雑学、雑感、切れ味鋭く、思いのままに。

Falx blog 2

特撮、テレビ

宇宙刑事シリーズ

投稿日:

By: zynke

「若さ」って何だ?と聞かれれば、なんと答えるだろう。

まあ、シンプルに国語辞典で「若さ」という言葉を調べてみると、
そこには

1・若いこと、また、その度合い
2・活力に満ちていること

とある。
まあ、一般的な日本人が答える、模範解答の様な答えだ。
もちろん、それはそれでいいのだが、
日本人男性の中には、「若さ」ってなんだ?と聞かれたら
「振り向かないことさ」と、答える人間がいる。
まあ、少々気障ではあるものの、
「若さ」を抽象的に捉えた解答だといえるかも知れない。
ただ、「若さ」って何だ?という質問に「振り向かないことさ」と
答えた日本人男性は、高確率でその後、
「愛」ってなんだ?と聞かれると思っている。
国語辞典には、「愛」とは

1・可愛がる
2・したいあう

なんて風に書かれているのだが、
もちろん、この男性はそんな答えなど考えもしない。
「愛」って何だ?と聞かれれば、
100%の確率で「ためらわないことさ」と答えるのである。
こちらの答えも、やはり抽象的で気障である。

「若さ」って何だ?「振り向かないことさ」
「愛」って何だ?「ためらわないことさ」

こう答えるのは、おおよそ30〜40代の日本人男性である。
……。
まあ、気付いている人も多いかも知れないが、
これは、ある特撮ヒーロー番組の主題歌の一節である。
その特撮ヒーロー番組の名前は「宇宙刑事ギャバン」。
東映メタルヒーローシリーズの第1段ともいえる
「宇宙刑事」3部作の第1作目となる番組である。
自分が記憶している限りでは、放送されていたのが
毎週金曜日の午後7時30分からで、
ちょうど「ドラえもん」の後であった。
「ドラえもん」を見ていた多くの視聴者のうち、
けっこうな人数が「宇宙刑事ギャバン」に流れていたのだろう。
それなりに人気はあったようで、「ギャバン」以降も
「シャリバン」「シャイダー」と宇宙刑事シリーズは3作続いている。

このシリーズの大きな特徴としては、
変身する際に、まず、いきなり姿が変わり、その後、
「宇宙刑事○○は、わずか0.0〜秒でコンバットスーツを装着する。
 では、その装着プロセスをもう一度見てみよう」
とのナレーションが入り、ここで改めて変身ポーズがとられる所だ。
ヒーローの変身中は隙だらけ、なんていうツッコミを
回避するためだったのかも知れないが、
普通の変身ヒーローとは、ちょっと違った切り口での
変身シーンの見せかたに、当時の子供たちは夢中になった。

また、敵との戦いの場所ついても、
毎回、戦闘が始まるとすぐに、敵の能力によって
異次元空間に引っ張り込まれていた。
ここでもすかさずナレーションが入り、
それによると、その異次元空間の中では、
敵の能力が何倍にもなるらしい。
毎回、それでもコテンパンにされていた所を見ると、
宇宙刑事と、宇宙犯罪組織の間の実力差は、相当な開きがあるようだ。

さらに特徴的だったのは、主人公である宇宙刑事が使っていた
「剣」である。
「剣」を取り出した当初は、全く普通の「剣」なのだが、
途中で「レーザーブレード!」と叫んで剣をなぞると、
どういう仕組みか、「剣」が光を放つレーザーブレードに変わる。
この手の「光の剣」に関しては、映画「スターウォーズ」や
アニメ「機動戦士ガンダム」などでも使われていたのだが、
日本の特撮ヒーローが使ったものとしては、
恐らく、初めてだったのではないだろうか?
(もっとも、レーザーブレードを使うのは、
 敵にトドメを刺すときだけであったが……)

決して長いとはいえない戦闘シーンの中では、
毎回、必ず敵の戦闘機が登場し、
それに対抗するべく、主人公もまた、
宇宙船を呼び寄せてこれらを撃墜する。
シリーズによっては、この宇宙船が人型ロボットに変形したり、
巨大な銃(レーザーキャノン)に変形したりしていたので、
この辺はやはり、玩具会社からの注文だったのかも知れない。
正直な話、話の流れからしてみれば
毎回挿入される、敵戦闘機と宇宙船の戦闘シーンは
かなり不自然であったからだ。

最初に、東映メタルヒーローシリーズの始まりとなったシリーズ、
という風に書いたが、実際にコンバットスーツを装着した
宇宙刑事たちの体は、その名に違わずメタリック調に輝いており、
(一番最初の「ギャバン」のみ、
 全身がツヤのあるメタリック調のボディと、
 ツヤのないグレー調のボディと2パターンある)
これは、「宇宙刑事」シリーズ以降の主人公のデザインにも
大きな影響を与えている。
「ウルトラ」シリーズ、「ライダー」シリーズ、
「戦隊」シリーズ、に続くものとして、
この「宇宙刑事」シリーズが取り上げられることも多いのだが、
残念なことに、放送されていたのは各シリーズとも1年そこそこで、
シリーズ全体を通しても、わずか3年間ほどであった。
このまま、過去の作品群の1つとして埋もれてしまうのか?と
思っていた所、2012年ごろから
「戦隊」や「ライダー」シリーズの映画への客編などが
頻繁に行なわれるようになり、ついには
「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」と、
「宇宙刑事」単体での映画化も行われた。
オリジナルビデオ作品としても、復活を果たしており、
実に30年ぶりに、怒濤のような映像化の連続であった。
その様子からして、TVシリーズとしての「宇宙刑事」シリーズも
復活するのでは?と、期待していたのだが、
どうもこの点だけは、いまだにその声を聞かないようだ。

「ウルトラ」「ライダー」「戦隊」に続く、
特撮ヒーローシリーズの復活を、
大いに期待したいと思っているのだが……。

Related Articles:

にほんブログ村 その他生活ブログ 雑学・豆知識へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-特撮、テレビ

Copyright© Falx blog 2 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.