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大統領のステーキ

更新日:

今年の1月、アメリカ合衆国に新しい大統領が就任した。
ドナルド・ジョン・トランプ大統領である。

彼は、選挙期間中から過激な発言で注目を集めており、
前任のオバマ大統領と、大きくかけ離れた政治方針を打ち出していた。
そのあまりに過激な発言から、選挙期間中から
四方八方より激しい非難を浴び、米国マスメディアも
これを厳しく取り上げていたのだが、
あれよあれよという間に、ライバルたちを打ち破り、
見事、大統領の座を射止めてしまった。
どうも、マスコミの論調ほどには、
彼は米国民から嫌われてはいなかったようだ。
ただ、大統領就任後も、四方八方からの根強い反発を受け、
それが、これまた負けん気の強い大統領を刺激して、
大統領就任後も、彼は過激な発言や、
大胆な政策を強引に推し進めていった。

まあ、ここら辺りは、わりとどうでもいい。
アメリカ大統領の行動は、アメリカと関係の深い日本にとっても
影響が大きく、どうでもいいなんていうこと書くと、
お叱りを受けるかもしれないのだが、それにしたって彼は、
キチンとした大統領選挙を勝ち抜き、大統領に就任しているのである。
ある意味、アメリカ合衆国民のもっとも強い意思が、
そこに現れていると言ってもいいのだから、
それについては、あまり突っ込んだことを書く気にはならない。
ただ、ドナルド・ジョン・トランプという1人の人間が、
一体、どういう人間なのか?という視点で見た場合、
自分の目には、負けん気と我の強い、イケイケなおっさん、
という風に映る。
まあ、彼の人となりを判断する公的な材料というのは、
選挙期間中の過激な発言や、大統領就任後のお騒がせぶりぐらいしかなく、
恐らく、日本人の大半は、彼のことを自分と似たような感じで
捉えているのではないだろうか?

ところが、ここ最近、彼について、こんな情報が伝わってきた。

「トランプ氏は、中まで火の通ったウェルダンのステーキを、
 たっぷりのケチャップに浸して食べることで有名」

これは、今まで自分がTVのニュースなどで得ていた
彼の情報とは一線を画する情報である。
政治姿勢や政治手腕などとは、明らかに別な方向から、
ドナルド・ジョン・トランプという人間を捉えている。
日本人の感覚からすると、ステーキにケチャップというのは
違和感を感じざるを得ない組み合わせなのだが、
そこはそれ、彼はアメリカ人である。
ステーキをどうやって食べるか?ということに関しても、
日本とアメリカの文化の違いというのは、必ずあるだろう。
だとすれば、日本人の我々がステーキにケチャップという食べ方に
違和感を感じたとしても、アメリカでも同じとは限らない。
…と、思っていたのだが、
この情報を伝えるネットニュースの続きを見ると、

「米国内では「素材を台無しにする食べ方」と
 たびたび批判の的になっている」

と書かれている。
なるほど。
このステーキにケチャップという組み合わせは、
やはり米国内においても、違和感を感じさせる食べ方であったようだ。
まあ確かに、そうでもない限り、ステーキの食べ方が
特に話題として取り上げられるということもないだろう。
しかしだ。
「素材を台無しにする食べ方」という評価はともかくとして、
批判の的になっているというのは、少々理不尽ではないだろうか?
ステーキにどんな調味料をつけて食べるかというのは、
それこそ、全く個人の自由であって、
彼が何をつけてステーキを食べたからといって、
それを批判するというのは、いくら何でもやり過ぎである。
そういうことをいうのであれば、日本人がステーキソースとして、
醤油やポン酢、大根おろしなどを使った「和風ソース」を使うのも、
彼らから見れば、ケチャップ以上に異常な食べ方ということに
なるのではないか?
この一件に関する、日本人のコメントを見ていても、
「どんな食べ方をしようと、そんなのは個人の勝手だ」
と、彼を擁護する者もいれば、
「やっぱり、彼の味覚はおかしい」
と、彼を批判するものもいる。
ただ、見ていて面白いのは、彼を肯定している人の中にも、
彼を批判している人の中にも、
ステーキをケチャップで食べたことのある人間は
いないだろうということだ。

