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石鎚山〜その2

更新日:

山陽自動車道・龍野西インターチェンジから
高速道路に乗った我々は、石鎚山を目指して西へと走った。

道中、どこも雨が降っていたらしく、
山も町もしっとりと濡れている様子だ。
山間には白い霧が立ちこめ、どこか寒々しい印象を与える。
つい先ごろまで、日中温度が30度を越える
「真夏日」の連続だったとは思えない風景だ。
高速道路も路面が濡れていることを考慮してか、
最高速度50km規制が行なわれている様なのだが、
周りの車を見ている限りでは、これを守っている車は1台もない。

早朝の出発であったため、自分を含め、
メンバーは誰も朝食を摂っていない。
途中、SAで朝食を摂ろうということになって、
吉備SAによってみたのだが、
レストランもフードコートもまだ営業していなかった。
これらの営業開始時間は午前7時ということなので、
店が開くのを待たず、そのまま先を急ぐことにする。
倉敷ジャンクションから瀬戸中央自動車道へと入り、
やがて瀬戸大橋に乗った。
途中の与島SAで再び朝食を摂ろうとしたのだが、
ここも営業開始は午前8時になっており、まだ営業していない。
高速道路のSAなど、長距離トラックの運転手が
24時間利用するのではないかとも思えるのだが、
意外と夜間営業をしている所は少ない。
SAの飲食物は、一般の飲食店の価格より
ちょっと割高な場合も多いので、
プロドライバーはあまり立ち寄らないのかも知れない。

再び先を急ぐことにして、瀬戸大橋をとばす。
南に広がる四国の上空には、厚く黒い雲が覆いかぶさっている。
正直、どうみても登山日和には思えない。
しかし、そこまで厚い雲がたれ込めている割りには、
雨自体はほとんど降らないか、降っても小雨程度である。
四国・香川県に入り、瀬戸中央自動車道から高松自動車道に入る。
ここから南西に向かって、ひた走っていくのだが、
走っているうちに、徐々にではあるが空が明るくなり始めた。
相変わらず空は雲に覆われており、青空は全く見えないのだが、
雲の色がだんだんと白く明るくなっていく。
それに従うように、車の中の雰囲気も明るくなっていく。
香川県から愛媛県に入り、豊浜SAに入る。
ここまで吉備、与島でお預けを食っていた朝食である。
ここのレストランの営業時間は7時~22時になっているのだが、
フードコートの方は24時間営業である。
実際、フードコートには8割以上の客が入っており、
厨房の方でも、多くのスタッフが忙しそうに立ち働いている。
我々3人は早速食券を購入し、座席を確保した。
周りを見ていると、次々に新しい客が入ってきているようだ。
休憩もかねてゆっくりと朝食を摂り、再び先を急ぐ。

豊浜SAを過ぎると、間もなく川之江ジャンクションを通過し、
高松自動車道から松山自動車道へ入ることになる。
山陽、瀬戸中央、高松と続いた高速道路の乗り継ぎも
この松山自動車道が最後である。
進行方向左手には、壁のように聳える四国山脈。
標高1000mを超える山がいくつも連なり、
地元兵庫では、余り見ることの出来ない雄大な眺めである。
この四国山脈を西へと辿っていくと、今回、我々が登ることになる
「石鎚山」を含む「石鎚山脈」へと繋がっている。
松山自動車道を西へ進み、石鎚山SAでトイレ休憩をとった後、
いよ小松インターチェンジで高速道路を降りて、
国道11号線を東に向かって走る。
途中のコンビニで、昼食用の弁当とドリンクを購入、
ふと雑誌売り場を見てみると、
「こち亀」が表紙の週刊少年ジャンプが並んでいる。
ああ、そういえば「こち亀」が最終回だったっけ?と、
久しぶりに週刊少年ジャンプを手に取ってパラパラと立ち読み。
まさか愛媛県のコンビニで、
「こち亀」の最終回を読むことになるとは思わなかった。

