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トランスフォーマー番外編 コンボイの謎

更新日:

前回、前々回と2回にわたり、
ロボットアニメ「トランスフォーマー」について書いてきたが、
今回はその番外編として、「トランスフォーマー」の
ゲームについて書いていく。
そのゲームのタイトルは
「トランスフォーマー コンボイの謎」。
一部では、伝説のクソゲーとまで囁かれた
ファミコンソフトであり、現在でもその知名度は高い。
「トランスフォーマー」については知らなくても、
「コンボイの謎」なら知っているという人間すらいるのだ。
一体、どんなゲームだったのだろうか?

「トランスフォーマー コンボイの謎」は、
1986年に発売された、任天堂ファミリコンピューター用の
ゲームソフトである。
日本で販売された、「トランスフォーマー」を題材にした
ゲームの中では、もっとも古いものになる。
全10ステージからなるアクションゲームで、
プレイヤーは主人公・ウルトラマグナスとなって、
全10ステージのクリアに挑む。

本作品のひとつの特徴として、
主人公・ウルトラマグナスが
トレーラーへと変形できるということがある。
ロボット形態では自由にジャンプできるが、
通常は前方1方向への攻撃しか出来ない。
トレーラーに変形すれば、
ジャンプは出来なくなるものの、
前方斜め下方向と、真上方向の2方向に向けて
攻撃が出来るようになる。
状況に応じ、トランスフォームすることが、
ゲームを進めていく重要なポイントなのである。

こう書くと、主人公が変形する他は、
ごく普通のよくあるアクションゲームの様に思える。
このゲームが、一部でクソゲーと囁かれるのは、
ひとえにその高い難易度によるものである。
非常に小さく、見えにくい敵の弾。
一度倒しても人型となって復活し、突っ込んでくる敵。
空を不可解な軌道で動きながら、攻撃してくるエビ。
これだけでもかなりの難易度なのだが、
このゲームの難しさをさらに高くしているのが、
敵や、敵の弾に1回でも当たれば爆発四散してしまう
主人公・ウルトラマグナスの貧弱さである。
さらにトランスフォームするのに、
少し時間がかかってしまうため、
トレーラー形態で地上を歩く敵に遭遇すると、
とっさにジャンプして躱すことが出来ず、
敵に触れて爆発、ということになってしまう。
当時のファミコンのゲームには、
こういう一撃死してしまうタイプのアクションゲームや、
シューティングゲームなどがたくさんあったため、
それほど理不尽に感じることもなかったのだが、
体力ゲージ制が一般的な、
現在のゲームしかプレイしたことがない人だと、
かなりシビアに感じるだろう。
かくいう自分も、このゲームには
散々痛い目にあわされたものだ。

このゲームで主人公になっているウルトラマグナスは、
TVシリーズにおいては「トランスフォーマー 2010」から
登場したキャラクターだ。
(厳密にいえばOVA「トランスフォーマー 
 スクランブルシティ発動編にて初登場、
 「トランスフォーマー ザ・ムービー」にも出演し、
 「ムービー」にてコンボイが死んだ際には、
 彼からマトリクスを託され、次期総司令官に任命される。
 だが彼はマトリクスを解放することが出来なかったため、
 これをロディマスに移譲、以降はロディマスが
 ロディマスコンボイとして2代目総司令官となる)
経験の浅いロディマスを支える有能な部下として、
サイバトロン軍団の要ともいえるキャラクターである。
後の「ザ・ヘッドマスターズ」でも、
地球サイバトロン軍のリーダーとして活躍していたが、
第24話「ウルトラマグナス、死す」において
デストロンの忍者参謀・シックスショットとの激しい戦いの末、
これに敗れ死亡した。
「コンボイの謎」の時代設定は、
「ザ・ムービー」と同じか、その直後であるため、
コンボイよりマトリクスを受け継いだ彼が、
主人公を務めているのである。
シックスショットとの戦いでは、
何度倒れても不屈の闘志で立ち上がり、
シックスショットに立ち向かっていったが、
ゲーム内では雑魚キャラの弾1発で粉々になってしまう。
いくらゲームとはいえ、
あまりのもろさに唖然となってしまう。
特にゲーム開始直後など、背景に埋もれ、
非常に判別しにくい弾が飛んでくるため、
これを躱せないと、ゲーム開始2秒後には
ウルトラマグナスが爆発している。
原作アニメでの「ウルトラマグナス、死す」は、
彼の不屈の闘志に胸が熱くなったが、
ゲーム開始2秒後の「ウルトラマグナス、死す」は、
そのあまりの理不尽さと、あっけなさに、涙が出そうになる。

この「コンボイの謎」は、日本において
第1シリーズと第2シリーズをつなぐ、
「ザ・ムービー」が上映されなかったため、
そこを埋めるものとして制作されたゲームである。
「コンボイの謎」、
つまり第2シリーズ「トランスフォーマー2010」において、
どうしてコンボイが死んでしまっているのか?
という点について、迫る筈のものであった。
しかし、アクションゲームという形態からして、
謎めいた物語の秘密を示すやり方としては、
あまり適していなかったのは、事実である。
途中、隠し部屋の中に、
コンボイの宿敵・メガトロンの絵があったり、
ステージの中に隠されているアイテムを全て集めると、
2周目プレイでロディマスコンボイが使えたりと、
なんとなく「謎」を示しているような演出はあったのだが、
いかんせん、どれも断片的すぎて、
全く、謎の解明は出来なかったのである。
(恐らく主人公がウルトラマグナスであるのは、
 コンボイの死の間際、マトリクスを託されたためであろうし、
 隠しアイテムを全て集めると、
 ロディマスコンボイが使えるようになるのは、
 ウルトラマグナスからロディマスへと、
 マトリクスが移譲されたことを、示しているのだろう。
 隠し部屋にメガトロンの絵があったのは、
 コンボイを死に至らしめたのは誰か?ということを、
 表していたのだと思う)
それに何より、当時の子供たちは
ゲームで遊ぶことに夢中で、ゲーム内に隠された謎には、
たいして興味を持たなかったのである。
むしろ、本気で「コンボイの謎」にて、
第1作と第2作の間を埋めたいのであれば、
安易なアクションゲームなどを作らず、
ストーリーをじっくりと見せることの出来る、
アドベンチャーゲームにでもするべきであった。
しかし、逆にいえば、
安易で理不尽なアクションゲームにしたがゆえに、
多くの人々の記憶に残り、
ゲーム史の片隅に名を残す、ゲームになったのである。
なんとも皮肉な話である。

この「コンボイの謎」、
自分も子供のころに何度も挑戦したが、
ついにクリアすることは出来なかった。
何度挑戦しても、あっけなくやられてしまうステージ2。
石に齧りつくようにしてそこを突破しても、
その時点で集中力は切れてしまい、
その先をプレイする気力も残っていない状態であった。

子供のころ、出来なかったことも、
大人になれば難なく出来てしまうものだが、
こればかりは、もう全く出来る気がしない。

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