、スタミナアップをもたらしてくれるのだ。
先に挙げたのは、植物性のものばかりであったが、
これら以外にも、

昆布
卵の白身
ウナギ

などのような、海草類や動物性のものであっても、
そのネバネバの原因は「ムチン」である。
この「ムチン」、熱に弱い。
確かに炒めたレンコンに、粘りは残っていないし、
卵の白身なども熱を加えれば、白く固まってしまう。
こうなってしまっては、ムチンの効果は薄れてしまう。
したがって、ムチンを効果的に摂取しようと思うのであれば、
熱を加えない食べ方を、ということになる。

納豆やオクラなどを、生食するのは簡単だが、
なめこやレンコンは、火を通して食べることが多い。
昆布も生食することは無いし、
ウナギを生食することは、危険ですらある。
生卵を飲むのは、「ロッキー」の映画でも有名だが、
あれも効果があるのは生で飲んだ場合のみで、
加熱して食べると「ムチン」の効果は期待できない。

つまり「ムチン」の効果を最大に得るためには、
生食が絶対条件、ということになる。
この条件を簡単に達成できる食物といえば、
納豆に、生卵ということになる。
面白いことに、どちらもご飯にかけて食べることが出来る。
そして、もうひとつ、
「ムチン」を含み、生食が出来る食品があり、
それもまた、ご飯にかけて食べることができる。

そう、今回のタイトルにある「ジネンジョ」である。

ジネンジョはヤマノイモ科、つる性の多年草だ。
日本原産の植物で、北海道の南西部、本州、四国、九州、
さらに朝鮮半島や、中国に分布している。
特徴は、地面の下に深く伸びる、「イモ」の部分で、
大きいものだと1mを超えることもある。
葉の形は、縦に間延びしたハート形で、
秋が深くなってくると、黄変する。
主に林道脇や、里山の山と里の境界部分など、
陽当たりのいい場所に、よく見られる。

葉が黄変してくるころになると、
葉の付け根の部分に「むかご」と呼ばれるものができる。
これは種子ではなく、茎が肥大化して形成された肉芽で、
一種の栄養繁殖器官である。
この「むかご」も食べることが可能で、
塩ゆでしたり、ご飯に炊き込んだりする。
風味もイモ部分に似ていて、美味である。
この「むかご」が地面の上に落ち、
そこから新しいジネンジョが生えてくる。
人工栽培のジネンジョは、この「むかご」から育てたものである。

ジネンジョの最大の特徴である「イモ」は、
地中に垂直に伸びている。
地上の葉が黄変してくると、収穫時期となる。
スコップやクワなどを使って掘っていくことになるのだが、
傷を付けず、きれいなままで掘り出すのは、なかなか難しい。
「掘り棒」と呼ばれる、柄の長い、専用の掘り道具もある。
ツルを地面までたどり、そこから掘り始めることになる。
ジネンジョの自生している場所には、
下草が繁茂していることが多く、
上手く地面までツルをたどれないこともある。
また、仮に上手く地面までツルをたどれたとしても、
笹などが繁茂している場合、
地面直下に、網の目のように地下茎が入り組んでおり、
これを切り開くようにして、掘らないといけない。
大きな木の側に生えている場合、
その根が邪魔になることもある。
ある程度、深く掘り進めば、植物の地下茎はほとんど無くなる。
後は、大きな石などが無いことを祈りながら、
掘り進めていくことになる。
イモによっては、大人がすっぽり中に入れるほど、
巨大な穴を掘らなければならないこともある。
だから、巨大なイモをきれいな姿のまま掘り起こすことは、
かなり困難である。

しかし、そのイモを掘り始める前に、
まず、何よりもジネンジョのツルを探さなければならない。
これにちょっとコツがいる。
林道沿いなどで、ハート形の葉を見つけることは簡単だ。
すでに黄変しているので、結構目立つのだ。
よく見ると、わりとあちこちに黄色いハート形の葉がある。
葉を見つけると、まずはその葉に近づいてみる。
ツルが足元に伸びてきているかもしれないので、接近は慎重に。
やがて、黄色いハート形の葉の近くに寄れば、
ツルを確認することが出来るだろう。

早速、ツルを地面までたどって芋掘りを……、
と思ってしまうが、一息ついてツルをよく見てみよう。
ツルに葉がついているが、その葉が対生であれば、
ジネンジョの可能性が高い。
高い、というのはどういうことだ、
違うこともあるのか、と思われるだろうが、
中にはごく稀に、互生になっている葉もある。
ただ、多くの場合、互生になっているツルはジネンジョではない。
つまり、葉だけでの判断は、難しいのだ。
次に、ツルの絡まり方を見てみよう。
これにも、ちょっとコツがある。
まずツルの絡まっている木を、左手で掴む。
このとき、人差し指から小指までで木を掴み、
親指はそのまま伸ばしておく。
恐らく親指は、右上を向いているはずだ。
木に絡まっているツルが、この親指と同じ方向で絡まっていれば、
かなりの高確率で、それはジネンジョである。
そのツルの葉が対生であったなら、
そのままイモを掘り始めていいだろう。
ツルの葉が互生だったのなら、
ジネンジョであるように願いながら掘ってみよう。

様々な困難を乗り越え、ついにイモが掘れた。
恐らく身体はクタクタだろう。
ジネンジョ掘りは肉体的に疲れるだけでなく、
途中で折らないようにと、神経も疲れる。
目の前に立派(?)なイモと、巨大な穴。
疲れ果てているので、そのまま帰ってしまいたくなるが、
帰る前に、掘った穴だけは埋め戻しておこう。
最低限のマナーである。

地面の下に、どれくらいの大きさのイモが眠っているのかは、
それこそ掘ってみるまでわからない。
しかし、自分は今までに何本か掘っているので、
ある程度の傾向はわかる。
ツルが一本だけ、寂しく伸びている場合は、
あまり大きなイモは期待できない。
数本のツルがワシャワシャと絡み合い、
ダンゴのようになっていると、
結構大きなイモが掘れることが多い。
また、葉の大きさが大きいときは、大きなイモ、
葉が小さいときは、小さいイモだった場合が多かった。
その辺りの微妙なギャンブル性も、ジネンジョ掘りの楽しさだ。

もちろん、ハズレの場合、イモも何も埋まっていない。
そういう場合は、早急に撤収し、次を探そう。
その判断の早さも、ジネンジョ掘りの才能のひとつだ。

随分、長々と書いてしまった。
次回はこの後、ジネンジョをトロロにして、
食べる段を書いていく。

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