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枝豆収穫

投稿日:

以前、このブログで、畑の横を新たに耕して、
そこに枝豆を植えたことを書いた。

その記事以降、うちの畑の枝豆については
何も書かなかったわけだが、
今回、この枝豆を無事(?)収穫することが出来た。
そんなワケで、今日は枝豆の種まきから収穫までを、
簡単にレポートしてみたい。

そもそもの話になるのだが、
自分が枝豆を栽培してみようと思ったのは、
枝豆(大豆)が、別名「畦豆(あぜまめ)」と
呼ばれていることを知ったからである。
現在では、ほとんど見ることが出来ないが、
かつて枝豆(大豆)は、水田の畦に植え付けられ、
栽培されていたのである。
(インターネットで「畦豆」というキーワードで検索すると、
 水田の畦に植えられた「畦豆」の写真が出てくる。
 現在でも、畦で大豆を栽培している所があるらしい)
何故、水田の畦などという場所で、大豆を栽培するのか?
実は、豆類の根には根粒と呼ばれる瘤がついており、
この根粒の中には、根粒菌と呼ばれる細菌が住んでいる。
この根粒菌は、宿主である豆類から栄養をもらって生きている。
だが、ただ栄養をもらうだけの一方的な関係ではなく、
根粒菌が空気中の窒素を固定化した窒素化合物を、
宿主である豆類の栄養として、提供している。
いわば、宿主である豆類と根粒菌の、
ギブアンドテイクが成立しているわけだ。
この根粒菌が作った窒素化合物が、豆類の成長を助けるだけでなく、
水田のイネの栄養としても、使われる。
同じ様な働きをするものとして、
水田の耕起前に植えられる「レンゲソウ」や
「シロツメクサ」などがあり、これらは緑肥として使用されている。
つまり枝豆(大豆)は、自ら窒素化合物を肥料として生成し、
それを使ってたくましく成長していくわけである。
まあ、畦道なんていう場所でさえ、しっかりと成長するのだから、
地面を耕してタネだけ蒔いておけば、
後は放っておいても、勝手に育ってくれるはずだと考えたのである。

そういうわけで、畑の横をわずかに耕し、
そこに買って来た枝豆のタネ(まるっきり大豆だった)を
蒔いておいたのである。
インターネットで調べてみた所では、
肥料を入れて、土作りをして……などとあったのだが、
「畦道に植えても育つんだから…」と、
それらの下準備をきれいに無視して、タネだけ蒔いた。
タネの入っていた袋には、
発芽までの期間が書かれていなかったのだが、
2週間ほどたつと、ボツボツと芽が生え始めた。
袋には「発芽率」というものが書かれており、
これは75%であった。
4つに1つは発芽しないけれど、
それに関しては大目に見てね、ということらしい。
1つ穴を掘り、そこに3つのタネを放り込んだのだが、
一応、全ての穴から発芽した。
おお、すごい、想像以上の発芽率だと、思っていたのだが、
どういうワケか、発芽した後の成長具合のわるいものがある。
他の苗は順調に育っているのに、
いくつかの苗は、非常に弱々しく、風が吹けば倒れてしまいそうだ。
面白いことに、その弱々しい苗は、全体の4分の1ほどで、
しっかりと育っているのが、パーセンテージでいうと75%だ。
結局は、それくらいしか育たないのかも知れない。

とはいえ、しっかりと育っている苗が75%もあるのだ。
これなら、収穫時には充分な量の枝豆が確保できそうだと、
余裕を持って構えていたのだが、
この苗たちが30㎝ほどの高さまで育った所で、
ピッタリと成長が止まってしまった。
うちの周りには、枝豆を栽培している農家も数多くあり、
そこの畑にも枝豆はたくさん植え付けられているのだが、
それらと引き比べてみても、我が家の枝豆は明らかに小さい。
栽培に失敗したのか?と、思って良く見てみると、
低い背丈ながら、その幹にはいくつもの小さなサヤが、
しっかりとついている。
これが大きく膨らんでいって、中に豆を宿すのだろう。
やはり、全く肥料をやらなかったのはマズかったかなー、
などと考えているうちに、このサヤはドンドンと膨らんでいった。

