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空飛ぶバイク

更新日:

前回、いつものニュースサイトのニュースから
「超軽量飛行機」について取り上げたのだが、
そのニュースとほぼ同じような時期に、もう1つ、
「空を飛ぶ」乗り物についての、面白いニュースがあった。
今回はそちらのニュース、「空飛ぶバイク」について書いていく。

問題のニュースの見出しはこうだ。

『ドバイ警察で採用が決まった空飛ぶバイク「Hoversurf」一般販売へ、
 価格は1700万円』

もちろん、自分が注目したのは「空飛ぶバイク」というワードである。
ただ、このニュースでの取り上げられ方を見てみると、
どうやら空飛ぶバイク自体は、もう少し前に完成していて、
ドバイ警察での採用が決まっていたようである。
そこで、自分は「空飛ぶバイク」というワードを使って、
過去のニュースを検索してみた。
すると、ほぼ半月前の日付で

『ドバイ警察、「空飛ぶバイク」を2020年までに導入:
 まずは交通整理とレスキュー』

という見出しが見つかった。
さらに過去のニュースを見てみると、半年ほど前の3月のニュースで

『ロシア「空飛ぶバイク」完成間近か、
 Hoversurfが動画公開』

という見出しが見つかった。
これら一連のニュースに目を通してみると、
問題の「空飛ぶバイク」を開発したのはロシアの「Hoversurf」社で、
この会社はドローンを作っているメーカーの様である。
ニュースを読んだ所では、2016年の段階で
すでにプロトタイプが完成していて、テスト飛行を行なっていたようだ。
そのときには、地上から数十㎝ほど浮かんだだけだったのだが、
それから2年間の改良を経て、それよりもかなり高く飛行することが
可能になったらしい。
そして、そこからさらに半年で「空飛ぶバイク」を完成させて、
ドバイ警察への導入が決定したということのようだ。

問題の「空飛ぶバイク」の名前は「S3」。
これは「スコーピオン3」と呼ぶらしい。
ボディは、フレームも含めて炭素繊維(カーボン)で出来ており、
頑丈かつ、軽量な仕上がりとなっている。
自分などは、炭素繊維(カーボン)などという素材名を聞くと
釣り竿ぐらいしか思い浮かばないのだが、
案外、「S3」の肌触りなんかは、カーボンロッドに似ているのかもしれない。
最高速度は時速96kmとなっている。
何か、あまり速くないんじゃない?と思う人もいるだろうが、
これは性能的にそのスピードが限界なのではなく、
法律による速度制限に対応すべく、リミッターがつけられているのだという。
だとすれば、実際の所、最高速度はどれくらい出るのか興味のある所だが、
そこの所は調べてみても、具体的な数字は出てこなかった。
ただ、空中に浮かんでいるという特質上、
急ブレーキなどが効くとも思えないので、
存外、高速で飛行するのは危険を伴うのかもしれない。
飛行時の最高高度は5mで、連続飛行時間は最大で25分。
飛行時間が短い、と思われるかもしれないが、
もしこれが最高時速で飛び続けることが出来るのであれば、
1回の飛行で40kmほどの距離を移動することが出来る計算になる。
基本的には1人乗り用ということになるのだが、
実は無人でも自律飛行が可能で、その場合の連続飛行時間は40分になる。
どうやら動力は電気のようなので、エネルギーが切れた場合は
時間をかけて充電するのか、それとも電池を取り替えることが出来るのか、
そこら辺でも実用性が大きく変わってきそうである。

ただ1つ、大きな疑問点がある。
それは「空飛ぶバイク」の型状だ。
写真や動画で公開されている限りでは、問題のバイクには車輪が無く、
その代わりに車体下部から4方向にアームが伸びており、
その先にそれぞれ回転するプロペラがついている。
……。
そう、はっきり言って、見た目はバイクというよりは、ドローンに近い。
そういえば、この「空飛ぶバイク」を作っているHoversurf社は
ドローンのメーカーとのことだったので、それを踏まえてみれば、
これは「空飛ぶバイク」というよりも、
「人の乗れるドローン」と言った方が、正確なのかもしれない。

まあ、それはそれとしても、実際に5m上空を飛行するのであれば、
渋滞などとは関係なく移動することが可能だろうし、
田舎であれば、野原や畑の上空を通過することで、
目的地までの距離を、大幅にショートカットをすることも可能になるだろう。
(もちろん、それが法的に許されるのかどうかということについては、
 また別問題なのであるが……)
連続飛行時間は25分、という点を差し引いても、
バイクやパトカーの代わりに用いれば、現場到着までにかかる時間を
大幅に短縮することも出来そうだ。
ただ、ドバイ警察は当面の間、これを交通整理とレスキューに用いていく
予定らしい。

そして最新のニュースで発表された、「空飛ぶバイク」の一般販売。
価格は1台あたり1700万円ということで、
正直、一般人が気軽に手を出せるシロモノではなさそうだ。
アメリカなどでは115kg以下の重量の飛行車両は、
登録や資格を必要としないので、この「空飛ぶバイク」さえ手に入れれば、
誰でも自由にこれに乗ることが出来る。
(もっともこれは、この「空飛ぶバイク」が一般的になる前のものなので、
 「空飛ぶバイク」による事故などが多発するようになれば、
 何らかの規制がかけられる可能性もある)
では、我が日本では……?
残念ながら日本では車両重量に関係なく、
「人間が乗って飛ぶもの」は、規制の対象となるので、
仮にこれを購入したとしても、従来のバイクのようには使用できず、
むしろ前回紹介した「超軽量飛行機」と同じような扱いになるだろう。
(まあ、国土が狭くて、電柱や電線が多数張り巡らされている
 日本では「空飛ぶバイク」もかなり乗り辛いだろうとは思うが……)

実は今回、「空飛ぶバイク」というものを聞いて、
自分の頭にパッと思い浮かんだのは、「仮面ライダー」に出てくる
ライダーマシンである。
実は数あるライダーマシンの中の何台かには、
「空を飛ぶことが出来る」という設定を持っているものがある。
いくつか例を挙げてみると、

・1号、2号ライダーの新サイクロンは、短時間ではあるが
 滑空することによって空を飛ぶことが出来る
・V3のハリケーンは、10時間以上滑空することが出来る
 (それを滑空といっていいのかどうかは分からないが……)
・Xのクルーザーは陸・海・空を自由に移動できる
 もちろん、作中でも空を飛んでいるシーンがでてくる
・スーパー1のVジェットは、空だけでなく宇宙空間も移動することが出来る
 (マンガ「仮面ライダーSPIRITS」内にて)
・ZXのヘルダイバーも飛行が可能なようである
 (同じく、マンガ「仮面ライダーSPIRITS」内にて)

などである。
こちらの方は、普段、普通に地上をタイヤで走行し、
必要とあらば空を飛ぶというスタンスであり、
常時、空しか飛べない「S3」よりは、バイク的な要素を色濃く残している。

この先、「S3」が実用化され、さらに改良が加えられていくとして、
実際にタイヤがついて、文字通りの空陸両用の「バイク」と
なるようなことも、無いとは言い切れない。

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