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ウルトラマンジード

更新日:

「ウルトラマン」の新シリーズが始まった。

「ウルトラマン」を毎週見る、というのは、
実に「ウルトラマンメビウス」以来のことである。
本来であれば、この新作「ウルトラマンジード」は
テレビ東京系での放送となるので、
テレビ東京系の映らない我が家では視聴することが出来ないのだが、
ちょうど、インターネットの動画サイトでも視聴できるため、
自分はこちらの方で、番組を見ていくことになる。
放映時間という、時間的な制限は無く、
いつでも視聴できるという自由さが、本当にありがたい。

で、今回の「ウルトラマンジード」なのだが、
パッと見た感じ、なんともいかつい印象を受ける。
なんといっても、特徴的なのはその「目」で、
青く輝く、巨大な三角形の目が、
これでもかというぐらいに吊り上がっている。
大方、ウルトラマンというのは、
「ウルトラマン」のような卵型の「目」か、
「ウルトラセブン」のような六角形型の「目」をしている。
今回の「ジード」では、これまで続いてきた
この「目」のデザインを一新し、
これまでにない厳つさを出している。
……。
先ほど、大方のウルトラマンは、
卵型か六角形型の「目」をしている、と書いたが、
これまでに登場したウルトラマンの中で1人だけ、
このデザインコンセプトから外れた「目」を
持っていたキャラクターがいる。
それが、「悪のウルトラマン」という触れ込みで、
様々な作品で悪役を務めてきた「ウルトラマンベリアル」だ。
彼の「目」もまた、ノーマルのウルトラマンたちに比べると巨大で、
これでもか、というくらいに吊り上がった「目」であった。
そういう意味では、今回の「ジード」の「目」のデザインに
結構、似通っているのだが、実はそれも当然のことで、
今回の「ウルトラマンジード」の触れ込みは、
「あのウルトラマンベリアルの息子!」となっているからだ。
なるほど、ベリアルの息子というのをデザインで打ち出すためには、
やはり、あの特徴的な「目」を似せるのは、必然である。
ともあれ、「悪のウルトラマン」として、
大活躍(?)したウルトラマンベリアルを
父親に持っているわけだから、その見た目の厳つさもまた、
外すことの出来ない、デザインコンセプトだったのかも知れない。

もともと「ウルトラ兄弟」なんていう言葉が使われていたくらい、
「ウルトラ」シリーズには、ファミリー的な要素がある。
(「兄弟」のわりに、実の兄弟は少ないという事実はあるが……)
もちろん、その中には「親子」という関係もあり、
ウルトラの父・母とウルトラマンタロウ、
ウルトラセブンとウルトラマンゼロなど、
作中で親子関係を前面に押し出しているキャラクターもいるのだが、
これらに関しては、まず、あらかじめ
偉大な親(セブン・ウルトラの父)を作中に登場させておき、
あとから、彼らの息子ということでタロウやゼロがデビューした。
もちろん、「ジード」の場合も、この例に従っているわけだが、
タロウやゼロと違うのは、親が決して偉大ではない所だ。
むしろ、ウルトラ一族の中では、鼻つまみ者と言っていいし、
一族きっての大犯罪者と言ってもいい。
普通に考えれば、そんな親を持つ彼が、
あの正義の一族の中でどのように育ってきたのか?という点は、
決して、ないがしろには出来ないポイントである。
地球では、親が犯罪者だと、その子供まで後ろ指を指されることも
珍しくないのだが、果たしてウルトラの星では、
その辺、どうなっているのか?
まさか、ベリアルの息子ということで、
一族の者から心ない差別を受け、鬱屈した人生を送ってきたのか?
少なくとも、宇宙平和の守り手を自称する彼らが、
「ジード」に対して陰湿なイジメをしていたとは思えないが、
あの正義の一族にあって、親が極悪人というのでは、
非常に肩身の狭い思いをして生きてきたであろうことは、
想像に難くない。
そんなキャラクターを主人公にするというだけで、
その背景を、否応無く視聴者に想像させる。
それだけでも、このキャラクター設定は大成功といっていい。
正直、子供向け番組向きの設定かどうかは分からないが、
何、自分たちが子供だったころの特撮番組だと、
それくらいの「重い」設定は、いくらでもあったのだ。
それを彷彿とさせるこの設定には、
ワクワク感を持たさせざるを得ない。
そういう期待感を持って、
「ウルトラマンジード」を見始めたのだが……。

番組が始まって冒頭、今回のキーパーソンになると思われる
ウルトラマンベリアルが登場し、
他のウルトラ戦士と戦っているシーンが出てくる。
いつの、どういう戦いなのかはさっぱりわからないのだが、
シーンが切り替わり、科学者であるウルトラマンヒカリが
今回のウルトラマンの「変身アイテム」を開発しているシーン。
劇中の説明では、戦局をひっくり返すほどの威力を持っているらしいが、
思わず、ん?変身アイテムに戦局をひっくり返す力?と、
首を傾げてしまう。
ひょっとすると、今回の「変身アイテム」は、
これまでのものの様に、単純なものではないのかも知れない。

続いて舞台は地球に切り替わるのだが、
どうもここに出てくる地球は、かつてウルトラ兄弟が活躍した地球とは
別の地球の様である。
並行世界の別の地球、というのは、最近のウルトラマンで
よく使われている設定なのだが、いよいよこのシリーズも、
同一の世界観だけでは、これ以上、
ストーリーを積み重ねられなくなったようだ。
ウルトラマンのストーリーの定番としては、
防衛隊が出てきたり、ウルトラマンが地球にやってくるシーンが
あるはずなのだが、そういうものが一切登場せず、
いきなり怪獣が現れる。
防衛隊らしきものが無いので、ただ怪獣の破壊シーンが続き、
主人公も住処を焼け出され、町の中を彷徨う。
町には、彼と同じような被災者が溢れている。
この辺の描写は結構細かく、
ちょっと「シン・ゴジラ」を思い起こさせる。
ひょっとしたら、多分に影響を受けているのかも知れない。

やがて主人公は、謎の声に導かれるように、
天文台の地下に作られた、秘密基地にたどりつく。
そこで自らが地球人ではないことを教えられた主人公は、
本来の姿に戻るための「変身アイテム」(冒頭でヒカリが
開発していた奴だ)を渡され、ウルトラマンジードへと変身して
怪獣に戦いを挑む。

まあ、大まかなストーリーはこんな所だ。
ウルトラマンであるはずの主人公が、
自分が何者か分からないというのは、
今までには無かったパターンである。
(主人公は赤ん坊のころに、天文台の近くに捨てられていたらしい)
なによりも、主人公は変身するために2つのカプセルを使い、
2人のウルトラマンの力を融合して、ウルトラマンに変身するのだが、
それでは、そういう力を使わない「素」の姿は?というと、
全くそれが示されていないのである。
思わず、え?お前本当にウルトラマンなの?と突っ込みたくなる。

このように多くの疑問点・謎を含みつつ始まった
「ウルトラマンジード」。
インターネット配信のおかげで、
時間・場所に関係なく視聴できるため、
久しぶりに「ウルトラマン」を見てみようと言う気になったのだが、
結構、面白そうなので、これからの展開が楽しみである。

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