さて、以前「枝豆」について書いた際、
枝豆はその枝ごと茹で上げることから、
その名前がついたと書いた。
だが、枝ごと茹で上げるというマネをするためには、
枝についているサヤが、同じ時期に、同じ程度だけ、
育っていなければならない。
そうでなくては、枝ごと茹で上げても、
食べられるサヤはわずかだけで、後は若すぎたり、
育ちすぎていたり、なんていうことになってしまう。
枝ごと茹でていた、ということから、
枝豆のサヤは、全てのサヤがほぼ同じタイミングで育つものだと、
ごく普通に思い込んでいた。
だが、これが違うのである。
他所の枝豆はどうだかわからないが、
我が家の枝豆たちのサヤは、
サヤごとに成長具合が大きく違っていたのである。

うちの枝豆は、木のサイズが小さいことが悩みのタネだったが、
よくよく考えてみれば、木が小さいということは、
枝についたままのサヤを、
そのまま茹で上げやすいということでもある。
だから、木が小さくとも全く気にせず、
そのまま放置していたのだが、
サヤごとに成長具合が違う、ということになってくると、
そこら辺の目論みは、全て外れてしまうことになる。

そうこうしているうちに、育ちのいいサヤが黄色く変色し始めた。
どうやら熟し始めたらしい。
このまま放っておいたら、それこそ枝豆ではなく、
普通の大豆になってしまうだろう。
自分に出来ることは2つ。
変色し始めたサヤだけ収穫して食べるか、
いっそのこと、変色させ切って、大豆として食べるか、である。
迷った末、そのまま変色するに任せることにした。
どっちにしても、育ち具合でサヤを選別しないといけないのなら、
枝豆として食べるものと、大豆として食べるものの、
2種類が穫れた方が、面白そうだと考えたのである。

かくして我が家の小さな枝豆たちは、
そのサヤごとに、勝手気侭に成熟していった。
完全に乾燥し切って、茶色く、カラカラになっているサヤもあれば、
まだまだ瑞々しい、緑色を保っているサヤもある。
ついているサヤが、ほとんど食べれるくらいに成熟した所で、
これらを1つ1つ、収穫していった。

かくして収穫されたサヤたちは、瑞々しい緑色のものから、
黒く変色し、乾き切ったものまで、色とりどりであった。
サヤを広げて、中の豆の成熟具合を確かめてみると、
かなり変色していても、中の豆はまだ若く、
枝豆として食べられそうなものが、ほとんどである。
大豆に近いものも、まだ青みを帯びていて、
「青大豆」といった感じだ。
(世間一般でいわれる「青大豆」というのは、
 成熟しても青さの残っている品種のことなので、
 我が家の枝豆を「青大豆」と呼ぶのは、正式には間違いである)
茹でて、「枝豆」として食べられそうなものは茹で、
そうでないものは、フライパンで炒って食べることにした。

まず、鍋に水を張り、これに塩を加える。
水を沸騰させた所で、サヤを湯の中に放り込み、
10分ほど茹で上げ、ザルにあける。
これで出来上がりである。
サヤを1つつまみ、中の豆を取り出して口に放り込む。
うむ、しっかりと茹で上がっていて、
なおかつ、なかなかいい味である。
ちょうど、地区の草刈りの際にもらったビールがあったので、
これと合わせてみることにした。

枝豆を2~3粒、口の中に放り込み、
その後にキンキンに冷えたビール。
…。
……。
あれ?こんなもんか?
どうもサッパリしすぎていて、物足りない。
いつもは唐揚げやフライなどの揚げ物を
メインのおつまみにしているためか、
茹でた枝豆は、どうもあっさりしすぎているように感じてしまう。
いささか肩すかしを食った感じだが、
そのまま枝豆をつまみながら、350ml缶を1本あけた。

さらに熟しすぎた豆は、1日、日陰で乾燥させた後、
フライパンで炒って食べてみた。
こちらは節分の豆、そのものである。
ただ、まだ豆が熟し切っていない分だけ柔らかく、
その点は食べやすかったといえる。

今回の枝豆栽培では、畦豆と呼ばれていたものに近く、
雑草引き以外、全く手をかけずに栽培した。
そのせいか、普通に畑で栽培しているものに比べると、
収穫量は随分と少なかった。
恐らく、畦豆と呼ばれ、畦で栽培されていたころも、
こんな感じだったのかも知れない。

次回に栽培することがあるならば、今度は肥料を入れて、
収穫量アップを狙ってみようと思う。

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