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キャラメル

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ひと粒300m、という言葉がある。
グリコのキャラメルのキャッチフレーズである。

わかりやすく言えば、
「グリコのキャラメルをひと粒食べると、
 300m走るエネルギーを得ることが出来る」
という意味である。
もちろん、誰も彼もこの基準に合っているわけではない。
グリコのホームページによれば、
身長165cm、体重55kgの人間が、
分速160mのスピードで、1.95分走った場合、
その消費カロリーが、16キロカロリーとなり、
これが大体、キャラメル1個分
(もちろん、グリコ製品のキャラメルである)
のカロリーとほぼ同じというわけである。
分速160mといえば、時速になおせば9600mだ。
ほぼ時速10kmで走ったら、という計算になる。
誤差はあれど、ある程度の基準になる運動量を
キャッチフレーズに取り入れた、
グリコの「広告の巧みさ」が光っている。

我々が「キャラメル」と聞いて、
まず頭に思い浮かべるのは、
グリコや森永が販売している、
子供向けのキャンディである。
煙草ケースをひと回り小さくしたような箱の中に、
個別に包み紙で包装された、
四角い固まりがはいっている。
色は「白味の強いブラウン」というか、
「赤味の強い黄土色」とでもいうか、
独特の色合いをしている。
まさに「キャラメル色」といえる色で、
バッグや靴などの革製品の色見本の中には、
「キャラメル」色ということで、載っていたりする。

最近では、子供向けキャンディだけでなく、
コーヒーチェーン店のメニューの中に
「キャラメルマキアート」など、
「キャラメル」の名を冠しているものもあるし、
アイスクリームやソフトクリームなどの
フレーバーの中にも、
「キャラメル」を謳ったものがある。

この「キャラメル」、
もとは砂糖や牛乳を煮詰めて作る
キャンディ菓子のことであり、
「カラメル」とも呼ばれている。
「カラメル」といえば、プリンの上などにかかっている
「カラメルソース」が有名であるが、
これは水と砂糖を熱して作った液体であり、
独特の甘さと香ばしさ、わずかな苦みがある。
プリンの上にかけるソースのみならず、
「カラメル色素」ということで、
コーラなどに色を付けたりするのにも使われている。

「カラメル」について調べてみると、
室町時代後期に南蛮菓子として日本に入ってきた、
「カルメ焼き」との繋がりについて
書かれている資料が多かった。
「カルメ焼き」は、別名「カルメラ焼き」とも呼ばれ、
祭りの屋台などで販売されている菓子である。
(もっとも、たつの市近辺の祭り屋台の中には、
 「カルメ焼き」は存在しないので、
 食べられている地域が、限られているのかもしれない。
 マンガ「じゃリン子チエ」の中に、
 「カルメラ焼き」を屋台で販売している
 キャラクターが出てくるので、
 大阪の祭りでは、
 「カルメラ焼き」の屋台があるのだろう)
この「カルメ焼き」は、砂糖と水、
重曹を使って作られており、
キャラメルとは違って、サクサクとした固い食感である。
ただ、この「カルメ焼き」は、
日本に伝えられて以降、特に大きな変化を加えられず
現在まで伝わっており、
「キャラメル」との直接の関係はない。
あくまでも「キャラメル」とは「元」が一緒、
いわば「親戚」ということらしい。

我々が現在「キャラメル」と呼んでいる
ソフトキャンディは、
明治時代に「森永製菓」の創業者・森永太一郎が
アメリカでその製法を学び、
日本に持ち帰ったものが、その始まりである。
彼は「キャラメル」だけでなく、
「マシュマロ」や「チョコレートクリーム」も、
日本へと持ち帰った。
ただ「キャラメル」は、多湿な日本の気候の中で
常温保存した場合、すぐに溶けてしまうので
当初は湿気を防ぐために、缶に入れて販売されていた。
そのため、容器代にコストがかかってしまい、
発売当初はバラ売りのみの、高級な菓子であった。
その後、森永太一郎は改良を重ね、
現在のような、「キャラメル」を作り出した。
彼が日本で製造した「キャラメル」は、
「あめちょこ」と呼ばれて普及し、
特に子供たちに親しまれた。
「あめちょこ」というのは「飴ちょこ」であり、
「ちょこ」というのは「小さい」という意味である。
つまり「あめちょこ」=「小さい飴」ということになる。

現在では、従来の「キャラメル」の他に、
様々なフレーバーの「キャラメル」が販売されている。
特に2006年には、北海道にて
生クリームを大量に使用した「生キャラメル」が作られ、
一大ブームを巻き起こした。
これは、牛乳の消費低迷を打破するために、
「キャラメル」の原材料に
大量の生クリームを使ったもので、
口の中に入れただけで
とろける口当たりが特徴である。
一時期はかなりの数の関連商品が作られ、
タレントの経営する牧場で作られる「生キャラメル」が、
TVの情報番組などで、連日取り上げられた。
その時期には、たつの市内のコンビニでも
「生キャラメル」を謳った商品が販売されていたが、
あまりに「いい値段」であったため、
購入しなかった記憶がある。
(当時は、大ブームの真っ最中で、
 メーカーもかなり強気な価格設定をしていた。
 当時の自分は、
 「そのうち、安くなった商品が大量に出回るだろう」
 と踏んでいたのだが、そうはならず、
 「生キャラメル」は姿を消してしまった)

この他にも、北海道の名物「ジンギスカン」フレーバーの
「ジンギスカンキャラメル」も
観光客用のお土産として販売されている。
一度、お土産で貰ったことがあるが、
あくまでも「観光客」用のネタフレーバーなのか、
なんとも微妙な味であった。

君子、危うきに近寄らず。
昔の人の言葉は、正しかったようである。

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