さて、そうなると、ムラムラとこれを試してみたくなるのが、
自分の悪いクセである。
早速、スーパーに出かけていき、
ステーキ用の肉とケチャップを購入してきた。
ちょうど「米国産牛肉肩ステーキ」というのが格安で売られていた。
まあ、大統領の食べる牛肉と比べると、
大分、格は落ちるかも知れないが
「米国産牛肉」という点では、今回のテーマには沿っている。
ケチャップの方は米国産ではなく、
買い物に行ったスーパーのPB品である。
恐らくは国産品であろう。
肉の方は格安なだけあって、かなり薄っぺらく、固そうである。
このまま何の加工もせずに焼けば、固くて食べられないかも知れない。
そう思った自分は、とりあえず肉をまな板の上に置き、
1㎝間隔で、平行に切れ目を入れていった。
すこしでも「筋」を切るようにして、食べやすくしたのである。
表にびっしりと切れ目を入れた後、クルリと裏返して
やはりそちらにも同じように切れ目を入れていった。
出来上がった肉には、びっしりと切れ目が入り、
ステーキ用の肉というよりは、骨切りをした後の魚みたいである。
正直、見た目はかなりよろしくない。
しかしまあ、これは誰かに食べさせるものではなく、
単にステーキにケチャップをつけて食べると、どんな味がするのかを
自分1人で試すだけのことなので、見た目はそれほど問題ではない。
フライパンを温めて、油を敷き、塩こしょうした肉を入れた。
ある程度、表面を焼いた後、火を弱火にして
じっくりと時間をかけて焼いてみたのだが、
どういうわけか、フライパンの上に大量の汁が溜まり始めた。
多分、「肉汁」という奴だろう。
低温でじっくりというのがマズかったのか、
あるいは表裏にびっしりと入れた、切れ目がマズかったのか?
ハッキリとは分からないが、恐らくは後者ではないかと思う。
通常であれば、溢れた「肉汁」をそのまま煮詰め、
醤油や塩胡椒で味付けして、即席のステーキソースにでもするのだが、
今回の眼目は、ケチャップでステーキを食べることにある。
残念ながら、即席ソースで「肉汁」を再利用することは出来ない。
それにしても、これだけ薄っぺらい肉のどこに
これだけの「肉汁」が入っていたのかと思うほどの量である。
肉の下部が「肉汁」で浸され、焼いているのか煮ているのか、
よく分からなくなってくる。

もともとが薄っぺらい肉だったこともあり、
ステーキは、わりとすぐに焼き上がった。
例の情報によると、こんがり焼いたウェルダンのステーキ、
ということらしいので、肉の真ん中辺りを切ってみると、
しっかり中心部分まで色が変わり、良く焼き上がっている。
これなら焼き上がりに問題はないだろう。
そのまま平皿に移して、食卓へと運んだ。
もちろん、ソースも何もかかっていない。
さて、今回のステーキはここからが本番である。
用意しておいたケチャップのフタを開けて、
ステーキの上にドボドボと振りかけていく。
情報によれば、ケチャップに浸してということなので、
ケチャップは結構多めに振りかけてみた。
見た目的に、ヤバいことになるかな?とも思っていたのだが、
意外にそんなこともなく、思ったほどの違和感はない。
早速、ナイフで切り分けて、口の中へ運んでみる。
……。
さて、この味をどう表現したらいいだろう。
一番的確なのは、焼いた肉にケチャップをつけた味だ。
そのままやんけ!と、突っ込まれそうだが、
そうとしか表現しようのない味である。
決してマズくはなく、さりとてウマいというには
ちょっと物足りないという、どっちつかずな味である。
甘味と酸味の強いケチャップが、
塩胡椒を利かせた肉とすんなり入ってくる。
決してケンカはしていないが、さりとて、ひとまとまりになって
渾然一体となったウマさを作り出すということもない。
具体的にいえば、もうちょっと全体的に塩気が強ければ、
もうちょっとウマくなりそうな感じはする。
肉の塩気を強くするか、ケチャップにソースや醤油を加えてみるか?
ケチャップをステーキソースと考えるのであれば、
後者の方法をとった方がいいだろう。

まあいずれにしても、「素材を台無しにする」なんてほどには
ヒドくない組み合わせである。
よくよく考えてみれば、ホットドッグのソーセージに
ケチャップをかけるのは当たり前のことだし、
我が家ではマルシンのハンバーグにケチャップをかけて食べたり、
ケチャップとウスターソースを混ぜて、
即席のトンカツソースを作っていた。
アメリカで一般的なバーベキューソースも、
そのベースになっているのはケチャップである。
それらのことから考えると、肉とケチャップの相性は、
必ずしも悪いとは言い切れないのである。
むしろアメリカ人にとっては、
わりと「アリ」な組み合わせではないのだろうか?

さて、今回の実験で、従来の視点とは全く別の方向から、
ドナルド・ジョン・トランプという人間に迫ってみることが出来た。
少なくとも、「味覚」という観点から見る限りでは、
彼はそれほど逸脱した人格ではない、ということである。
まあ「ステーキをケチャップで食べる」というのは、
積極的にオススメできる食べ方ではないかも知れないが、
あのクセの強いアメリカ大統領を理解してみるという上では、
これを試してみるのも悪くないのかも知れない。

実際、彼の好きな「味」を実際に体験してみて、
これまでよりは、身近に大統領を感じるようになったのは確かである。

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