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播州ちゃんぽん鍋

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先週末、姫路大手前公園でご当地鍋の日本一を決めるコンテスト
「ニッポン全国鍋グランプリ」が開催された。

折しも、西日本上空には寒気団が居座り、
26日昼過ぎから降り始めた雪で、27日早朝には西播磨一帯が
白く雪化粧に覆われるなど、厳しい寒さの中での開催だったわけだが、
「グランプリ」自体は問題なく開催された。
そんな寒空の下、日本全国のご当地鍋を食べ歩くわけだから
さぞかし美味しく、体も温まったことだろう。

2日間にわたるコンテストの結果、見事「グランプリ」に輝いたのは、
地元(?)兵庫県神河町の野外活動施設「グリーンエコー笠形」が出品した
「和牛の柚子とろろすき焼き」であった。
……。
この「和牛の柚子とろろすき焼き」の名前を聞いたとき、
思わず、ちょっと色々と盛り過ぎじゃね?と突っ込んでしまったことは秘密だ。
説明によれば、地元産のジネンジョとユズを使い、
サッパリとした味わいであるという。
写真を見てみると、小皿に入ったとろろ汁の中に牛肉、シイタケ、
白滝などといったすき焼きの具材が入っており、その上から
黄色く鮮やかなユズの小片が散らされている。
あくまでも写真からの判断になるのだが、
普通の「すき焼き」が生卵を溶いたものにからめて食べる所を、
ユズの小片を散らしたとろろ汁で食べるというのが
「和牛の柚子とろろすき焼き」というものらしい。
ジネンジョで作ったとろろの成分の中には、
タンパク質を分解する酵素が入っているため、
味わいのみならず、消化的にもお腹に優しい一品な訳だ。

正直、自分も行ってみたかったのだが都合が付かず、
結局は行けずじまいに終わってしまったイベントなのだが、
「行けない」ということになると、せめてどんな「鍋」が出品されていたのか?
ということに興味がいく。
インターネットで調べてみると、ちょうどこのイベントのチラシがみつかり、
そこから今回出品されている60種ほどの
「ご当地鍋」の名前を知ることが出来た。
で、しげしげと出品される「ご当地鍋」の名前と「出身地」を
チェックしていったのだが、ここであることに気がついた。
兵庫県からの出品が、やたら多いのである。
数えてみると、なんと兵庫県からは13種類もの「ご当地鍋」が出品されており、
出品者全体の20%以上を占めてしまっているのだ。
以前、B級グルメ日本一を決める「B1グランプリ」が姫路で開催された際も、
やはり同じように、兵庫県内からの出品が多かったが、
やはり近場で開催されるということになると、
出てみようという気になるのだろうか。
そして兵庫県内からの出品をさらによく見てみると、
開催地である姫路市からの出品が多いのは当然として、
なんと我がたつの市からも2つの「ご当地鍋」がエントリーしている。
「国産牛もつ鍋」と「播州ちゃんぽん鍋」である。
自分も生まれてからずっとたつの市民だったわけだが、
どういうわけか、どちらの「ご当地鍋」についても聞いたことがない。
いや、そもそもの話、我がたつの市に「ご当地鍋」が存在していたという話自体、
全く聞いたことがないのだが、これは一体、どういうことなのか?

ここで一度、たつの市の「ご当地鍋」の2つをよく見直してみよう。
この2つの「ご当地鍋」のうち、1つはとてもわかりやすい鍋である。
「国産牛もつ鍋」。
読んで字の通り、国産牛のもつをつかったもつ鍋であろう。
その昔、新宮町には食肉処理施設があり、その名残からか
現在でも新宮町には多くの精肉店が存在しているという。
そういう歴史の流れを考えれば、「国産牛もつ鍋」が
「ご当地鍋」であると言われてもそれほどの違和感は無い。
……もちろん、その「ご当地鍋」の名を我々が知っているのであれば、だが。

