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パセリ

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子供のころ、家族で外食をするということになれば、
出かけていくのは「うかいや」であった。

ひょっとすると、これを読んでいる人の中には
「うかいや」って、何だ?と思っている人もいるだろう。
「うかいや」というのは、兵庫県揖保郡太子町に本社を置く
ガソリンスタンドのチェーンである。
ただ、業務内容はガソリンスタンドだけに留まらず、
レストラン経営や書店経営なども行なっている。
太子町を中心に、ガソリンスタンド「うかいや」、
「うかいや」レストラン、「うかいや」書店などが展開されており、
正に地元に密着した、ローカルチェーンの見本のようなものである。
何せ、展開しているのが西播磨地域の一部だけなので、
同じ西播地区に住んでいる人でも、ひょっとしたら
知らない人がいるかもしれないというほどの、マイナーチェーンである。

話を戻すと、子供のころ、家族で外食をするということになると、
出かけていくのは、揖保川町の国道2号線沿いにある
「うかいや」レストランだった。
ここは、大型のガソリンスタンドに併設して作られた
ドライブインタイプのレストランで、国道2号線を利用している
トラックドライバーなどの需要も当て込んで作られていたため、
そのメニューはどれもボリューム満点であった。
我が家は、わりと定期的にこの「うかいや」レストランを
利用していたのだが、これにはちょっとした理由がある。
実は、ガソリンスタンド「うかいや」で給油すると、
給油量に応じてポイントカードにスタンプを押してもらえ、
これが一杯になると、「うかいや」レストランで
割引してもらえたのである。
うちの父親が、通勤に使っている車の給油を
「うかいや」で行なっていたので、結構、スタンプの貯まり方が早く、
これを使用するために、「うかいや」レストランに
食べに行っていたというわけである。

この「うかいや」レストランで、自分がいつも食べていたのが
トンカツ定食だ。
ご飯にみそ汁、トンカツにサラダ、さらに小鉢に漬け物がついていた。
このトンカツとサラダの盛られた皿の隅に、一切れのレモンと
やはり一切れの「パセリ」が乗せられていた。

さて、この「パセリ」が問題だ。
家族で食事をして、それぞれが違うメニューを注文すると、
大体、その半分くらいのメニューに「パセリ」がついてきた。
定食系のメニューでは、付け合わせのサラダに
一切れの「パセリ」が添えられていたからだ。
弟がお子様ランチを注文した際にも、
やはり「パセリ」は添えられていたように思う。
自分は何の疑問も持たず、この「パセリ」を食べていた。
独特の苦みがあり、口の中が一発でサッパリするため、
最後までとっておいて、食事の最後の口直しとして食べるようになった。
ところがしばらくすると、この「パセリ」が増えるようになった。
料理が運ばれてきたときには1つしかなかった「パセリ」が、
いつのまにか2つか3つに増えている。
なんのことはない。
「パセリ」が好きでなかった妹と弟が、こっそり自分の皿に
「パセリ」を移すようになったのである。
それからしばらくの間、弟や妹が「パセリ」を食べれるようになるまで、
毎回、2〜3本の「パセリ」を食べ続けたのであった。

「パセリ」は、セリ科の2年草である。
セリ科の一種で、名前に「セリ」と入っていることから、
ややもすると「パセリ」って、和名なの?と勘違いしてしまいそうだが、
これはただの偶然に過ぎない。
「パセリ」の和名は「オランダゼリ(和蘭芹)」で、
「オランダミツバ」と呼ばれることもある。
原産地は地中海沿岸地帯と見られており、
古代ローマ時代から料理に用いられている、世界でもっとも使われている
ハーブの1つでもある。
地中海原産なのに、どうして和名が「オランダゼリ」もしくは
「オランダミツバ」と、「オランダ」を冠しているのかといえば、
18世紀にオランダによって持ち込まれたからである。

古代ローマのみならず、古代ギリシャ、古代エジプトでも
食用、あるいは薬用として用いられており、
歯磨き用として用いられることもあったという。
先にも書いた、口の中をサッパリさせる効果を狙ったのかもしれない。
その後、9世紀ごろにはフランスに、16世紀ごろには
イギリスやドイツへと広まっていった。
フランスとドイツなどは陸続きなのだが、どういうわけか
「パセリ」が持ち込まれた年代には700年もの開きがある。
先にも書いた通り、日本には江戸時代、18世紀始めに持ち込まれ、
貝原益軒の「大和本草」では、「芹」の項目にて
「紅毛芹(オランダゼリ)」と紹介されている。
乾燥に弱いという弱点はあるものの、地質や気候への適応力が高く、
日本での栽培は比較的容易なはずなのだが、
これが日本で本格的に栽培され始めるのは、
明治から大正にかけてである。

日本では、料理の添え物の様な扱いの「パセリ」だが、
含まれている栄養成分は非常に高くなっている。
ビタミンK、ビタミンE、鉄分などに関しては、
全ての野菜の中でも最大の含有量を誇っている他、
βカロテンやビタミンCにおいても、トップクラスの含有量である。
これらの豊富な栄養成分の他に、「パセリ」独特の香りのもとである
アピオールという精油成分も含まれていて、
これもまた高い健康効果を持っている。
これら様々な健康成分によって得られる効果は、

・生活習慣病の予防
・骨や筋肉の強化
・貧血予防
・アンチエイジング

など多岐に渡っている。
ただ、日本では「パセリ」は彩りとか口直し程度に考えられており、
料理に使われるとしても、ほんの添え物程度の量しか使われないため
上記した様な健康効果を得るのは難しいと思われる。
なら、毎日「パセリ」を山盛り食べればいいのか?ということになるのだが、
実はそちらの方にも問題がある。
先に書いた「パセリ」の香りのもとであるアピオールは、
少量であれば人体に有効なのだが、大量に摂取を続けると
内臓器官に影響を及ぼし、害を及ぼす恐れもある。
強い効果を持っているゆえの副作用だ。
特に子宮にも刺激を与えることがあるので、
妊娠中の場合は、出来るだけ摂取を控える方がいいだろう。

もっとも、日本ではよほどの変わり者でない限り、
「パセリ」を大量に、毎日摂取するなんてことはあり得ないので、
必要以上に「パセリ」を警戒する必要は無い。
「パセリ」の健康効果をうまく得たい場合は、
毎食、ひとかけら程度でも食べていれば、それなりに効果もあるだろう。

まあ、外食でついてくる「パセリ」については、
口の中もサッパリすることではあるし、
気休め程度の気持ちで食べればいいのではないだろうか。

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