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名字〜その2

更新日:

前回、日本には10万とも、30万ともいえるほどの数の「名字」があり、
さらにいえば、それらが公的には調査されていない
ということについて書いた。

雑誌やTVなどで公開される「名字」ランキングは、
全く民間の個人や企業が、そのデータを収集したもので、
それらのデータは日本国民全員分のデータを調査したものではなく、
あくまでも、全体の一部をサンプル調査して、
そこから全体の数を把握したものに過ぎない。
実は国は、この「名字」調査に乗り気ではない。
膨大な手間と時間がかかるわりには、リターンが少ないからである。
確かに、どんな「名字」の人が、どれくらいの数いるのか?
ということが明らかになっても、
「だからナニ?」と言われてしまえば、それまでである。
ひょっとすると、市民団体などからは「税金の無駄遣い」と
厳しく糾弾される可能性も高い。
そんな「名字」調査に、国が及び腰なのも当然だろう。
今時のことなんだから、コンピュータか何かで一発で
集計できるんじゃないの?と思ってしまうが、
それが出来ていない所を見ると、
各自治体によるデータの規格の違いでもあるのか、
あるいは、コンピュータ自体を取り入れていない自治体が
あるのかも知れない。
(さらにいえば、日本では女性は結婚するときに
 「名字」が変わることがほとんどで、
 データは常に変動しているということも
 国が調査に乗り気でない理由の1つかも知れない)

さて、そんな中で、民間の個人・企業が調査した
いくつかの「名字」ランキングを見てみると、
それぞれに細かな違いはあるものの、
概ねの所は一致する結果が出ている。
ランキングの変動こそあるものの、TOP5の「名字」のうち
4つまでは同じ「名字」がランクインしており、
順位もほぼ同じという結果である。
前回紹介した「佐久間ランキング」「第1生命ランキング」
「村山ランキング」という有名な「名字」ランキングでいえば、
1位と2位は「佐藤」と「鈴木」であり、
「第1」と「村山」では1位「佐藤」2位「鈴木」であるのに対し、
「佐久間」では1位「鈴木」2位「佐藤」となっている。
「第1」と「村山」は、その後「高橋」「田中」「渡辺」と
全く同じ「名字」が続くのだが、
「佐久間」ではそこが、「田中」「山本」「渡辺」となっている。
TOP10まででいうのであれば、順位は別として
「佐久間」と「第1」が同じ「名字」がランクインしており、
「村山」で1つ、別の名字に入れ替わっている。

ここで取り上げた「名字」を見てみると、
どのデータでも1位、2位は、「佐藤」か「鈴木」となっている。
当然、この2つが日本でもっとも多い「名字」ということになるのだが、
面白いことに自分の周りには、この「佐藤」という「名字」も
「鈴木」という「名字」も全くといっていいほど見当たらない。
実はこれには理由があり、この「佐藤」「鈴木」という名字は
主に東日本一帯に集中しているためである。
我が兵庫県のランキングでは「佐藤」も「鈴木」も
TOP15にすらランクインしていない。
では、そのいなくなった「佐藤」「鈴木」の代わりに
どんな「名字」が1位、2位なのか?ということになると、
兵庫県では1位「田中」、2位「山本」となっている。
なるほど、こちらの方の「名字」であれば、自分の周りにもたくさんいる。
兵庫県のランキングでは、その後、「井上」「松本」「藤原」と
続いていくのだが、「藤原」以外は自分の周りにもたくさんいる。
「藤原」が自分の周りにいないのは、地域的な偏りのためだろうか?
一部には例外的な場所もあるのだが、
大雑把な結果からいえば、東日本では「佐藤」「鈴木」が多く、
西日本では「田中」「山本」が多いといえる。
一方で、「佐久間」「第1」「村山」で見られた「高橋」や「渡辺」は、
若干の偏りはあるものの東西関係なく、全国的に分布している。
インターネットで調べてみた所では、現在、兵庫県には
3万を超える数の「名字」が存在しているのだが、
1万位以降の「名字」については人数が10~30人となっており、
かなりマイナーな「名字」がひたすら続くような状態である。
(ちなみにそのデータでは、もっとも少ない人数が
 10人に設定されているようなので、
 実質的にはひと家族、乃至は一個人のみの「名字」というのも、
 相当数存在していると考えられる)

さて、ここまで「名字」で「佐藤」「鈴木」の多い東日本型と、
「田中」「山本」の多い西日本型という風な、分類を行なってきた。
日本全国の都道府県の「名字」ランキングのTOP10には
必ず、「佐藤」「鈴木」「田中」「山本」が入っているといっていい。
だが、ただ1つだけ、この例に漏れる県がある。
沖縄県である。
沖縄県の「名字」ランキングTOP15を書き出してみると、
「比嘉」「金城」「大城」「宮城」「新垣」「玉城」「上原」
「島袋」「平良」「山城」「知念」「宮里」「下地」「仲宗根」
「照屋」となっている。
他の地域では見られない「名字」が多いのと、
「城」という字を用いた「名字」が多いのも、特徴であろう。
ここに挙げた「名字」は、沖縄県の地名が由来になっているものが多い。
ただ、芸能人やスポーツ選手の名前などで目にする「名字」も多いためか、
沖縄独特の「名字」であっても、違和感を感じるようなことはない。

今回までは、主に日本国内の「名字」について書いてきたが、
次回は様々な外国の名字について、書いていく。

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