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続々・柿の「渋」を抜く

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今年、我が家のは大豊作であった。

我が家の柿は全て渋柿なので、何らかの方法で「渋」を抜かなければ
これを食べることが出来ない。
例年、行なっている「渋」抜きの方法は
もっともシンプルで保存の効く方法、つまり「干す」というやり方である。
ただ、今年は余りにも柿が大豊作で、余りまくっているために
この「干す」という方法以外を試してみることにした。

前回、初めて「干す」という方法以外で「渋」抜きを試してみた。
その方法というのが、
「柿の実のヘタをアルコールに浸して、袋に入れて密封する」
というものである。
結果としては大失敗で、まともに柿の「渋」が抜けていたのは
5個中の1個だけ(それも完全には抜けておらず、
かすかに「渋」が残っていはいたが……)で、
残り4個は「渋」がキツすぎて、とても食べられたものではなかった。

ただ、柿の実はまだまだあるし、「渋」を抜く方法というのもまだある。
さらに、いくつか他の方法を試してみることにした。

まず、試してみた方法は、
「柿の実を凍らせる」
というものである。
やり方は簡単で、柿の実を袋に入れて冷凍庫の中に入れておくだけだ。
どのくらいの時間、凍らせておけば「渋」が抜けるのか?
ということに関しては、詳しい情報を見つけることが出来なかった。
そのため、先に試した「アルコール」を使う方法に習い、
5日間ほど冷凍庫の中に放置してみることにした。
5日目に冷凍庫から取り出してみると、しっかり凍っているようである。
さすがに凍ったままだと食べ辛そうだったので、1日、
冷蔵庫に移してこれを解凍し、食べてみることにした。
パッと見た感じには、これを冷凍庫に放り込む前と全く変わらない。
ピーラー(皮むき器)を使って皮を剥き、包丁でひと口大に切り分けた。
やはり、柿の実内部にも明確な変化は現れていない。
本当にこれで「渋」が抜けているのか?

一切れをフォークで突き刺し、口の中に放り込んでみる。
外側の果肉は解凍が終わっているが、芯の辺りには
まだシャリっとした感触が残っている。
さしあたって「渋」さを感じないなー、などと思っていると来た。
時間差で口の中に広がる、不快な「渋」み。
若干でも弱くなっているかなと思い、咀嚼を続けて見たが、
「渋」みは強くなっていくばかりである。
口の中が「渋」さでおかしくなる前に、吐き出してしまった。
大失敗といわざるを得ない。

次に試してみた方法は、
「電子レンジで加熱する」
という方法である。
柿の木から、もいできたばかりの実をラップでくるみ、
電子レンジの中にいれて加熱する。
例によって、どれくらいの時間加熱すればいいかデータがなかったので、
とりあえず5分間、加熱してみることにした。
5分加熱すれば、ジャガイモや人参だって蒸し上がるのだから、
それより含有水分の多そうな柿ならば、十分すぎるほどに火が通るだろう。
電子レンジのスイッチを入れて5分。
電子レンジを開けてみると、ラップに包んだ柿の実から
何か白い液体があふれてきている。
恐る恐る柿の実に触ってみると、グズグズに崩れてしまいそうなほど
柔らかくなってしまっている。
とりあえず柿の実を小皿に移して、電子レンジから取り出し、
レンジ内の白い液体を掃除する。
わずかに粘性があるが、特に強い匂いなどはない。
恐らくは、柿の果汁が加熱によって変質したものなのだろう。
実からラップを取り除いてみると、実はボコボコに変形していて、
全くもとの面影がない。
はっきり言って、全く食欲をそそらない姿だ。

とはいえ、このまま試食もせずに廃棄してしまうのもためらわれたので、
とりあえずスプーンを使って実を半分に分け、
柔らかくなった果肉をスプーンですくい、食べてみた。
意外なことに、電子レンジで加熱した後の柿の果肉は
トロミのある繊維状になっており、色は白っぽい。
口の中にいれてみると、たしかに「渋」はそれなりに抜けているのだが、
肝心の「甘さ」もほとんど感じることが出来ない。
正直言って、食べられないワケではないのだが、
あまり食べたくない味だ。
結局、2〜3口食べただけで、残りは廃棄という次第になった。

最後の方法は、ネットで調べたものではなく、友人から聞いた方法で、
「普通に加熱調理すれば、「渋」を感じず食べられるらしい」
というものである。
普通に加熱調理といっても、その方法は実に多彩である。
焼く、煮る、蒸す(これは電子レンジで失敗したが)、揚げる……。
一体、どういう方法を使えばいいのか?
さらにいえば、味付けなどはどうすればいいのか?

