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ピザ〜その1

更新日:

By: T M

今の若い人は知らないかも知れないが、
その昔、宅配ピザといえば、30分以内に届かないとタダ、
もしくはかなり値引きされるものであった。
ちょうど自分が、小学生ごろの話である。

これは、いたく子供心を刺激する話であった。
早い話、ピザの出前ということになるのだが、
30分以内に届かないとタダ、ということになれば、
そこの所に1つのゲーム性というか、ギャンブル性が生まれる。
なるべく遠くの店に、
なるべく混み合うような時間に注文すれば、
当然、配達にはかなり時間がかかることになり、
ピザがタダになる可能性が高くなる。
もちろん、自分が小学生のころの龍野市には、
ピザはおろか、他の出前ですら存在していなかった。
いや、存在はしていたかも知れないが、
少なくとも、自分の住む揖西町南山まで配達してくれる店は、
1つもなかったのである。

この30分以内に配達できないとタダ、というシステムは、
色々な問題を引き起こした。
当然、皆、タダでピザが食べたいものだから、
台風などの気象条件の悪いときを狙って、
注文する客が多くなったり、
宅配ドライバーが、30分以内に間に合わせるために、
スピード違反などの交通違反をするようになったからである。
それらのことが問題視され、
やがてこの30分以内に配達できないとたタダ、
というシステムは、宅配ピザ屋から
消えていくことになったのである。

龍野市に宅配ピザ屋が出来たのは、
自分が中学生くらいのときだった。
新聞の折り込みチラシの中に、
ピザ屋のメニューが折り込まれていた。
そのチラシには、色とりどりの各種ピザの写真と、
フライドポテトやサラダなどのサブメニューの写真が
が印刷されており、自分を興奮させた。
是非1度、注文してみたいと思ったのだが、
よくよく配達エリアを見てみれば、
自分の住んでいる揖西町南山は、配達エリアから外れている。
隣接する尾崎地区や竜子地区には、配達してくれるのに、
そこからほんの少し足を伸ばすだけでいい南山地区は、
配達区域外なのである。
言外に、
「お前ん所は、田舎過ぎるんで、
 ピザなんか持って行ってやらねーよ」
といわれたような気分になった。

だが、しばらくして、相生市にも新しい宅配ピザ屋ができ、
龍野市の一部にもピザを宅配してくれる、という話が
伝わってきた。
揖西町南山は、龍野市の端の方に位置している。
かなり相生市に近い位置である。
そういうことなら、きっと南山にも
ピザを持ってきてくれるだろうと考え、
新聞に折り込みチラシが入るのを、心待ちにしていた。
そして、ついに新聞にチラシが折り込まれたのだが、
それは自分を絶望させるものだった。
確かに、龍野市の一部にもピザを宅配するが、
それは揖西町土師地区だけで、
南山は入っていなかったのである。
土師地区は南山地区に隣接している。
そこからほんの少し足を伸ばすだけでいい南山地区は、
配達区域外なのである。
自分の住んでいる南山地区は、
龍野市のピザ屋からも、相生市のピザ屋からも区域外とされ、
宅配ピザ空白地帯になってしまっていたのである。

……。
まあ、良く考えてみれば、宅配ピザというのは
小学生や中学生にとって、そんなに安い買い物でもないし、
宅配してくれるからといって、うちの親が注文したかといえば、
決してそういうこともなかっただろうし、
どちらにしても、宅配ピザを食べることはなかったのだろうが、
それにしても、注文することも出来ない、ということで、
やはりフラストレーションがたまっていたのだろう。
大学生になって一人暮らしを始め、
宅配ピザのチラシがポストに放り込まれていたのを幸いと、
すぐに注文してみたのであった。

これは今でもそうなのだが、宅配ピザというのは
結構、割高である。
食べ盛りの男子大学生が、満足できる量を注文するとなれば、
2000円や3000円の金額が、
すぐに飛んで行くことになる。
3000円といったら、結構な大金である。
そこらの食べ物屋に入ってさえ、
1回の食事に3000円払えば、かなり良い物が食べられる。
さすがに1度注文した後は、
余程のことがない限り、注文することはなく、
それ以降、ピザは縁遠い食べ物になったのである。

そのころからしてみれば、ピザというものは
随分と身近になったものである。
宅配ピザの値段は相変わらず高額だが、
その代わりに、スーパーなどではチルド品や冷凍品のピザが
かなり安価な値段で(宅配に比べれば)販売されているし、
ファミリーレストランや喫茶店にいけば、
メニューの中には、数種類のピザがある。
パン屋の中には、パンと一緒にピザを焼いて、
これを販売している所もあるし、
数は少ないものの、ピザを売り物にしたレストランも
見かけるようになった。

自分も、たまにスーパーで安売りされている
チルド品のピザを買って食べることがある。
これは、電子レンジの中に放り込んで、
温めるだけで食べることの出来るお手軽品だ。
もちろん、ピザレストランや宅配ピザに比べれば、
明らかに味は落ちているのだが、
1枚、200〜400円ほどで食べられるというのは、
かつての2000〜3000円に比べれば、
圧倒的に、気軽にピザを食べることが出来る。
さらにこのチルド品のピザにしても、
こちらで適当に具材をプラスしたり、チーズを増やしたりして、
オーブンで焼くようにすれば、
そこそこ、本物に近い雰囲気になる。
既製品に手を加えることにより、
ホームメイド的な気分も味わえるわけだから、
親が子供と一緒にいろいろやってみることができるのも、
この手のピザの楽しい所である。

……。
ピザについての思い出や、何やらを書き連ねていたら、
結構な文章量になってしまった。

次回は、もっと即物的に、ピザの歴史などについて書いてみたい。

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