雑学、雑感、切れ味鋭く、思いのままに。

Falx blog 2

未分類

エイ

投稿日:

夏場が近づいてくると、播磨地方の瀬戸内海沿岸にアジやサバ、

イワシの群れが回遊してくる。

これを波止場の上から、サビキで釣るのが、夏の風物詩だ。

人気の釣り場では、家族連れなどが釣りに興じている。

アジやサバなどは、子供でも大量に釣れる、

ファミリーフィッシング向きの魚である。

小アジの南蛮漬けなど、晩ご飯のオカズにもなる。

そんなサビキ釣りをしていて、突然、釣れなくなるときがある。

さっきまではバンバン釣れていたというのに、突然ぱったりと喰いが止む。

潮もよく動いている。

そんな時、近くの水面をようく眺めてみると、

巨大な座布団のようなものが、ゆっくりと泳いでいることがある。

ゆったりとした動きで、実に不気味だ。

エイである。

このエイが出ると、アジやサバなどの魚はぱったりと釣れなくなる。

そのうちエイが行ってしまってしばらくすると、再び魚が釣れるようになる。

今回は、この釣り場荒らし「エイ」について書いていく。

エイ。

軟骨魚類。

体がいちじるしく縦扁していて、うちわのようになっており、

左右五対、あるいは六対のエラ孔は体の腹面にある。

胸びれが体側にくっついて、境目がなくなっており、

尻びれがなく、背びれは全くなくなっているか、非常に小さくなっている。

体の尾部は細長く伸びている。

この尾の先に、毒を持つ種もいる。

多くは卵胎性で、雌の腹の中で卵が孵る。

底生生活に適応しており、瀬戸内海などでは、

アサリなど貝類に対する漁業被害が、深刻な問題になっている。

鮮度が落ちると、身に含まれている尿素が加水分解し、アンモニアが発生する。

このため、強い臭いがあり、一般的にはあまり食べられない。

ただ国内でも一部地域では、好んで食べられている。

韓国の有名なエイ料理、ホンオフェはエイの肉を発酵させたものであり、

凄まじい臭いがある。

その臭いの強さは、納豆の14倍もあり、その香りを深呼吸で吸い込むと、

失神してしまうとさえ、いわれている。

食用に供されているのはアカエイで、これ以外のエイは、

基本的には食用にならない。

可食部分は、左右のヒレの部分と、キモである。

鮮度の落ちていないものは、臭みもなく、淡白な味わいである。

肉に含まれている尿素があるために、腐りにくい魚であり、

昔は山間部で食べることのできる、数少ない海の魚であった。

稀に、スーパーの鮮魚コーナーに、エイが並んでいることがある。

身の色はきれいなピンク色で、皮がついたままブツ切りにされている。

多くの店では、「煮付けに!」という売り文句を付けて、販売している。

中に皮が黄色い部分が含まれているが、これはヒレの外縁に近い部分である。

エイを食べる習慣のない地域では、あまり売れていないようだ。

閉店間近に店にいくと、半額のシールが貼られていることもある。

最初、サビキ釣りをしていると、エイがやって来るという話を書いた。

だから、魚が釣れなくなったからといって、

仕掛けを海の中に垂らしたままにしておくと、

エイが引っかかってしまうことがある。

そうなったら、実に面倒である。

エイは結構大きいので、サビキ釣りで使うような磯竿や、

コンパクトロッドなどでは、釣り上げることができない。

比較的丈夫な、投げ竿でも同じことだ。

サビキの仕掛けに絡まったエイは、水面をヒレでバンバンと叩きながら、

抵抗してくる。

小型のエイならば、大きめのタモ網ですくい上げることもできるのだが、

中型のサイズのエイになると、網を使って取り込むのは、まず不可能である。

こうなると、仕掛けを諦めて、ラインを切ってしまうしかない。

あまり長い時間、エイに暴れられると、せっかく寄って来ていたアジやサバが、

散ってしまうこともある。

うまく取り込むことができたとしても、注意が必要だ。

アカエイなどは、食べることができるので、

持ち帰ることもあるだろうが、その尾の先には毒針がある。

これに刺されると、激痛に襲われ、さらにその痛みが長く続く。

ひどい時では、数週間も痛みが引かないこともある。

針には鋸歯状の返しがついており、ささってしまうと抜きづらい、

下手をすると、ひどく傷口が広がってしまう。

エイが生きているうちは、しっぽをふり回すので、かなり危険だ。

厄介なことに、エイの毒は死んでも残っているので、

浜辺などに打ち上げられた、エイのしっぽをふんでしまっても、毒にやられる。

特に注意しなければならないのは、アレルギー体質の人で、

エイに刺されると、アナフィラキシーショックを引き起こし、

最悪の場合、死に至る。

死んでいるからといって、安心はできない。

ネット通販で、エイが買えないものかと調べてみたが、

ペット用の淡水のエイばかりが出てくる。

さらに探して、ようやく見つけた。

それによると、100gあたり40~90円ほどの価格帯だ。

なかなかの安値である。

数が少ないのは、やはり死んでから時間が経つと、臭いが強くなるからだろう。

そういう意味では、通販には向かない商品のようだ。

加工品も、いくつかネット通販にあったが、やはり数は少ない。

やはり、スーパーの鮮魚コーナーをマメに見て回り、

数少ない販売品を探すのが、一番楽な入手方法のようだ。

臭いの件もあるので、なるべく新鮮なものを購入したい。

Related Articles:

にほんブログ村 その他生活ブログ 雑学・豆知識へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-未分類

Copyright© Falx blog 2 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.