立ち読みで、ちょっと時間をムダにしつつも、
コンビニの駐車場で、カーナビの設定を細かくやり直す。
それまでは目的地を適当に「石鎚山」としていたのだが、
土小屋登山口の近くにある「白石ロッジ」に設定し直す。
するとどうしたことだろう、
いきなり目的地までの距離が、
30kmから60kmに伸びたではないか。
どうやら、今まで設定されていた「石鎚山」というのは、
ロープウェーで登山するコースの、
ロープウェー駅下の駐車場までのものだったらしい。
まあ30km距離が伸びたからといって、
要は車での移動距離がちょっと伸びるだけ、と思った我々は、
そのままカーナビのガイドに従って、
国道194号線に入り、山深い中を南へと進んでいった。
194号線に入り少し進むと、石鎚山登山口の案内看板が出ており、
右折するように表示されていた。
どうやらこの分岐の先には、ロープウェーの駅があるらしい。
そこで右折せず、194号線を進んでいくと
12~3kmほどで高知県に入る。
石鎚山の北側から登るロープウェールートと違い、
土小屋ルートは、山の南東側から登ることになる。
一度大きく山の東側から南へと回り込むことになるため、
土小屋登山口までは、30kmほど距離がかかるのだろう。

途中、道の駅「木の香」で休憩を挟みながら、
30kmほど進んだ所で、カーナビは
細い道へと右折するように指示してきた。
その指示に従い、細い道を進んでいくと、
まもなく目の前に巨大なダムが表れた。
カーナビには「長沢ダム」と表示されている。
ダムの直下に発電施設の様な建物が確認できたので、
どうやらこれは水力発電用のダムらしい。
ここからは、ひどく細い1車線道路を
ダム湖に従ってウネウネと曲がりながら進まなければならない。
周りには一軒の民家もなく、畑もなく、人気もない。
ナビがこの道を示していなければ、ひょっとして道を間違えたのかと
地図を再確認していただろう。
道は本当に狭く、車1台が走れば行き違うことは難しい。
左手はダム湖、右手は山を削り落としたと思われる岩壁である。
グネグネと曲がりくねっているために、
見通しが悪く、どんなに頑張ってもろくにスピードが出せない。
カーナビで先を確認してみると、
この先ほぼ30kmは、このような道が続くらしい。
携帯電話の通話エリアからも外れている様なので、
もし万が一、車の故障や事故などで動けなくなってしまったら、
10km以上歩いて、助けを呼びにいかなくてはならない。

後に調べてみた所、この細い道は県道40号線。
場所的に考えれば、これは高知県の県道だろう。
車1台分の幅しかない道で、下手な場所で対向車がくれば
それこそ二進も三進も行かなくなりそうな道なのだが、
この30kmほどの県道を走っている間、
すれ違った対向車の数は、片手で足りる程度のものだった。
それぞれ行き会った際には、
上手く横に逸れることが出来るだけのスペースがあり、
特に困る様な事態にならなかったのは、幸いであった。
この道を走り出して20分ほどすると、
いつの間にか、後ろに郵便局の軽自動車がついてきていた。
郵便局の車が来ているということは、
少なくともこの長く細い道の先に、人家があるということだろう。
後ろに郵便局の車を引き連れたまま、さらに20分ほど走ると、
小さな集落があり、そこにはしっかりと郵便局もあった。
こんな陸の孤島の様な場所に集落を作って、
一体住民たちはどのような生活をしているのか、
非常に「謎」だったのだが、集落を過ぎてしばらく進むと、
道はつづら折りに山を登り始めた。
ある程度高さを稼ぎ、車を停車できるスペースを見つけて、
また休憩を取ったのだが、
いつの間にやら沸き上がってきていた霧が視界を塞ぎ、
展望の方は全く利かなかった。

しばしの休憩の後、再び車を10分ほど走らせると、
山荘風のロッジが建つ、「土小屋」へと辿り着いた。
この「土小屋」には、西側から登ってくる道路も
つけられているらしく、そちらの方は県道40号線とは全く違う、
2車線の立派な道路であった。
その名も「石鎚スカイライン」。

帰りは走りやすそうなこの道を通ろう、と心に決めて、
我々は「石鎚山」に挑むことになった。

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