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雑感、考察

名字〜その3

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前回、前々回と「名字」について書いてきた。

書いてきたのだが、それはあくまでも日本国内に限った話であり、
「名字」というのは、日本のみならず、世界中の国で使われている。
今回はそれらについて書いていきたい。

ものの本などによれば、世界で1番「名字」が多いのは日本、
という風に書いているものもあるらしい。
確かに、この狭い国の中に10万~30万もの「名字」があるわけで、
そういう風に考えてしまうのも無理はないのだが、
実は世界でもっとも「名字」が多い国は、アメリカである。
今から50年ほど前に調査した結果、
「名字」の綴りが頭から6文字だけ違うものでさえ、
110万もの数があったという。

しかし、これは単純に考えてみれば、当たり前の話だ。
アメリカ合衆国は、移民によって出来上がった国である。
それこそ世界中の国から、様々な「名字」をもった人間が集まり、
あの大きな国を作り上げているのだ。
世界中から様々な「名字」の集まるアメリカは、
「名字」のるつぼであるといっていい。
そんなアメリカに、日本の数倍以上の「名字」があったとしても
何も不思議なことはない。
そのアメリカの「名字」TOP10を書き出してみよう。
「スミス」「ジョンソン」「ウィリアムズ」「ジョーンズ」
「ブラウン」「デイビス」「ミラー」「ウィルソン」「ムーア」
「テイラー」となる。
こういっては何だが、どれもよく聞く「名字」である。
ただ、自分の浅学をさらすようではあるのだが、
これらの「名字」が、「名字」なのか「名前」なのか、
正直、判別がつかない。
事実、アメリカに多い男性名で「ウィリアム」というのがあるが、
日本人的な感覚でいえば、「名字」の方の「ウィリアムズ」と
ほとんど変わらないように思えし、
「トーマス」という男性名は、そのまま「トーマス」という名字も
存在している。
そういう実例を見ていると、今自分が見ている言葉が
「名字」なのか「名前」なのか、怪しくなってくる。
ひょっとすると、その辺りの判別がスパッと出来るのが、
生粋のアメリカ人なのかも知れない。

世界でもっとも「名字」が多いのがアメリカ、というのを聞いて、
ちょっと首をひねった人もいるのでは無いだろうか?
アメリカなどは確かに人口も多いし、
「名字」が多いというのもわかるのだが、
人口が多い国といえば、なんといっても中国である。
中国の方が「名字」も多いのではないか?
ところが現在、中国で使用されている「名字」というのは
たった3500ほどである。
歴史上、これまでに使われた全ての「名字」を合わせても
(その中には現存しないものや、少数民族の「名字」を無理矢理
 中国語に訳したものも含まれている)
2万ほどでしかない。
10億人以上の人口のいる中国の「名字」が、
兵庫県の10分の1ほどでしかないというのは、ちょっとした驚きだ。
中国の「名字」は、漢字1文字で出来上がっているものが
全体の95%を占めており、二文字の「名字」も250ほどしかない。
三文字の「名字」というのも、かつては存在していたらしいのだが、
現在ではほとんど残っていないようである。
人口のわりに「名字」が少なく、かつ、名前の方もほとんどが
漢字二文字で出来ているため、中国には同姓同名というのが
とても多いそうである。

ちょっと変わっているのがロシアの「名字」だ。
我々はロシアの「名字」といえば、まず「○○スキー」というのを
思い浮かべるのだが、実はあれはロシアの「名字」というよりは、
ポーランドに多い名字だそうだ。
だが、ロシアの「名字」の特徴もやはり語尾に現れていて、
ロシアの「名字」の大部分は語尾が「○○in」「○○ov」「○○ev」の
どれかで終わっているものらしい。
もう1つ、ロシアの「名字」の大きな特徴は、
男性の「名字」と女性の「名字」が違っているという点だ。
と、いっても全く違っているというワケではなく、
女性の名字の場合、一番最後に「a」を付け加えているということだ。
そのため、女性の名字を見てみれば「○○ina」「○○ova」「○○eva」と
なっているものばかり見つかるはずだ。
ロシア大統領である「プーチン」という「名字」の場合、
男性である大統領は「プーチン」そのままの名字を名乗っているが、
彼の奥さんはこれに「a」を加えた「プーチナ」という名字を
名乗っているわけだ。
この辺りは、男女の名字が全く同じ日本人の目からすると、
かなり奇異なものに映るかも知れない。

その一方で、現在でも「名字」のない国というのも存在している。
これらは主にアジア、アフリカ、アラブなどの一部の国に見られる。
ただ、そういう場合であっても、単に自分の名前だけを名乗っている
パターン以外にも、父親や祖父の名前を、
自分の名前と一緒に名乗る場合があり、
そういうのを聞くと「名字」と勘違いしてしまうこともある。
ミャンマーなどもこういった「名字」のない国であり、
同国の高名な政治家「アウンサン・スー・チー」さんも
「名字」はなく、すべて「名前」である。
(「アウンサン・スー・チー」というのは、
 父親の名前である「アウンサン」、祖母の名前である「スー」、
 母親の名前である「キンチー」の一部をとってつけられたものである)

最初にも書いたように、日本には10万~30万もの「名字」があるという。
(厳密にいえば、細かいことは分からないというのが事実だが……)
だからこそ、周りを見渡してみれば、ちょっと変わった「名字」、
他では全く見ないような「名字」も、見つけることが出来る。

そういうマイナーで、変わった「名字」を目にして、
そこに込められた意味や想いなどに、考えを巡らせてみるのも
日本ならではの楽しみなのかも知れない。

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