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ウルトラマンジード 21話〜最終話 その2

更新日:

今回は前回に続き、ウルトラマンジードの
24話、25話について書いていく。

24話「キボウノカケラ」

伏井出ケイの協力者・石刈アリエの中に潜み、
ケイからストルム器官とカプセルを奪ったベリアルは、
宇宙空間にてこれを用い、ウルトラマンベリアル・アトロシアスへと
フュージョンライズした。
ベリアルの宣戦布告によって、地球は絶望に包まれる。
リクたちは一抹の希望にかけ、AIBと史上最大の共同作戦を展開する。
その作戦とは、カレラン分子分解酵素を
ベリアルのカラータイマーに打ち込み、彼を無力化した上で
ジードとゼガンの光線によって発生させた時空の裂け目へ
永久追放してしまおうというものであった。
作戦の鍵であるカレラン分子が精製されるまでの間、
レイト(ウルトラマンゼロ)は、そのわずかな時間を家族と共に過ごす。
生きて帰れないかもしれない作戦を前にして、
精一杯、娘の誕生日を祝うレイト。
3人が遊園地で楽しい時間を過ごしていたとき、
レイトにカレラン分子分解酵素の精製が終わったと、連絡が入る。
ついに戦いのときが来たのだ。
「急な仕事が入った」と、戦いに赴こうとするレイトだったが、
そんな彼に、妻であるルミナは彼がウルトラマンとして
戦っていたことを知っていたと告白し、
必ず帰ってくることを約束させて、レイトを送り出す。
地球に降下してくるベリアル、そしてそれを迎え撃つゼロ。
2人が激しい戦いを繰り広げる中、
生き残っていた伏井出ケイは、レイトの家族を人質に取り、
ゼロに抵抗をやめるように告げる。
成す術もなく、ベリアルの攻撃を受け続けるゼロだったが、
間一髪、ライハがケイのもとに現れて、レイトの家族を取り戻す。
戦いを続けるゼロとベリアル、ライハとケイ。
そのベリアルの隙をつき、宇宙船として起動した星雲荘が、
カレラン分子分解酵素をベリアルに打ち込もうとするが、
寸前にこれを見破られて撃墜される。
ゼロもまた、ベリアルの攻撃を受け、ゼロビヨンドから通常態に
戻ってしまう。
作戦も失敗し、絶体絶命のピンチに
リクはジードへとフュージョンライズ。
ベリアルに戦いを挑む。

いよいよ始まった、ベリアルとの最終決戦。
やはり今回の最大の見所は、レイトとゼロだろう。
家族を守るために、ほとんど勝機のない戦いに赴こうとするレイト。
その戦いの前に、一生懸命に家族サービスに努めるレイトが健気だ。
家庭持ちがウルトラマンになるとどうなるのか?という、
今までにない設定だったため、これまでのウルトラシリーズでは
ほとんど描写されることのなかった展開である。
実際、レイトはこれまで、家族のために自分は死ぬわけにはいかないと、
戦いから逃げようとする場面もあったが、
これもまた、お父さんウルトラマンとしては、避け様のない葛藤だろう。
今回は、自分が戦わなければ、ベリアルによって
妻と子も命を落とすことになる。
そのため、勝ち目の薄い戦いに赴くことになるわけだが、
その前のわずかな時間を、大切な家族と過ごすというのは、
これまでのウルトラヒーローにはなかった展開である
本来の主人公であるリクには、そういった家族がないため、
どうしても最後の戦いに赴く、悲壮感の様なものがない。
だから、こういうストーリーの見せ方は、
家族持ちであるレイトだけのものである。
その大切な時間が終わりを告げ、いざ戦いに赴こうとするレイトに、
彼がウルトラマンであることを知っていると、告白するルミナ。
あー、やっぱり奥さんは、そういうことにも気付いちゃうんだなぁと、
つくづく感心させられてしまう。
それらを全て理解した上で、レイトを戦いに送り出すルミナ。
ここの所が今回の一番の見せ場であった。
一方、完全にベリアルに見捨てられながらも、
未だにベリアルのためにレイトの家族を人質に取ろうとする伏井出ケイ。
見ている側からしたら、もう忠臣を越えたストーカーである。
(それにちゃっかりと乗るベリアルもしたたかだが……)
本来なら、緊迫感の漂う展開なのだろうが、
視聴者としては、またライハが助けに飛び込んでくるんだろうなーと、
展開が読める。
実際、その通りの展開になって、ライハに圧倒されるケイ。
シリーズを通して、わりといつも自信満々のケイだったが、
実際にはリク(ジード)にもライハにも、ほとんど勝てた試しがない。
哀れ。

