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ヤマト2199

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ゴールデンウィークに、甥っ子が遊びにきた。

そのとき、部屋の中に飾ってあった戦艦大和のプラモデルを見るなり、

嬉しそうに持ち上げて、空を飛ばしていた。

さすがにそれは見て楽しむものだ、と教えたのだが、

どういう感性で、戦艦大和を飛ばそうと思ったのか?

現在のちびっ子はわからないが、少なくとも自分が子供のころ、

確かに大和は、空を飛ぶものだった。

空、というよりは宇宙を飛んでいた。

そう、宇宙戦艦ヤマトだ。

明らかに自分の世代だと、まず最初に宇宙戦艦のヤマトがあり、

その後に日本海軍最大最強の戦艦、大和を知ったのだ。

だから大和というのは、艦首に穴があいているものだと思っていた。

かなり幼少のころの話である。

日曜朝の10時くらいだったと思う。

恐らくは本放送ではなく、再放送だったのかもしれないが、

かなり夢中になってみていた記憶がある。

3連装ショックカノンが、ゴォゥン、ゴォゥンと音を立てて回転し、

続いて砲身が1本1本バラバラに動いて、上下角をあわせる。

3本の砲身が、少しずつずれて、稼働しているのが、素晴らしくかっこよかった。

そして発射。

緑色をしたビームが飛んでいくのだが、これが実にゆるゆるとしたビームだった。

そのビームが、ガミラスの巡洋艦にあたると、

まるで豆腐に箸を突き立てたようにブスッと貫通する。

一瞬の間を置いて、ガミラス艦は内側から火を噴き出し、爆発する。

なんともいえないカタルシスがあった。

ヤマトといえば波動砲、といわれるくらいに、代名詞的な武器ではあるが、

こちらの方には、それほどの魅力はなかった。

あまりに威力がありすぎたからかもしれない。

かくしてヤマトは、イスカンダルまでの長い旅を終えて、地球を救った。

で、そのわずか3年後に、「さらば宇宙戦艦ヤマト」という映画が作られ、

ヤマトは新たな敵、白色彗星帝国を道連れに自爆してしまうのである。

なじみのクルーが次々と死んでいく、なんともショッキングな映画だった。

ショッキングな内容の映画だったせいか、なかったことにされてしまった。

TVで「宇宙戦艦ヤマト2」が始まり、今度はTVシリーズで、

白色彗星帝国と戦う事になった。

映画と同じように、何人かのクルーは犠牲になったが、

ストーリーの結末は変えられ、ヤマトは無事生き残った。

その半年後に放映された、「宇宙戦艦ヤマト3」。

ストーリーはぐだぐだになり、視聴率も落ちた。

このころになると、他のSFアニメの影響を受けて、

ヤマトはやたらオシャレなビームをうつようになり、

最初のころの重厚感が無くなってしまった。

ヤマトもいろいろと改造され、スペック的には強くなったはずなのだが、

それを感じられないのが、悲しかった。

人気が落ちたヤマトが、最期に一花咲かせるために作った映画が、

「宇宙戦艦ヤマト 完結編」である。

最初のシリーズで死んだはずの沖田艦長を復活させ、

もろともにヤマトを轟沈させたのだ。

公式には、これがヤマトの最期ということになっている。

2009年に「宇宙戦艦ヤマト 復活編」が上映された。

これは「完結編」の続編ということになっており、

「完結編」で轟沈したヤマトを復活させた話であった。

そして2013年、第1作目のリメイクとして、

「宇宙戦艦ヤマト2199」がTV放映された。

ヤマトや艦載機などのメカニックはCGで描かれ、人物デザインも

現代風にアレンジされていた。

ストーリーも大幅に変更され、ヤマトの乗組員がぐっと増えた。

それにともない、女性クルーが森雪以外にも、わんさと出てきた。

前作で、戦艦大和は「男の船だ」といわれていたが、

もうそんなことは、いえない状況だ。

原発事故に慮ってか、地球が放射能汚染されているという設定は、

綺麗さっぱりと無くなってしまった。

最大の変更は、ガミラス側の描写が増えたことだろう。

デスラー総統と、そのまわりの軍人だけでなく、その家族や一般市民の姿も、

数多く描かれ、ストーリーに深みが出ていた。

もっともそこまできっちりと描写した以上、前作のようにガミラス星を

壊滅させるようなこともなく、わりとあっさりと和解してしまった。

全滅したガミラスの都市を見下ろしながら、

雪が嘆き、古代が銃を投げ捨てる場面は、戦争の虚しさをあらわす、

名シーンなのだが、当然、さっぱりとなくなってしまった。

ま、これも時代かなー、などと思いながら見ていた。

が、ガミラスと和解してイスカンダルにつくと、

今度はスターシアが、それまでのヤマトの戦闘行為を問題視し、

コスモリバースシステム(前作の放射能除去装置にあたるもの、惑星再生装置)

を渡さないと、ごねるのだ。

いやいやいやいや、ちょっと待て。

ヤマト、今回はめちゃくちゃ平和やったやないか!

前作を見ていたファンとしては、思わず突っ込んでしまう。

結局はコスモリバースシステムを渡してくれるのだが、そのかわりなのか、

ヤマトは波動砲にフタをされてしまう。

かっこわるい……。

以上のように、旧作を見ていたとしても、

ストーリーが大きく変更されているので、先を楽しみながら見ることができた。

戦闘シーンは、CGを使っているせいか、やたらヤマトのフットワークが軽く、

重量感は減っていた。

しかし実際の宇宙船は、そういうものなのかもしれない。

3連装ショックカノンも滑らかにくるくると動き、

細いビームが高速で発射される。

やはり重量感が感じられないが、実際はそういうものなのかもしれない。

前作との変更点として、実弾が発射できるようになっており、

これは現実の砲弾そのものの描写がされており、重量感抜群だった。

また、敵艦の爆発シーンなどはCGエフェクトのすごさもあり、見応えがあった。

旧作ファンからすれば、納得のいかないこともあったかもしれないが、

完成度は高かった。

2014年の年末、2本のヤマトの映画が公開される。

ひとつは、「宇宙戦艦ヤマト2199」の総集編、

そしてもうひとつは、新作のサイドストーリーである。

こちらにはガトランティス、あの白色彗星帝国が絡んでくるという。

サイドストーリーなので、「さらば」のようにヤマトが自爆することは、

ないだろうが、イヤーな感覚が蘇る。

まさかこの映画の後に、

「さらば宇宙戦艦ヤマト2199」がくるなんてことは……。

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