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人工甘味料

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By: yoppy

スーパーやコンビニのドリンク売り場に行くと、
ゼロカロリーを謳った商品が目立つ。

コーラを始めとする炭酸飲料。
コーヒーや紅茶でノンシュガーをウリにしているもの。
(もちろん、ブラックコーヒーなどではなく、
 甘味のついているものでだ)
各種ジュース類。

これ以外にも、調味料売り場に行けば、
「ノンシュガー」、「カロリーカット」を謳った商品が
ずらりと並んでいて、その数は増える傾向にあるようだ。
ダイエットしたい人たち、
病気などで摂取カロリーを控えたい人たちが、
これらの商品を購入する。
同じ甘さが得られるのであれば、
少しでもカロリーの低いものを。
まさに爪に火をともすような、
切実なカロリーコントロールである。
カロリーはとりたくない。
でも、甘いものは食べたい。
この相反する望みの中で生まれてきたのが、
「人工甘味料」である。

現在、我々にとって
もっとも身近な甘味料といえば「砂糖」である。
様々な人工甘味料が作り出されたとはいえ、
我々がもっとも頻繁に使っている甘味料となると、
現在でも「砂糖」に適うものはない。
つまり、我々がもっとも甘さの基準として
実感しやすいものは「砂糖」である。
これを基本にして、様々な人工甘味料と
その「甘さ」を見ていこう。

・サッカリン

人類が一番最初に作り出した人工甘味料が、
「サッカリン」である。
1878年、アメリカの大学で作り出された。
人類初の人工甘味料であるが、
別に甘味料を研究していたわけではなく、
コールタールを研究していて、偶然、発見した。
砂糖の350倍も甘く、カロリーは0である。
第1次世界大戦による砂糖不足によって、俄然注目を集め、
一気に広まっていった。
ただ、砂糖に比べると「旨味」をもたず、
多量に使用すると、「苦み」が出るという特徴がある。
一時期、発がん性があるのでは?と騒がれたが、
後に発がん性は無いことが判明し、
現在でも、世界中で使用されている。

・チクロ

1937年に発見された人工甘味料。
甘さは砂糖の30~50倍で、
砂糖に近い甘さを持つ。
発がん性や催奇形性があるのでは?と問題になり、
現在、日本では使用禁止になっている。
中国、カナダ、EUなどでは、現在も使われている。

・アスパルテーム

1965年、アメリカにて発見される。
たまたま研究者の指についたものを舐めた所、
「甘かった」という偶然から生まれた。
さすがに未知の物質を口に入れるのはまずいのではないか。
味だけでなく、研究者の心構えも甘かったようだ。
甘さは砂糖の200倍。
現在、広く使われている人工甘味料。

・アセスルファムK

1967年に発見された。
甘さは砂糖の200倍。
「K」はカリウムの「K」である。
アセスルファムKには、他の物質の味わいを
引き立てる働きがあり、
他の人工甘味料と併用されることも多い。
熱、酸などに強い性質を持ち、
クッキーなどの熱を加えるお菓子にも使われる。
現在、広く使われている人工甘味料。

・スクラロース

1976年に発見された。
この発見にも、おかしなエピソードがある。
この物質を作った学生が、教授に連絡を入れた所、
「テストしておくように」といわれたのを、
「テイストしておくように」と聞き間違え、
舐めてみたことにより発見された。
こういう話ばかりを聞くと、
学者にはバカしかいないのか?と思ってしまうが、
もちろん、彼らは明晰な頭脳の持ち主だ。
甘さは砂糖の600倍と、かなりの甘さを誇る。
ちなみに砂糖を「スクロース」と呼ぶが、
スクラロースは、これによく似た名前である。
これはスクラロースの構造が、
スクロースに似ているため、
そう名付けられたためである。

・ネオテーム

1998年に作り出された人工甘味料。
砂糖の7000倍~13000倍の甘さを持つ。
砂糖に近く、スッキリとした甘さを持つ
……ということになっているが、
13000倍などという数字を持ち出されると、
本当に食べても大丈夫なのか?と不安になってしまう。
もちろん、一般家庭で使えるものではないだろう。
現在、日本で使うことの出来る、
一番甘い人工甘味料である。

・ラグドゥネーム

1996年、フランスで作り出された人工甘味料。
砂糖の30万倍という甘さを持つ。
甘さのインフレも、凄まじいものがある。
もちろん、世界最強(?)の人工甘味料であるが、
その危険性についてはまだ明らかになっておらず、
実用化はされていない。

さて、色々と人工甘味料を挙げてみた。
もちろん人工甘味料はこれで全てではなく、
他にも様々なものがある。

ここに挙げたほとんどの甘味料は、
家庭の料理などには使われないものばかりだ。
しかし、最初に書いたゼロカロリー飲料など、
我々は、結構日常的にこれらを摂取している。
よく、人工甘味料は身体に良くない、
なんていう話を聞くことも多いが、
すでに、そういうことを言っていられないレベルで、
人工甘味料は、我々の食生活の中に入り込んでいる。
だとすれば、むしろ人工甘味料とはどういうものか、
どういう種類のものがあるのか、
積極的に知っておきたいものだ。

今回挙げた人工甘味料を見てみれば、
まるで、マンガ「ドラゴンボール」なみの勢いで、
甘さがインフレを起こしていることがわかる。
我々の知らない所で、
「甘さ」は未知の領域へと突っ込んでいたのだ。
はたして人間はこの先、
どこまで甘いものを作りだせるのか?
いや、そもそも人間に、
そこまで甘いものが必要なのか?

そんな哲学的な問いかけをヨソに、
科学者達は、今もさらなる「甘さ」を追い求めている。

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