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まねき猫

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日本人は人形が好きである。

古代の土偶に始まり、現代のキャラクターフィギュアまで、

ありとあらゆるものを、立体化してきた。

様々な人形ジャンルがあるが、そのひとつには動物モチーフのものがある。

動物モチーフであるから、「人形」という言葉を使うのはおかしい。

あえていうなら、動物の置物であろうか。

日本にはいくつか、有名な「動物の置物」がある。

北海道の木彫りのクマ、信楽焼のタヌキ、そして「まねき猫」である。

どれも有名なので、見たことがない、という人はいないだろう。

今回は、この中の「まねき猫」について、書いていく。

まねき猫は、後ろ足で座り、片前足で人を招く姿をした、猫の置物である。

土製、もしくは張り子製で、「人をまねく」ということから、

飲食店などで店頭に飾ったり、養蚕家が鼠の害を防ぐために飾ったりした。

現在では、養蚕家がいなくなり、ほぼ商売繁盛の縁起物として、飾られている。

基本的にまねき猫は三毛猫であることが多いが、

現在では白、黒、赤、ピンク、青、金など、様々な色のものが作られている。

が、やはり圧倒的に多いのは、三毛猫である。

三毛猫は、もともと日本に多い猫であり、

そのゆえに、「まねき猫」のモデルになったと考えられる。

三毛猫には面白い特徴がある。

圧倒的にメス猫が多く、オス猫が極端なほどに少ない。

オスの三毛猫が生まれてくるのは、1000匹に1匹という割合で、

0.1%という確率である。

そのため、江戸時代には、オスの三毛猫は高値で売買された。

オスの三毛猫を船に乗せると、福を呼び、船が転覆しない、とされた。

この福を呼ぶ「三毛猫のオス」が、モデルになった可能性は高い。

まねき猫が作られたのは、江戸末期といわれている。

浅草に住む老婆が、貧しさのため、

可愛がっていた猫を養いきれなくなったとき、

夢の中にその猫が現れた。

夢の中の猫は、手招きする格好をして、

その背中に○×の印を付けて売れ、と教えた。

そこで今戸焼で作った「まねき猫」を浅草寺境内で売り出したところ、

たちまち売り切れたという。

そのため老婆は裕福になったが、恩にむくいた猫は姿をくらましたという。

話的には、お伽噺めいている。

猫の恩返しといった態である。

ただ、現存している「まねき猫」の中で、もっとも古いものが

今戸焼のものであることを考えれば、「まねき猫」の発祥が、

そこら辺りであることは、間違いがないようだ。

先の「三毛猫のオス」の件から、これを人形化したという可能性もある。

極端に数の少ない「三毛猫のオス」の、いわば代用品として、

まねき猫が作られたのではないだろうか?

しかし、それだけでは大きな商売にはならない。

船主などの、一部の人々しか買わなかったであろう。

それを一般市民にも売るために、「福を招く」という点をアピールし、

先の老婆の逸話が、作り出されたのではないだろうか?

この浅草の老婆の話の他にも、彦根藩井伊家にまつわる話、

吉原の花魁にまつわる話など、様々な起源が伝わっている。

ただ、どの話も、舞台は江戸なので、やはりまねき猫は、

江戸で作り出されたものらしい。

現在、まねき猫を生産している、主な産地は、

愛知県常滑市、愛知県瀬戸市、群馬県高崎市である。

このうち、常滑市と瀬戸市には、長い焼き物の伝統がある。

常滑も瀬戸も、かつての六古窯のひとつであり、

ここで生産されているまねき猫は、全て焼き物である。

一方、高崎市で作られているまねき猫は、焼き物ではなく、

高崎名物のダルマと同じく、張り子によって作られている。

もっとも大量に「まねき猫」を生産しているのは常滑市で、

現在スタンダードになっている、まねき猫のスタイルは、

常滑で創作されたものである。

常滑競艇場の前には、高さ6m、重さ10tの、

世界最大の、焼き物による「まねき猫」が置いてある。

まねき猫は、海外へも輸出されている。

中国、台湾、アメリカ・ニューヨーク。

中国や台湾では、日本と同じように小判をもったまねき猫が置いてあり、

アメリカ・ニューヨークでは小判のかわりに、ドル硬貨を持っている。

さらにアメリカでは、猫の前足の向きが逆であり、

肉球部分を上に向けた、スタイルになっている。

これは、従来通りのスタイルだと、

アメリカでは「失せろ」という意味になるからだ。

このまねき猫、時代の移り変わりとともに、手にしている小判の金額が

増えていっている。

最初は千両であったのが、万両、百万両となり、

現在では億万両となっている。

全く人の欲というものは、際限がないものだと、思い知らされる。

億万両の次は、一体いくらになるのだろうか?

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