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シカ解体 再び〜その1

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先日、友人から連絡があった。

箱罠にシカが入っている写真と共に、
一緒にこいつを解体しないか?というメッセージが添えてあった。

2年ほど前、同じ友人からシカ解体のお誘いを貰って出かけていき、
そのまま生まれて初めて、シカ解体を体験した。
天井からぶら下げられているシカにナイフを入れて、
皮を剥ぎ、前足後ろ足を取り外し、さらに骨と肉を分けて
なんとか無事にシカ1体を解体し終わった。
そのことについては「シカの解体」ということで、
このブログでも取り上げたのだが、それ以降はそのような話も無かった。
そんなワケで、今回は生まれて2度目のシカ解体ということになる。

友人と一緒に車で向かったのは、
前回、シカを解体した、市内のとあるガレージである。
ちょうど強烈な寒波がやって来ていた時期で、
空は鉛色に曇り、雪がチラホラと落ちて来ている。
ガレージに到着して中をのぞいてみると、そこにシカの姿は無い。
前回は、ガレージに到着した時点で、
天井からシカが吊るされていたのだが、
今回はちょっと勝手が違うようだ。
話を聞くと、シカはまだ山の中に仕掛けられた箱罠の中だという。
つまり、友人から送られて来た写真の状態のままだということだ。
これから箱罠を仕掛けた猟師さんと一緒に現場まで行き、
そこでシカにトドメを刺して、血抜きをした後、
ガレージへ運んで解体ということになる。
一体、どうやってシカにトドメを刺すのか?と疑問だったのだが、
猟師さんはカマとロープを持って来た。
ロープで絞殺した後、カマで体を裂いて血抜きをしようということらしい。

車で走ること数分。
山を覆うシカ除けフェンスに設置された入り口から入山する。
罠が仕掛けてあるのは、入り口から少し歩いた場所で、
そこだけ木が切り払われていて、拓けた感じになっている。
そこに結構大きな箱罠が仕掛けてあり、
中では、それなりに体の大きいシカが暴れ回っている。
罠はかなり大きく、人間が中に入っても不自由しないほどの広さだ。
罠の床の部分は、金網の隙間から泥が入り込んで
ひどく泥まみれである。
さて、今からこの箱の中で暴れ回っているシカを
ロープで絞殺しようというわけだが、
罠の中が広いものだから、シカの暴れぶりが尋常ではない。
恐らく、今から自分がトドメを刺されることを感じとって
必死で暴れ回っているのだろう。
とても、これをロープで絞殺するのは無理そうである。
比較的安全にこれを行なおうと思えば、
金網の隙間から手とロープを突っ込み、
シカの首にこれを巻き付けて締め上げるということになるのだが、
この暴れぶりでは、とてもそんなマネは出来ないだろう。
そうなると、罠の入り口を開けて中に入り、
3人掛かりでシカを押さえつけて、
その上でこれを絞殺しないといけないのだが、
恐らく、入り口を開けた途端にシカが突っ込んで来て逃げられてしまう。
よしんば上手く3人が箱罠の中に入れたとしても、
シカのあの暴れぶりでは、こちらがケガをしないとも限らない。

だが、そこで友人が、猟銃を持って来ると言い、
急遽、予定を変更して、それを使ってシカにトドメを刺すことになった。
友人が猟銃を持って来て、それを箱罠の中のシカに向ける。
いよいよシカは自らの危機を悟って、箱罠の中で暴れ回る。
友人はシカの頭を狙って発砲するが、至近距離とはいえ、
動き回るシカの頭に弾を命中させるのは難しい。
1発、2発と目標を外し、3発目でようやくシカの頭を打ち抜いた。
シカは倒れた後、1分ほどは足を動かしていたが、
その動きもほとんど無くなった所で、罠を開け、シカを取り出した。
猟師さんが胸の辺りにカマを突き立て、血管を切って(?)
血を放出させる。
その後、腹部を縦に開いて、中の内蔵を取り除く。
これらは処分してしまうのが普通らしいが、
友人はその中から心臓などの、一部の臓器を持ち帰るようだ。
いわば、シカのホルモンだろうか。

内蔵を取り除いた後、軽トラックの荷台にシカを乗せてガレージに運ぶ。
寒さのせいか、お昼近くになっているというのに、
ガレージ傍の蛇口は凍っていて使用できないため、
バケツに1杯、手洗い用の水だけ別に用意してもらう。
シカの後ろ足を広げて棒にくくりつけ、
そのまま天井から逆さ吊りにすれば、解体準備完了である。

シカの解体については、自分はまだ2度目であるが、
友人の方は10体ほど解体していて、だいぶ手慣れている。
その友人と一緒に後ろ足の関節付近にナイフを入れて、
そこから少しずつ、全身の皮を剥いでいく。
皮を剥ぐ、と書くと、
結構大変そうなイメージもあるかも知れないが、
シカの皮は思ったよりずっと剥がしやすい。
肉と皮の間をナイフの切っ先でなぞる様にしてやると、
面白い様にペリペリと剥がれていく。
後ろ足から下へ下へ、首へ向けてと皮を剥いでいき、
最後は適当な所で首をチョンと切り落とす。
簡単そうに書いたが、実際には肉を切り、気道を切断し、
さらに骨の継ぎ目に刃を入れてこれを外すという、大変な作業である。
だからそこの部分については友人に任せてしまう。
皮と首が無くなれば、いかにも「肉」という感じが強くなる。
テレビなどでは、食肉加工場で肉塊が吊るされているシーンが
映ることがあるが、イメージ的にはアレに近い。
違っているのは、足の先端それぞれには、蹄と毛皮がついている所だ。

正直言えば、ここまでがシカ解体における
特にグロテスクなシーンである。
ここからさきは、肉塊をバラバラに細かくしていく作業なので、
一般の人でも、それほど抵抗を示すことはないのではないかと思う。
世の中には、肉を食べる以上、
こういうシーンを知っておくのも1つの食育だ、という人がいるが、
結構、ショッキングなシーンでもあるので、
ある程度、年齢を重ねてから見せた方がいいかな?というのが
個人的な感想である。

これ以降の、比較的マイルドなシーンについては、また次回。

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