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バジルシード

更新日:

ちょっと前に、「チアシード」についての記事を書いたのだが、
それを読んだ友人から連絡が来た。
「チアシード」ならウチにあるぞ、というものであった。

話を良く聞いてみると、10年ほど前に購入したものが、
まだ残っているという。
10年前、という所に少々引っかかったが、
しばらくの後、これを訂正する連絡が来て、
「チアシード」じゃなくて「バジルシード」だった、
ということであった。
翌日には写真が送信されて来て、
それを見ると、問題の「バジルシード」が水でふやかされ(?)、
まるでカエルの卵のような姿になっていた。
写真で見た「チアシード(吸水状態)」よりも、
周りのジェル上部分が多く、しっかりとしている感じだ。
友人はこれをヨーグルトに混ぜて食べたらしく、
ヨーグルトの上に「バジルシード」を乗せた写真も、
併せて送って来た。
完全に見た目は、ヨーグルトの上に乗せられたカエルの卵である。
物凄くひいき目に見れば、キャビアなどの魚卵にも見えるが、
どちらにしても、ヨーグルトの上に乗せて、
見栄えのするものではない。

その友人が「バジルシード」を少し分けてくれるというので、
早速、これを受け取りにいった。
チャック付きのビニール袋に入れられたそれは、
どうみても、ちょっとサイズの小さい黒ゴマにしか見えない。
持ち帰ってインターネットで調べてみると、
「バジルシード 戻し方」というのがある。
タネに水を吸わせることを「戻す」といっていいのかどうかは謎だが、
調べてみると、水につけて5分からとしているサイトもあれば、
12時間おいておくといいというサイトもあり、
えらく戻し時間に幅がある。
ただ、一貫しているのは、
「バジルシード」は「チアシード」よりも戻し時間が短く、
より多くの水を吸水する、ということである。
「チアシード」は水を吸って10~14倍に膨らむと書いたが、
「バジルシード」の方は、なんと30倍に膨らむという。
吸水率だけで、「チアシード」の2~3倍あるわけだ。
ネットにあげられている画像を見た限りでは、
「チアシード」を戻したものは、1つの大きな粘液の中に
無数の黒いツブツブが入っているようなものが多かったのに対し、
「バジルシード」の方は、黒いツブを芯に持つ
無数の半透明の球体の集まりに見えるものが多いということだ。
それだけで断じてしまうのは早計かも知れないが、
「バジルシード」を包む粘液の方が、
しっかりとしているのかも知れない。

とりあえず、グラスの中に小さじ1杯分の「バジルシード」を入れ、
そこに150ccの水を入れて、かき混ぜてみた。
すると、水を入れて数十秒ほどしかたっていないのに、
すでに「バジルシード」の周りが、粘液上の物質に包まれ始めている。
情報通り、「バジルシード」の吸水速度は、相当早いようである。
この粘液が、どれくらいの大きさになるのか分からないので、
そのまま観察を続けながら、1時間ほど放置してみた。
全くの実感ではあるものの、2~30分ほどで
ある程度の大きさになった後は、あまり大きくならないようだ。
30倍もの大きさになる、とのことだったが、
そこまで大きくなっているようにも思えない。
「バジルシード」の個体差によるものか、
あるいは、購入してから10年以上たっているというので、
経年劣化を起こしているのかも知れない。
スプーンですくい上げて、ひとくち口に入れてみたが、
特に味というようなものはしない。
無味無臭というか、入れた水そのままの味である。
イヤな臭いも、変な味も無いので、傷んだりはしていないようだ。
全くクセ(味も)が無いので、食べて食べれないことも無いだろうが
やはり何か、味のあるものに混ぜるなりして食べた方が、
いいようである。
そんなワケで、吸水し切れなかった水を捨て、
グラスの中に「バジルシード」だけを残した状態にして、
そこへ買っておいたアイスのミルクティーを注いでみた。
ミルクティーの中に「バジルシード」のツブが入り混じり、
ちょっとしたトロピカルドリンク気分である。
よくココナッツミルクの中にタピオカを入れたドリンクがあるが、
あれに似たような感じになる。
なかなかウマそうだ。
ぐいっと飲んでみると、甘いミルクティーの中に
小さなゼリー状のツブが入り混じり、面白い感じだ。
だが、タピオカと違い、このツブの芯には
ゴマ状の「バジルシード」が入っている。
口の中で咀嚼すると、これがバリバリとした食感を生む。
はっきりいって、ちょっと違和感がある。
さらに「バジルシード」自体には味がついていないため、
「バジルシード」とミルクティーを一緒に口の中に入れると
やや味が薄まって感じられる。
まあ、それでも「バジルシード」だけを飲み込むよりは
断然、食べやすくなっているので、健康のために「バジルシード」を、
という人は、こういう食べ方をした方がいい。

「バジルシード」を、そのままミルクティーの中に入れて、
そこで戻せば、ひょっとしたら
ミルクティー味の粘液が出来るのでは?と考え、試しに実験してみた。
確かにミルクティーの中でも、「バジルシード」は膨らんだのだが、
アイスティー色の粘液にはならず、
水につけた場合と同じような色の粘液になった。
しかも粘液の出方が、水の場合に比べて遥かに小さい。
この粘液の部分は、「チアシード」の場合と同じで、
食物繊維のグルコマンナンである。
「バジルシード」「チアシード」がダイエットに効く、というのは、
このグルコマンナンが胃の中のスペースを占領して
少ない食事でも、満腹感を得られることから来ている。
そのグルコマンナンがほとんど出ないわけだから、
ダイエット目的で「バジルシード」を食べようかという人にとっては、
全く本末転倒な食べ方ということになる。
もちろん、「バジルシード」も「エゴマ」「シソの実」
「チアシード」と同じように、必須脂肪酸の1つであり、
抗酸化作用によって老化防止に役立つαリノレン酸を含んでいる。
こんな食べ方でも、このαリノレン酸は
摂ることが出来るかも知れないが、
どうせダイエット目的で「バジルシード」を食べるのであれば、
その全ての効能を引き出したい。
そうなると、やはり、「バジルシード」を戻すのは、
普通の水で……ということになる。

さて、この「バジルシード」。
自分は友人から少し分けてもらったのだが、
こちらの値段がどれくらいか気になったので、
先日、「チアシード」を見つけた
薬局の健康食品コーナーで探してみたのだが、
こちらは全く見つからなかった。

他の店舗を見て回ったわけではないので、確実ではないかも知れないが、
商品としての入手のしやすさという点で考慮すると、
これはやはり「チアシード」の方に、軍配が上がるようである。

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