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イノシシ解体〜その2

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改めてナイフを渡され、イノシシの解体に挑むことになった。

イノシシ自体はすでに〆られており、腹を割かれて内蔵が取り出されている。
恐らくは水に漬けられ冷やされたものらしく、
触ってみるとひんやりと冷たく、大きく開いた腹の中には
わずかに水がたまっている。
(この水は、水に漬け込んだ際のものか、イノシシの内部から
 沁み出して来た血液なのかは、よく分からなかったが……)

足の中程に、クルリとひと回りするように刃を入れて、
そこから皮を剥いでいく。
イノシシの皮は固く、刃をゴリゴリとこするようにしてこれを切る。
人から聞いた話では、シカに比べ、イノシシの皮を剥ぐのは難しい
ということだったのだが、実際にやってみると意外にスルスルと皮が剥げる。
気を良くして、スイスイと皮を剥いでいたのだが、
途中で友人からダメ出しを食らってしまった。
どうも自分のやり方では、剥いだ皮の方にイノシシの脂が付いているらしく、
これでは全然脂っ気のない肉になってしまうという。
イノシシの皮を剥ぐ上では、なるべくこの脂の層を
皮ではなく肉の方にたくさん残せるかどうかが、「腕」の見せ所だという。
なるほど、確かに脂っ気のない肉は、やはり味気ないものだ。
ただ、友人にいわせれば、この時期(初夏)のころのイノシシは、
どうしても脂のノリは悪いので、うまくやっても
それほどの脂のノリにはならないそうだ。
それを聞いて一安心だ。

とりあえず友人にナイフを返却し、ガレージの主から
小さなナイフを1本借り受けたのだが、こちらは切れ味が今ひとつだ。
友人のナイフは、多少こするようにしたとはいえ、
固いイノシシの皮を切ることが出来たのだが、
こちらのナイフは、かなり根気よく皮をこすり続けないと切れてくれない。
仕様がないので、どうしても切りにくい所は友人に任せ、
比較的、切れ味が悪くてもどうにかなりそうな箇所を優先して、
イノシシを解体していく。
イノシシの左半身の皮を剥き終われば、これをクルリとひっくり返して
今度は右半身の皮を剥いでいく。
どうしてもナイフの切れ味の差が出るのか、
友人がサクサクと作業を進めていくのに対し、こちらは遅々として進まない。
結局の所、こちらが皮を剥ぐのに四苦八苦しているうちに、
友人の方は首や足を次々と切り離し、さらに足先の部分も切り落として、
自分が切り離した足は1本だけだった。

それだけのものを切り離してしまうと、残っているのは背骨と肋骨、
そしてその周りについている肉だけである。
こういう風に書くと、残っているのは
大したことのない肉ばかりの様に思えるが、
もっとも価値がある(?)とされている「背ロース」などは、
この残っている部分についている。
背骨を挟むようについている左右1対の長細い部位、
ここの所が「背ロース」と呼ばれる部分である。
一部の猟師などは、シカなどを狩猟した場合、
この「背ロース」の部分のみを切り出して、
残りを廃棄するようなこともあるという。
それだけ、価値があるとされているわけだ。
背骨に沿って切れ目を入れていき、肋骨に行き当たった所で
今度は肋骨に沿って、肉を切り離していく。
シカなどでは、この肋骨の外側には、ほとんど肉がついていないのだが、
イノシシの場合、ここの所にも脂分を多量に含んだ肉がついている。
俗にいう「バラ肉」というやつである。
イノシシの「背ロース」を切り離すと共に、続けてこの「バラ肉」部分も
同様に切り離していく。
まだ若いイノシシで、さらに時期的な問題もあり、
それほどここの部分にも肉がついていないのだが、
シカとは違い、一応、可食出来るだけの肉はついている。
この「背ロース」と「バラ肉」を切り離した後、
今度は首の辺りについているまとまった肉塊を切り離す。
これで、今回の解体は終了となる。

ひと通りの解体を終えて、台の上に並んでいるのは
「前足」×2本、「後足」×2本、「バラ肉付き背ロース」×2枚、
ソフトボール大の「肩肉(?)」×2個である。
少し前のシカ肉の解体では、ちょうど半分を貰ったのだが、
結構、使い切るのに苦労したので、今回は「足」は1本だけ貰い、
後は「バラ肉付き背ロース」と「肩肉(?)」だけを貰うことにする。
友人は、この他に肋骨を何本か切り取り、持って帰るようだ。
肋間の骨付き肉、いわゆる「スペアリブ」を楽しむつもりの様だ。

切り分けた肉を袋詰めにして、クーラーボックスの中に放り込む。
さらに使ったナイフ等を水洗いして、後を片付ける。

帰りの車の中で、友人の話を聞いてみた所、
イノシシの肉は、豚肉に近い性質を持っており、
調理方法も、ほぼ豚肉に準じた方法で良いようである。
改めてイノシシの料理といえば、
「ぼたん鍋」くらいしか思い浮かばないが、
折角のイノシシ肉なのだから、「ぼたん鍋」にチャレンジしてみるのも
アリだろう。

いずれにしても、普段、ほとんど肉類を口にしない自分にとっては、
久しぶりに「肉」を堪能する機会でもある。
可能な限り、色々とやってみるつもりである。

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