ところがもう1つの「ご当地鍋」の方は、本当に意味不明だ。
なんだ、「播州ちゃんぽん鍋」って。
確かに姫路市には、焼きそばと焼うどんを合わせた
「ちゃんぽん焼き」なるメニューは存在しているが、
あれはあくまでも姫路市の一部で食べられているもので、
たつの市には全く無関係だ。
そもそも、たつの市で「ちゃんぽん」といえば、思い当たるものといえば
1つだけなのだが、まさか……。

そう思って、インターネットを使い「播州ちゃんぽん鍋」というワードを
検索してみた。
うまくいけば、何か関連する情報がヒットするかも知れない。

出てきたのは、まさに今回の「ご当地鍋グランプリ」の情報だった。
今回の「ご当地鍋グランプリ」に参加した参加者の1人が、
そこで食べた「ご当地鍋」のレポートとして、
「播州ちゃんぽん鍋」の情報を載せていたのだ。
早速、そこにアクセスしてみると、
「ご当地鍋グランプリ」に参加していたと思われる屋台の写真が出てきた。
その屋台にはデカデカと「播州バジルチャンポン鍋」と書かれている。
ん?「バジル」?
何かこれまでには無い、余計な文字が付け足されている。
そして屋台の側には、何やら見覚えのある黄色い幟が……。
そう、その幟に書かれていたのは「チャンポンめん」の文字。
「播州ちゃんぽん鍋」の「ちゃんぽん」とは、
たつの市民のソウルフード(?)、イトメンの「チャンポンめん」の
ことだったのだ。
実際に食べてみた感想としては、
「イトメンのチャンポンめんの上にバジルや白菜
 シイタケ、トマトなどが乗っているようです」
ということらしい。
タコのブツ切りも入っており、バジルが東南アジアの雰囲気を
醸し出しているそうだが、ぶっちゃけてしまえば、これは本当に鍋料理だろうか?
ただの「チャンポンめん」アレンジではないのか?

別のサイトでは、この「播州バジルチャンポン鍋」についての説明があり、
それによると
『播州に新名物誕生!!
 たつののバジルが爽やかに薫る新感覚チャンポン鍋!
 もうやみつき!』
とある。
ご当地食材として紹介されているのは当然、イトメンの「チャンポンめん」と
ささ営農(新宮町)のバジル。
さらに考えてみれば、トマトは揖保川町の名産品だし、
タコに関しても室津産である可能性は棄て切れない。
そう考えてみれば、イトメンの「チャンポンめん」をベースとして、
様々なたつの市の食材をぶち込んで、鍋に仕立てたものというのが
この「播州ちゃんぽん鍋」の正体であるらしい。
『新名物誕生』と謳っている所からみても、
どうやら今回の「グランプリ」のために急遽作られた「鍋」料理らしく、
これを出している店は存在しないだろうから、
これを食べたければ、材料を全て買いそろえて自分で作るしかない。
……。
いいのかなあ?これで……。

先にも書いた通り、今回の「ご当地鍋グランプリ」は、
神河町の「和牛の柚子とろろすき焼き」に決まったが、
もし、万が一にもこの「播州ちゃんぽん鍋」がグランプリに選ばれていれば、
一体、どんな顔をしてこれを紹介するつもりだったのだろう。
市民は誰も知らない。
市内をはじめ、これを食べられる所も無い。
もっと言ってしまえば、市民は誰も食べたことが無い。
はたしてこれを「ご当地鍋」としていいものだろうか?
せめて、姫路開催とたつの市の出品が確定した段階で、
何らかの手段を使って「播州ちゃんぽん鍋」の普及に努め、
最低限の知名度は獲得しておくべきだったのではあるまいか。

今回の「グランプリ」の終了と共に、
「播州ちゃんぽん鍋」がフェードアウトしていくというのは、
あまりにもひどい結末のような気がするのだが……。

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