そういう様々な選択肢の中から、今回は
「炒める」という方法を用いることにした。
柿のヘタを落として皮を剥き、果肉部分を細切りにしていく。
果肉の中にはいくつかのタネが入っており、包丁がこれにあたるたびに
手でタネを取り除く。
残った果肉を細切りにしていくのだが、柿の果肉は思っていた以上に柔らかく、
きれいな細切りにするのはかなり難しい。
結局、結構な太さを持った雑な細切り(?)になってしまったが、
無事、柿の実1つを全て細切りにすることに成功した。
色合い的に見れば、人参の細切りに近いだろうか?
クタクタに柔らかい人参の、雑な細切りをイメージしてもらえれば、
その真実に近い。

とりあえずフライパンをコンロにかけて加熱し、十分に熱くなった所で
油をひいて柿の実を投入する。
果肉には水分が多いので、油がはねるかな?と警戒していたのだが、
以外にも、油はねはそれほど激しくない。
果肉が十分に油に馴染むようにしながら、そのまま炒め続ける。
ここでふと考えた。
そもそもここからどうなったら、柿の実に火が通ったといえるのか?
同じような細切りであっても人参などは、
火が通ればしんなりとしてきて、火が通ったことが分かる。
だが、柿の実を炒めるのは初めてのことになるので、
どういう変化をきたせば、火が通った状態なのかが分からない。
さすがにこればっかりは、ネットで調べても出てこないだろう。
本来、柿の実は生でも食べられるわけだから、
少々、火の通りが甘かった所で問題はないわけだが、
今回の「渋」を抜くという命題を考えてみれば、
しっかり火を通さないと「渋」は抜けそうにない。
そんなことを考えながらしばらく炒め続けていると、
柿の実に焦げ目がつき始めた。
さすがに、もう十分に火は通っているだろう。
問題はここからの味付けだ。

「柿」というのは果物だ。
果物は普通、食後のデザートとして供される。
だからここはそれに従い、砂糖などを加えてデザートっぽくしていくか、
あるいは、そういう常識を無視して、
塩胡椒、ダシ醤油などで味付けして、ご飯のオカズ的に仕上げるか?
自分は後者を選んだ。
もともとの素材が甘くても、塩胡椒やダシ醤油でしっかりと味付けすれば、
いい感じに甘辛い、オカズ的な味わいに仕上がるのではないかと踏んだのだ。
火の通った柿の実に、顆粒ダシを振りかけ、塩胡椒を振りかけ、
最後にダシ醤油をかけ回した。
キッチンに漂う香りは、完全にキンピラゴボウ的なアレである。
これらの調味料が、素材である柿の実にしっかり馴染んだことを確認すると、
そのままコンロの火を止めて、出来上がった「料理(?)」を皿に移した。

油とダシ醤油で、茶色くテラテラに仕上がった柿。
果たしてキチンと「渋」は抜けているのか?
いや、それ以前に、ちゃんと食べられる味に仕上がっているのだろうか?
恐る恐る一切れを箸でつまみ、口に運んだ。
柿の甘さは感じるものの、それと同等以上の塩辛さが
上手くバランスをとっている。
はっきりいって、今回試してみた中では一番マトモ(?)な味である。
問題の「渋」に関しては、まだわずかに残っているのだが、
逆にその「渋」みがいいアクセントとなっているではないか。
これはハッキリ「成功」といっていいだろう。

さて今回、冷凍、電子レンジ、炒め物と試してみたが、
マトモに成功したといえるのは、炒め物だけであった。
それでもわずかに「渋」が残っていたのだが、
返ってそれも、全体の味わいの中でいい感じのアクセントになっていた。
これは自分の想像だが、タップリと絡ませた油が
「渋」さを抑えていたのではないかと思う。
そう考えれば、天ぷらやカレーなど、油分の多い料理に柿を使えば、
いい感じに「渋」が抜け、いい仕上がりになるのではないか。

もちろん、砂糖をタップリと加えてしっかりと煮込み、
ジャムなどに加工してもいいかも知れない。

どちらにしても「渋」が少々残っているくらいの方が、
味わいを複雑にして、美味しくし上がりそうなのは皮肉な所だ。

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