25話「GEEDの証」
リクたちとAIBの共同作戦は失敗に終わった。
ゼロのピンチにジードへとフュージョンライズして飛び出すリク。
自身の最強形態であるウルトラマンジード・ロイヤルメガマスターへと
フュージョンライズし、ウルトラマンベリアル・アトロシアスに
戦いを挑むが、圧倒的なアトロシアスの力の前に
ジードは通常態であるプリミティブへと戻されてしまう。
だが、そのわずかな隙をつき、ゼロは撃墜された星雲荘を抱え、
これをベリアルのカラータイマーに打ち込む。
カレラン分子分解酵素によって、
アトロシアスのパワーの上昇は止まったが、
ゼロはベリアルによって体を貫かれ、レイトの姿に戻ってしまう。
絶体絶命の大ピンチに思えたそのとき、
宇宙から緑色に光る球体が落ちてくる。
それは、かつてのベリアルの友人であり、
そのライバルでもあったウルトラの父であった。
ウルトラの父は、自分がベリアルを押さえ込んでいるうちに
体勢を立て直すように告げ、そのままエネルギーフィールドを展開して、
その中でベリアルと対峙する。
ジード、ゼロの敗北に、地球は絶望に包まれたが、
リクたちはまだ諦めてはいなかった。
ゼロは倒れてしまったが、彼はベリアルに
カレラン分子分解酵素を打ち込んでくれた。
後は、ジードとゼガンの力で空間の裂け目を作り、
そこにベリアルを追放するだけである。
20時間後、ウルトラの父の作っていた
エネルギーフィールドが解除され、再びベリアルが姿を現す。
リクとライハはお互いのこぶしを突き合せ、それぞれ最後の戦いに赴く。
ベリアルを押さえ込むために力を使い果たしたウルトラの父に代わり、
ジードがベリアルとの戦いを開始する。
一方、AIBのゼナもゼガンを起動し、ジードと協力して
次元の裂け目を作り出すも、次の瞬間、ベリアルの反撃にあい
ゼガンは大破。
地球の運命は、ジード1人の肩に託された。
また、ライハも伏井出ケイを発見し、彼に最後の戦いを挑む。
力を振り絞って戦うジードとベリアル、ライハとケイ。
だが、アトロシアスの力は強大で、ジードは次第に追いつめられていく。
だがそのとき、ついに宇宙の修復が完了して復活した
ウルトラマンキングの奇跡により、ジードの全ての形態が同時に登場する。
プリミティブ、ソリッドバーニング、アクロスマッシャー、
マグニフィセント、そしてロイヤルメガマスター。
5人のジードの力によって、ギガバトルナイザーは破壊され、
ベリアルも通常態に戻されてしまう。
ジードは、すぐさまベリアルに取りつき、
そのまま共に次元の裂け目へと飛び込んだ。
一方のライハは、次第に限界が近付き弱っていくケイを圧倒。
やがて混濁した意識の中でさえ、
ベリアルに「自分は役に立てたか?」と問うケイの手を掴み、
「あなたはベリアルの役に立った」と呟いて、ケイの最期を看取る。
次元の裂け目の向こうでも、戦いを続けるジードとベリアル。
その戦いの中で、ジードはベリアルの記憶に触れ、
その怒りと悲しみを理解して、「もう終わりにしよう」と
ベリアルを抱きしめる。
最後にジードとベリアルはお互いの光線を撃ち合い、
ベリアルは息子であるジードの名前を叫びながら消えていく。
そして、次元の裂け目が消滅する寸前、ジードはそこから脱出し、
仲間のもとへ帰還するのであった。

堂々の最終回。
これまで全く本編に関係してこなさそうだった、カレラン分子分解酵素や
時空破壊神ゼガンが突如として、役割を与えられる展開に、
アレも伏線だったのか、と驚かされた。
前回はレイトとゼロが主役といっていい状態だったが、
今回はほとんど出番無し。
ラストのレイト一家とゼロの別れのシーンぐらいだ。
その代わりに、今回は主人公であるリク(ジード)にスポットが当たり、
とことんまで彼の活躍が描かれる。
特にラスト、キングの奇跡により5人に増えたジードが、
オープニングテーマと共に反撃を開始するシーンは、
正にこれまでの戦いの集大成であった。
この「ウルトラマンジード」が他のシリーズ作品と違う所は、
リクとライハのどちらもが、因縁の相手との決着の前に
相手を「赦し」ている点だろう。
ただ宿敵を倒して終わりというのと違い、
それぞれが本当の意味で相手を乗り越えたことを感じさせてくれる。
戦いの後、子供たちが「ジード」ごっこをしているのを見て、
ペガはリクに語りかける。
「君はヒーローになったんだ」と。
思えば、そのベリアルに似た見た目から疑惑の目を向けられ、
ゼロという正統派のウルトラマンが登場して、人気を持っていかれ、
TV番組による支持率も長く低調だった彼が、
ついにヒーローとして認められたのである。
これは、最初からヒーローとして登場してくる他のウルトラマンでは、
全く感じることのない感覚だろう。
ベリアルの遺伝子を持つ模造品としてこの世に生まれてきた彼が、
ついにはウルトラマンキングやウルトラの父に、
一人前の「ウルトラマン」と認められたのである。
まさに文句のつけ様のない、大団円であった。

次回は「ウルトラマンジード」という作品を、まとめて振り返ってみる。

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