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オールド・メディア

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人間は、昔から様々な形態で記録を残してきた。

文字は、意志の伝達を可能にした。

それを石に刻んだり、木や紙に書くことによって、人に伝えてきた。

これに絵を加えることによって、記録はより正確になった。

このようにして書き記された文字や絵は、時代をこえて、

現代人に歴史を伝えてくれる。

時代を下ると、人間は音を記録することができるようになる。

このもっとも原始的なものは、蓄音機である。

空気の振動を利用して、音を記録した。

レコードなどは、この技術の延長線上にあるものだ。

やがて人間は光を記録する方法を編み出した。

写真だ。

写真によって、より正確なビジュアルの記録が可能になった。

そしてこの技術を連続させることによって、人は動く写真を手に入れた。

これのもっとも原始的なものが、映画だ。

写真と映画の技術は、光をフィルムというものに記録させることによって、

成立している。

こうして人は、動画というものを手に入れたのだ。

……いささか雄大すぎる話になった。

今回、取り上げようとしているのは、

人類史がどうとか、こうとか、いうものではない。

現在、主に流通しているメディアから、少し遡り、

なおかつ現在でもなんとか生き残っているか、死んでいるか
ぎりぎりの所を取り上げてみたい。

まず、文字や絵である。

これらは最新のものでは、コンピュータの中に保存される。

文章データ、画像データである。

しかしこれはあくまでも最新の場合であって、この文字と絵の保存に関しては、

未だ紙への記録が、現役として生き残っている。

学生たちが学校へ行けば、やはり紙のノートに板書するし、

絵を描くとなったら、やはり画用紙に絵の具を使って描く。

紙が、依然として現役なのは、やはりその使いやすさにあるのだろう。

現在では電子書籍、というものも出てきているが、

やはり、まだまだ主流は紙であることは間違いがない。

電子書籍はエコ、という意見もあるが、

読むためにわざわざエネルギーが必要になり、電子媒体の進化にともなって

いちいち新たな器具を用意しないといけない現状では、

とてもエコとはいえないだろう。

そういう意味では、紙というメディアの優位は当分続きそうだ。

次に音だ。

現在、音楽を購入するのは、CDを買うか、ネット上からダウンロードするかだ。

ただ、この音の記録では、今でも多くのメディアが生き残っている。

まず、CDである。

音楽販売の主流ともいえる。

もちろん、現在ではダウンロード販売に、大きくシェアを奪われているが

歌手自身による販売や、購入特典など、店頭での販売、

実物のある販売という利点を生かすことにより、まだ生き残っている。

次にMD。

若い人なら「MD」って、なんだ?となるだろう。

これはカセットテープに変わる録音用メディアとして登場した。

カセットテープよりもコンパクトで、一時期、カーステレオや

携帯型音楽プレイヤーの主流になるかと思われた。

が、すぐにその姿を消した。

一応、電気店の片隅では、今も販売されている。

どれだけの人が使っているのかはわからないが、一応、死んではいない。

……瀕死ではあるが。

そしてカセットテープ。

カーステレオや、ラジカセなどで、長くその主流の座を張っていた。

アナログな磁気テープによる録音だったが、お手軽で扱いやすかった。

実はまだまだ現役で、レーコドショップにいけば、演歌などの音楽テープや、

カラオケ用のテープが、今も販売されている。

もちろん、カセットテープの使えるラジカセも、まだ販売されている。

使いやすさ、というのはやはり強いということを、再確認させてくれる。

録音用のテープも販売されており、こちらはMDよりも種類も数も多い。

そしてレコード。

かなり原始的なメディアだが、根強いファンも多い。

現在では、レコードで音楽が販売されることはないが、

リサイクルショップなどでは、中古レコードを扱っている所も多い。

現在では針を使わずに、音を読み出すプレイヤーも販売されている。

そして光だ。

写真は、ほぼデジタルに移行した。

現在でもフィルムを使っているカメラはあるが、

もはや特殊な趣味の世界といっていい。

フィルムカメラの場合は、フィルムを現像し、

さらに印画紙に焼き付けるという行程を経て、写真に仕上げていた。

現像も、焼き付けも、技術を必要とする行程である。

写したものが写真になるまで、時間がかかるのが普通であった。

動画販売は、現在ブルーレイディスクか、DVDが主流だ。

録画する場合も、同じようにブルーレイディスクかDVDが多い。

もっともハードディスクにデータを記録する方法もあるが、

今回はあえて数に入れない。

このDVDの前に全盛を誇っていたのが、ビデオテープだ。

カセットテープと同じで、磁気テープによるアナログ方式だった。

レンタルビデオ店からは、もはや姿を消し、店の名前に残っているのみだ。

だが、電気店の片隅では、今も録画用のビデオテープが販売されている。

さすがにベータはない。

というよりは、ベータって何?といわれそうで怖い。

知っていることが、歳をとっているということの証明だ。

動画販売用のメディアとして、レーザーディスクがあった。

これは巨大な光ディスクである。

主に映像作品の販売を目的として作られたメディアで、録画はできない。

直径が30cmほどもある。

これも結局、主流になることはなく、ひとつの亜流として終わってしまった。

これよりずっと前に、家庭用ビデオカメラの先駆けのようなものが存在した。

それが8ミリフィルムである。

これは映画と同じように、フィルムに連続でコマ撮影し、

それを映写機にかけることによって、スクリーンに映像を投影する。

もともとは音声を記録することができず、サイレントのみであったが、

後に音声を記録する、トーキーフィルムも販売された。

こちらは個人でも撮影できる映画そのものであったので、

一部のファンが長く愛用していたが、2000年代には、急激に市場が縮小した。

以上、ざっと駆け足で、ちょっと古いメディアを挙げてみた。

30歳以上の人ならば、いくつかについて、思い入れもあるだろう。

すでに時代遅れ感のあるメディアばかりだが、

意外に、まだ死んでいないメディアも、多い。

大手の電気屋に行ってみれば、いまだ広い店舗の片隅で、

ビデオテープやカセットテープ、MDディスクが販売されている。

その売り場一帯は、ろくに人も寄り付かない、電気屋の盲点みたいな場所だ。

そこに立ってみた時、どれくらいの郷愁を感じるのか、試してみてほしい。

きっと時間というものを、いやというほど生々しく感じることができるだろう。

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