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第64回龍野さくら祭り

更新日:

子供のころ、鎧を着て、鉄砲を撃ったことがある。

もちろん、どこかの国の少年兵として戦っていたわけではないし,
テロリストとして、破壊工作に従事していたわけでもない。
龍野市の名物、「武者行列」に参加した際に、
鉄砲隊の役目を割り振られ、最後、行列が解散する前に
龍野神社の前で、空に向けて火縄銃をぶっ放しただけである。
……。
これでもまだ、語弊がある。
もちろん、火縄銃といっても本物ではなく、
形を良く似せたイミテーションである。
イミテーションとはいっても、本物と同じように
木と鉄で出来ているので、結構な重量がある。
「武者行列」の一員として町の中を練り歩いている際、
これを肩に担ぐようにして歩いていたのだが、
歩いている間中、邪魔でしょうがなかったという記憶がある。

このイミテーションの火縄銃には、銃声を鳴らす仕掛けがあった。
仕掛けといっても、そんなに大層なものではない。
運動会などで、徒競走のスタートの際に鳴らす
紙火薬をセットできるようになっており、
これをセットして引き金を引くと、
「パアン」という炸裂音がするのだ。
龍野市街(といっても、旧城下町を中心とする範囲だが)を練り歩き、
最後に龍野神社に到着した後に、鉄砲隊には1人1つずつ、
この紙火薬が配られ、これを火縄銃にセットして一斉にならし、
行列のフィナーレを飾ったのである。

今から30年ほど前のことになる。
龍野市内の小学校では、6年生になると「武者行列」への
参加申込書が回されてきた。
市内の小学校に通う、小学6年生の男子で、
「武者行列」に参加してみたいという生徒は、
この申込書に必要事項を記入して提出することによって、
「武者行列」に参加することが出来る。
もともと「武者行列」自体には全く興味がなく、
例年行なわれている「武者行列」も、
一度も見物に行ったことはなかったのだが、
この機を逃せば、この先、参加機会があるとも思えない。
まあ、せっかくの記念だし……という、極めてテキトーな理由で
この「武者行列」への参加を決めたのであった。

「武者行列」の当日、親と一緒に指定された場所に向かうと、
そこには子供用の武者装束と、火縄銃が用意されていた。
武者装束も、鎧と鉢巻きだけではなく、
鎧下に着る着物も用意されており、
まず、その着物を着込み、その上に鎧をつけて、
さらに鉢巻きを頭につけると、
いっぱしの子供武者の出来上がりである。
当時、剣道を習っていたので、その稽古着を着る要領で
鎧下の着物も手早く着つけることが出来、友達に驚かれた記憶がある。
その上で、イミテーションの火縄銃を肩に背負うと、
小さな鉄砲足軽の完成である。
当時、歴史が好きだった自分には、
一番下っ端である「足軽」にさせられた、という所が引っかかったが、
それでも、戦国時代の最新兵器である鉄砲を持っているということで、
ちょっと溜飲を下げた。
どういう兵種を割り当てられるのか?というのは、
参加する小学校単位で決められており、
自分の好きな兵種を選ぶことは出来ない。
とはいえ、子供に割り当てられるのは、
大方、賑やかしのための下級兵士の役ばかりで、
豪華な鎧を着込んで、馬に乗ったりするのは
全て大人たちの役目であった。

小さな足軽姿となった子供たちは、
興奮して、腰に差した刀を抜いて振り回してみたり、
火縄銃を構えてみたりしていたのだが、
そんな子供以上に興奮していたのが、子供の親たちであった。
親たちは、子供たちの武者姿を写真に収めるのに必死で、
それこそ、フィルム1本ではすまないような勢いで、
写真を撮りまくり、子供をうんざりさせた。

これが、自分が「武者行列」に参加したときのことである。

少なくとも、自分が参加した年では、
男子のみに限られていた参加者が、
数年後には女子も参加できるようになったらしく、
自分の何年か後には、
妹も足軽姿をして「武者行列」に参加していた。
恐らくは、「武者行列」に参加したがる男子が少なくなったか、
女子だけ参加できないのは不公平だという、意見があったのだろう。
実際、妹は「武者行列」に参加していたが、
その下の弟は参加していない。
5〜6年もたてば、子供の価値観というのも変わってくる。
せっかくの休みにチャチな衣装を着て、
町を歩くのは面倒だ、と思うようになったのかも知れない。

さて、話を今年の「さくら祭り」に戻そう。

今年、自分が「さくら祭り」を見に行く気になったのは、
市内の世帯に配布されている情報誌の中に、
「第64回龍野さくら祭り」の広告があったからである。
先に書いたように、
「さくら祭り」は「武者行列」が最大の見所であるが、
もちろん、それだけが全てではない。
今年度で言えば、「さくら祭り」の期間は
4月1日から17日までと設定されており、
この期間内には旧城下町一帯で、様々なイベントや出店が開かれる。
その期間中でもっとも盛り上がるのが、
4月3日の日曜日で、この日には先の「武者行列」を始め、
「邦楽演奏会」や「野見宿禰まつり」、
「聚遠亭茶会」や「プリンセスたつののお披露目式」などが行なわれた。
もちろん、期間内をとおして「さくら祭り」がもっとも盛り上がり、
一番の人出が見込まれる日である。

さすがに、その人出の中で
「さくら祭り」を見て回る気も起こらなかったので、
前日である4月2日の土曜日に、旧城下町一帯を散策してまわった。
龍野城、龍野神社、龍野公園の桜は満開一歩手前といった所で、
充分に桜を堪能することが出来た。
4月2日と3日には、
「龍野さくら祭りスタンプラリー」が行なわれており、
これに便乗するような形で、城下町を見て回ることになった。
これは、旧城下町に点在している7つの施設をまわり、
スタンプを集めてまわるラリーである。
ラリーとはいっても、着順を争う競争のようなものはなく、
それぞれのポイントにおいてある応募用紙を取って、
7つのチェックポイントをまわり、スタンプを集めて応募すると、
抽選で豪華賞品が貰えるというものである。
ちょうど図書館に本を借りにいったので、
そのついで、というわけでもないが、
このスタンプラリーに参加してきた。

これについては、明日、改めて書くことにしよう。

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