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グルテン

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By: whity

小麦粉を使った食品について調べていくと、
「グルテン」という言葉に行き当たるのは、日常茶飯事である。

「グルテン」。
別名「麩質」とも呼ばれるそれは、
主に小麦粉に水を加えて捏ねることで発生する。

科学的なことを書くのであれば、小麦粉の中に含まれているタンパク質、
グルテニンとグリアジンが水を吸収してくっついたものである。
グリアジンは弾力が弱いが、粘着力が強くて伸びやすい。
グルテニンは弾力が強いが、伸びにくい。
小麦粉に水を加えて捏ねると、このグリアジンとグルテニンがくっつき、
適度な弾力と粘着力をあわせもったグルテンが出来上がるのである。

このグルテンを作る性質は、小麦やライ麦などをはじめとする
一部の穀物だけが持ち合わせているのみで、
同じ穀類でもコメなどは、この性質を持ち合わせてはいない。
コメを粉にして(上新粉)、そこに水を加え、
これを捏ねくり回したとしても、粉はひとまとまりになることはない。
逆にいえば、小麦やライ麦はグルテンを作る性質があるからこそ、
水を加えて捏ねることによって、あの粘土状の形態になり、
そこからパンや麺などへと加工することが出来るのである。
(ちなみに米の粉を、同じような粘土状のまとまりにするためには
 水ではなく、お湯を加えなければならない。
 こちらは米に含まれているデンプンを糊化させてまとめているので、
 グルテンでまとまっている小麦粉の生地などとは、
 扱い方が違ってくる。
 身近な物で言えば、団子などはこの米の粉の生地で作られている)
グルテンの粘着力は、生地の中に気泡を残し、
パンのスポンジ状の形態を作り上げるし、
グルテンの弾力は、麺類におけるコシを生む。
両者とも、それぞれの食品の、いわば「核」とも言える部分が
グルテンによって形成されているわけである。

もちろん、このグルテンが仇になる料理もある。
例えば、天ぷらの衣を作る場合、
小麦粉を水で溶いて、これをかき混ぜすぎるとグルテンが発生し、
このグルテンが衣を固く、ゴワゴワしたものにしてしまう。
天ぷらの衣をサクサクと軽い仕上がりにするためには、
小麦粉と水とをかき混ぜるのをなるべく抑えて、
グルテンの発生を最小限にする必要がある。

さてこの様に、小麦粉を使った料理の、
いわばキモとも言えるグルテンなのだが、
かつて、自分にとって「グルテン」とは、
これとは全く違うイメージのものであった。
それが一体、どのようなイメージのものだったか?というと、
それはフナ用の「釣りエサ」であった。

これを読んでいる人の中には、「?」となっている人も多いだろう。
どうして、小麦粉を水を捏ねて出来るタンパク質の名前を聞いて
釣りエサのイメージを持つのか?

実は、自分が人生で初めて「グルテン」という言葉に触れたのは、
小難しい料理関係の本の中ではなく、釣道具屋の店先であった。
釣道具屋では各種釣道具の他に、色々な種類の釣りエサを置いている。
ゴカイやシラサエビ、ミミズやブドウ虫などの活きエサ。
アミエビブロックや冷凍オキアミなどの冷凍エサ。
そして、水と混ぜるとペースト状の練りエサになる粉末エサ。
この粉末エサには、チヌ用など海水魚用のものばかりではなく、
コイ用などに配合された淡水魚用のものも存在している。
そういった淡水魚用の粉末エサ(練りエサ)の中で、
もっともその品数が充実しているのが、フナ用の粉末エサである。
ここで言うフナとは、一般的なマブナ(ギンブナ)のことではなく、
いわゆるヘラブナ(ゲンゴロウブナ)のことだ。
マブナよりも高い体高をもち、より大きなサイズに成長するヘラブナは
根強いファンが多くいる人気の釣り対象魚だ。
釣りの格言の1つに
「釣りはフナに始まり、フナに終わる」
というものがあるが、この終わりのフナというのがヘラブナにあたる。
(ちなみに始まりのフナというのは、
 その釣りやすさから釣りの入門魚となりやすいマブナを指している)
古くから人気の釣りジャンルだけに、
各釣りエサメーカーが出しているエサの種類も非常に多い。
その数多いエサの中で、堂々たる一画を成しているのが、
いわゆる「グルテン」系の粉末エサである。

この「グルテン」系の粉末エサの大きな特徴は、
ほんのりと甘い香りが漂っている所だ。
もともと「グルテン」の持っている香りなのか、
あるいは香料などを使って人工的に加えた香りなのかは不明だが、
このグルテンエサが陳列されている前に来ると、
いつもほんのりと甘い香りが漂っていた。
そういう意味では、ホットケーキミックスなどに似ていたかも知れない。
グルテンエサのパッケージは、一部ビニールが透明になっていて、
中の粉末の様子をうかがうことが出来たのだが、
グルテンエサは小麦粉の様な純粋な粉末状ではなく、
どちらかといえば、パン粉などに近い結晶状であったと記憶している。

一度、これを買って使ってみたことがある。
どうも思ったような固さになってくれず、
あまりエサ持ちが良くなかった記憶がある。
(もっとも、子供のやることなので、特に水の分量を量ったりせず、
 目分量で適当に水を入れて、木の切れ端などで
 適当にかき混ぜて作っていたため、
 本来のポテンシャルは発揮していなかったのだろうが……)
後々考えてみれば、ヘラブナ釣りの様に
しっかりと腰を据えてやる釣りの場合、
エサには、単純に針を食わせると言う役目の他に、
魚を寄せてくるという役目もある。
そうなった場合、ある程度水の中でばらけ、
その匂いなどで魚にアピールするものでなければならない。
つまりグルテンエサ(というよりヘラブナ釣りのエサは大概そうだが)は、
食わせエサと寄せエサ、両方の性質をあわせもっているわけだ。
そういう意味では、落ち着きのない子供が
釣れるものは何でも釣る、いわゆる「五目釣り」に使うのには
全く適していないエサであったといえるだろう。

後に、食べ物や料理関係の話で「グルテン」というものが出てきた際、
自分が頭の中に思い浮かべたのは、子供のころ、
釣道具屋の店先で見かけた、ほんのりと甘い香りのする
使いにくい(子供にとって)釣りエサであった。
本の中などで「しっかりとグルテンを形成させ……」などという文章を見ると
思わず「あの釣りエサでも混ぜとけば?」なんて風に突っ込んでしまった。
(余談ではあるが、自分が子供のころに見かけた「グルテン」エサを
 作っていたメーカーでは、自社が販売している商品を
 全て社長自ら、実際に試食しているという話を聞いたことがある)
もし仮に、釣りエサの「グルテン」を小麦粉に混ぜて
うどんを打ってみれば、果たして自分の思惑通り、
とてつもなくコシのあるうどんが打てたりするのだろうか?

それがどんなうどんになるかは不明だが、
ほんのりと甘い香りの漂ううどんになることは確かである。

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