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ベジブロス

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先月末に配布された、JA兵庫西発行の「にっしぃひろば7月号」を
パラパラとめくっていると、野菜を使い切るレシピというのが載っていた。

早い話、これまでに使われることなく、捨てられていた野菜の「部分」を
料理に使っていこう、というものである。
4つほど紹介されているレシピの中には、
トウモロコシの芯とヒゲを一緒に炊き込んだ、トウモロコシごはん」
「ヘタやタネをつけたままつくった、肉詰めピーマン
「芯・外葉をまとめて煮込んだロールキャベツ」
などがある。
トウモロコシの芯とヒゲからは、いいダシがとれるらしく、
炊きあがった後は、これを取り出して処分してしまうようだが、
ピーマンの肉詰めとロールキャベツに関しては、
ヘタや芯、タネも一緒に食べてしまうようである。
(ロールキャベツについては、あくまでも一緒に煮込んだだけで、
 ロールキャベツに芯や外葉が使われているわけではない)

さて、ここに掲載されていたレシピのうち、
1つだけ毛色の違うものがある。
それが4つ紹介されているレシピの最後の1つ、
(実際の紹介順では、これが一番最初に紹介されているのだが……)
「野菜くずでつくる ベジブロス」
である。
……。
「トウモロコシごはん」「肉詰めピーマン」「ロールキャベツ」と、
耳慣れた野菜レシピが続く中、全く聞き慣れない言葉が出てきた。
「ベジブロス」。
これは一体、何なのか?
まあ、種明かしをしてしまえば、この「ベジブロス」の後に、
括弧付きでこう書いてある。
(野菜だし)と。
要は、野菜を色々煮込んで作った「野菜だし」のことを
「ベジブロス」と呼んでいるわけだ。
「だし」というのは、英語で「ブロス」というらしいから、
「野菜」を表す「ベジタブル」と「ブロス」を組み合わせて、
「ベジブロス」ということらしい。
今回の「野菜を使い切る」というテーマからすれば、
「野菜くずでつくる」というのが、特別なことの様にも聞こえるが、
実は何のことはない、もともと「ベジブロス」というのは、
普通のちゃんとした野菜を使って作るものではなく、
「野菜くず」を使って作るものなのである。

ただ、ひとくちに「野菜くず」といっても、
この世に野菜の数は、星の数ほどもある。
さらにいえば、1つの野菜から出る「くず」も、何種類もある。
例えば、自分が栽培している大根を例に取ると、
一般的には可食部とされるのは、地中に埋まっている白い根の部分だけで、
その葉などは、切り捨てられて販売されているのが常である。
残った根の部分についても、葉と根の接続部である「ヘタ」の部分や、
外側の「外皮」部分、先端の「細根」の部分などは、
取り除かれてしまい、料理に使われることはない。
自分なども、大根の葉、外皮などは食べてしまうが、
ヘタや細根の部分などは、やはり野菜くずとして捨ててしまっている。
これら、多種多様な「野菜くず」を、全てひとまとめにして
「だし」をとろうというのが「ベジブロス」なのである。

「ベジブロス」の1つの例として、「にっしぃひろば」に掲載されていた
レシピを元に、使った材料を書き出してみよう。
・タマネギの皮、ヘタ、根
・トマトのヘタ
・スナップエンドウのヘタ、筋
・ナスのヘタ
・ジャガイモの皮
・ネギの根、枯れた部分
・トウモロコシの皮
・ピーマンのヘタ、タネ
見事なまでの「野菜くず」である。
レシピによれば、これらの「野菜くず」の量は100gほどで、
ちょうど両手に一杯程度の量になるという。
これらをよく洗って鍋の中にいれ、さらに水を1200mlと
小さじ1杯の酒を加えて火にかける。
中~弱火で20分ほど煮込んだら、ザルで濾して出来上がりである。
仕上がった「ベジブロス(野菜だし)」を見てみると、
キレイに透き通った琥珀色をしている。
出来上がったこの「ベジブロス」は、和洋を問わず、
どんな料理にも使えるそうだ。

この「ベジブロス」は、そう古いものではない。
今からおよそ20年ほど前に、ある料理研究家が提唱し始めたものだ。
丹誠込めてつくられた有機野菜を、ムダなく使いたいという思いから
始まった「ベジブロス」は、やがて医学的にも美容的にも
有効であることが分かってきた。
もともと野菜の可食部というのは、栄養的なことで決められたものではない。
食べやすさや味、調理のしやすさなどから、その部分が選ばれただけで、
本来ならば捨てられる部分に、高い栄養価があるというような例は、
大根の葉や、玄米の糠部分など、いくらでもある。
この「ベジブロス」は、これまで顧みられることのなかった
そういう部分に含まれている栄養や味を、
「だし」という形で利用しつくそうというものなのだ。
野菜のヘタや皮、芯やタネなどという部分は、
野菜本来の生命活動において、非常に重要な部分である。
それらの箇所に含まれている野菜自身を守る成分を
「ファイトケミカル(フィトケミカル)」といい、
これが人体にも良い影響をもたらすことが分かってきたのだ。

ここまでを聞くと、今まで捨てていた「野菜くず」から
おいしい「だし」がとれるということで、いいことづくめの様に思える。
ただ、正直、あまりに良いことばかりが並んでいるので、
少々、ネガティブな方向からも、情報を集めてみた。

「ベジブロス」を実践している人の話を見ると、
栄養価ということについては、目を見張るほどの効果が出たというのは、
無いようだ。
健康効果などという話が出た場合、経験上、
そういう極端な持ち上げ方をされるものは
何か怪しげであることが多いのだが、これに限ってはそういうことはない。
目を見張るほどではないかも知れないが、地味に栄養があるということか。
なんといっても原材料が「野菜くず」なので、
そこに利権というものの入り込む隙がない。
そういう意味では、それなりに信頼が置けるのかも知れない。

味、という点に関しては、評価はまちまちである。
これも当たり前で、使う「野菜くず」によって、
毎回、出来上がりが変わってくるからだ。
中には、苦みや臭みが出たという意見なども見られた。
どういう「野菜くず」から、いい「ベジブロス」が作れるか?
ということに関しては、それこそ人によって意見は様々である。
同じ「野菜くず」を肯定的に捉える人もいれば、否定的に捉える人もいる。
これに関しては、個人の舌を頼りに、
色々試してみるしかないということだろう。

こうして総合的に情報を集めてみると、「ベジブロス」というのは、
個々人の調理スキルというのが、ダイレクトに反映してくるのでは?
というのが、正直な感想である。
お金がかかるようなものではないので、
一度、実践してみてもいいのだが、ジャガイモの収穫を終えたばかりの現在、
「ベジブロス」を作るとなれば、ほぼ、イモの皮オンリーのそれになる。

はたしてそれで、うまいといえる「だし」がとれるのだろうか?

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