雑学、雑感、切れ味鋭く、思いのままに。

Falx blog 2

乗り物 特撮、テレビ 雑感、考察

UFO

投稿日:

現在では、ほとんどなくなったが、
自分が子供のころは「UFO特番」なんてものが、
結構な頻度で放送されていた。

個人的に、そういう怪しく、うさんくさいものには
たまらなく興味を引かれるタチなのだが、
我が家は両親ともに、
そういった「うさんくさい」ものを子供に見せるのは、
教育に良くないと思っていたのか、
これらの番組を、ほとんど見ることが出来なかった。
だから自分が「この手」の番組を
自由に見れるようになったのは、
大学に入学して、一人暮らしを始めてからであった。

自分が「UFO特番」を見れるようになったころ、
良く見かけた番組スタイルのひとつに、
怪しいUFO研究家と、プラズマで有名なある大学教授が、
喧々諤々の議論を戦わせるものであった。
どちらも相手の意見を全く認めずに、
お互いの意見をけなし続ける番組であったが、
結構人気があったのか、
わりと何度もそういう番組を目にした。

個人的な見解をいわせてもらえれば、
「反重力飛行」など、
現実に実在していないものを本気で主張する専門家と、
とりあえず「否定」ありきで物事を断ずる科学者の言い合いは、
プロレスの場外乱闘的な楽しさはあったが、
全く生産性・発展性のあるものではなく、
両者からは、特に参考になるような話が
出ることもほとんどなかった。
だが、番組がどこからか集めて来た
「UFO映像」の数々は、
少なからず自分の好奇心を刺激してくれた。
そういう番組で流れる「UFO映像」など、
大半が画質の悪いものばかりで、
大方の番組では、そんな映像をがんばって引き延ばし拡大して、
UFOの正体に迫ろうとしていたが、
そのほとんど全てが「よくわからない」という結果になるのが、
一種の様式美ですらあった。

動画については、そのほとんどが、
光の点があっちに行ったり、こっちに行ったりしているもので、
これはあまり面白いものではない。
そもそも飛行物体が、どうしてどれもこれも
まぶしく光っているのか全くワケがわからないし、
あれが仮に異星人の宇宙船であっても、
わざわざ船体を輝かせる理由が考えつかない。
目立ちたいのであれば、
もっと低い場所をゆっくり飛べば良いし、
目立ちたくないのであれば、
わざわざ光らずに、保護色でもまとっておけば良い。
夜中など、わざわざ光っていなければ、
人目につくことなどあり得ないだろう。
所詮、宇宙人のやることだから、
地球人の尺度では考えられないのかも知れないが、
なんとも非論理的な事象である。

動画が「いまいちはっきりしない」ものばかりなのに対して、
写真などはわりとしっかりと
「UFO」の姿を捉えているものが多い。
わりと有名な「アダムスキーの円盤写真」などは、
かなり細部までしっかりと撮られており、
他の動画類に比べると、その鮮明さは圧倒的である。
(この写真を撮影したアダムスキー本人は、
 金星人や火星人に会ったと吹聴しており、
 かなりアブナい人扱いされている)
あまりにはっきりとした写真だと、
かえってニセモノに見えてしまう所が辛いが、
そういう怪しい所も含めて、この手の「UFO写真」は
見ていてワクワクしてくるものである。

さらにいつごろからか、
その「UFO」に乗っている宇宙人の姿も、
番組内で取り上げられるようになっていった。
背が低く、頭が大きく、身体は欠食児童のように細い。
そう、いわゆる「グレイ」型宇宙人である。
番組内では、目撃者の証言を元にした再現フィルムの中で、
かなり頻繁に登場していたが、
どういうわけかこの宇宙人は、体毛も頭髪もなく、
おまけに衣服の類を着ておらず、スッポンポンであった。
少なくとも股間を見た感じでは、
生殖器のようなものはついておらず、
一体どういう生物なのか、よくわからない。
あの「ウルトラマン」も全裸であることから、
存外、生物は進化の果てに裸族になるのかも知れない。
まあ、それは冗談だとしても、
文明の進んだ異星人が、スッポンポンというのは
いかにもおかしい。
ひょっとしたら、こちらが気付いていないだけで
身体にピッタリとフィットした
全身スーツを着ているのかも知れない。
だとすれば、彼らは全員、
全く何の装飾もない全身スーツを着込んでいるわけだが、
宇宙人には「オシャレ」をするという感覚はないのだろうか?

突っ込みを入れれば、キリのない「宇宙人」だが、
ある時期、「宇宙人解剖フィルム」なるものが
取り上げられたことがあった。
その名のとおり、グレイ型宇宙人の死体を解剖していくという、
スプラッタ顔負けの生々しいフィルムである。
これが話題になった当時、
このフィルムを番組内で流すという企画もあった。
さすがにこれは、全くワクワク感のない、
ただの死体解剖映像だったのだが、
見る人が見れば、すぐに作り物とわかるものだったらしく、
後にこの映像の制作者が、作り物であることを認めた。
この手の怪しい企画には、
どうしてもこういった「インチキ」なものも含まれている。
そういう所がまた、
妖しい魅力を放っている所でもあるのだが。

「UFO」特集というのは、
番組内では何も結論を出さない。
当然だ。
扱っている情報自体が、どれも怪しさを含んだものなのだから、
軽々に結論など出せる筈がない。
そういう意味では、実にあやふやな番組である。
結論の出せないテーマを、
かなり怪しい資料やデータを元に、構成しているのだ。
それはどこまでいっても、
一種の「噂話」の延長線上にすぎないのだ。

現在、「UFO特集」がほとんどなくなってしまったのは、
CGや映像加工の技術が発達したことにより、
怪しげな映像資料が簡単に作れるようになり、
「その手」の映像に、今までのような
神秘性がなくなってしまったことと、
あやふやな情報による番組に、
視聴者が嫌悪感を示すようになったことが大きい。
(昔は水曜スペシャルの、怪しい探検番組でさえ、
 許される時代だったのである)

情報番組が、きっちりとしたものを作ろうとする姿勢は
もちろん賞賛されるべきことだが、
怪しさだけで出来ている「UFO特集」なども、
たまには見てみたいものである。

Related Articles:

にほんブログ村 その他生活ブログ 雑学・豆知識へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-乗り物, 特撮、テレビ, 雑感、考察

Copyright© Falx blog 2 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.