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快傑ズバット〜その3

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「快傑ズバット」について取り上げた記事も、
今回で、第3回目である。
今回は、シリーズを通した、
宿敵「ダッカー」と、
ズバットの戦いについて書いていく。

「快傑ズバット」を見ていると、
あちこちを放浪している主人公・早川健は、
その土地、その土地にはびこっている小悪党共を、
強化服「ズバットスーツ」を着込んで、
一方的に叩きのめしている。
しかし、この小悪党たちは、
実は、ある大きな組織によって、統括されている。
その組織の名は「ダッカー」。
この組織に属している者は、
たとえ末端の戦闘員であっても、
アルファベットの「D」をモチーフにした、
マークをつけているのである。

町単位ではびこる、
悪の組織を統括する大組織「ダッカー」。
一応、世界征服という大目標を掲げてはいるが、
番組を見ている限り、やっていることは
小さな町の悪の組織(主にヤクザ)のとりまとめであり、
それらの下部組織から、
上納金等を受け取っている感じはあるものの、
「世界征服」に向けた動きは見られない。
「仮面ライダー」のショッカーなどに比べると、
上手く社会に潜んではいるものの、
作戦実行力という点では、疑問符がつく。
さらにいえば、毎週ひとつずつ、
配下の組織がズバットによって壊滅しているのだ。
ショッカーなどと違って、
各支部に怪人等を配置することもなく、
「ダッカー」から役員等が出向してくることもない。
そういう意味で、「ダッカー」の下部組織は、
かなり高い自治権を与えられている。
もともと各地に点在していた組織を、
自らの組織にそのまま取り込むという、
他の特撮ヒーロー番組の「悪の組織」とは一線を画す、
拡大策をもって巨大化した組織、
それが「ダッカー」なのである。

見る限りでは「ダッカー」自体には、
それほど、強力な戦闘力があるわけではない。
(下部組織にしても、いちいち用心棒を雇っていた)
では、「ダッカー」という組織の強みは何か?

ずばり言って、これは組織の隠密力である。
番組を見ている視聴者には、全ての悪の組織の裏に、
これを統括している「ダッカー」なる組織が
存在していることは、わかりきった事実だが、
実は番組内では、主人公・早川が「ダッカー」の存在に
気づいていないのである。
早川が、今まで自分が潰してきた組織の裏に、
これらをひとまとめに統括していた
「ダッカー」という組織の存在を知るのは、
実に最終回の1話前のことなのである。
……。
え?ヒーローが敵組織の存在を
知らないなんてことがあり得るの?
あり得るのである。
この「快傑ズバット」という番組の中では。
どうして、こんなことが起こったのだろうか?

「ダッカー」が、
機密保持性の高い組織であったとも考えられる。
(末端の戦闘員まで
 「D」のマークをつけていたにも関わらずだ。
 これについては、早川も気づいている描写はあったが、
 そこから全ての組織が繋がっているとは、
 考えなかったようだ)
だが、最大の理由は、主人公・早川の調査力不足だろう。
先にも書いた通り、
全ての組織員には「D」のマークがついていたのである。
これに気づきこそしたものの、
そこから先へ踏み込んで考えなかった、
早川の推理力の欠如は、いかんともし難い。
ん?
推理力?
……。
たしか、早川の職業は「私立探偵」だったような……。

よくよく考えてみれば、早川健は「探偵」らしきことを
何もしていない。
飛鳥五郎殺しの犯人探しにしても、
毎回、たたき潰した組織のボスをしばき上げ、
「飛鳥五郎を殺したのは貴様だなぁ~」
と、聞くだけである。
「知らない」
と、答えればさらにしばき上げる。
アリバイを確認し、その裏を取るなんていう作業は、
はなから頭の中にはない。
早川は毎週、色々な職業の日本一と勝負し、
そのことごとくを制してきたが、
自らの職業である「探偵」については、
恐らく日本で一番ダメな「探偵」であろう。
「快傑ズバット」第23話、
サブタイトルが「大神家の一族の三姉妹と天一坊」だが、
見てわかる通り、金田一耕助シリーズの
「犬神家の一族」がモチーフになった話である。
(天一坊という、余計なものはついているが……)
本来なら、こういうミステリーチックな話では、
早川健の名探偵ぶりが
存分に発揮されなければならない筈だ。
だが、そうならないのが「快傑ズバット」の恐ろしい所だ。
作中に秘められた「謎」らしきものには全く気づかず、
敵のボスをしばき上げていた。
ことの真相に関しては、全て終わった後、
友人の刑事から聞かされて初めて知るという、
ていたらくであった。

この物語が、大きく動いたのが最終回手前の31話だ。
突如として、死んだ飛鳥五郎の恋人が現れ、
(もちろん、その存在についても早川は知らなかった。
 本当に、親友だったのだろうか……?)
彼の残した設計図から、
強化繊維「シルベール」を作り上げる。
さらに、飛鳥五郎殺害の犯人、
そして悪の組織「ダッカー」についての情報を
知らされる。
それまで、「ダッカー」の首領は
「首領L」だとされていたが、
実は本当のボスは別にいて、
それが「総統D」であることも明らかになる。
「ダッカー」は奪った設計図からシルベールを完成させ、
ズバットスーツの10倍も強い強化服を作り上げ、
ズバットと対決、敗北する。
え?敗北?
そこは勝つ所じゃないの?
と思われるだろうが、負けてしまうのである。
まあ、ズバットの強さはスーツの強さというよりも、
ほとんどが早川の強さなんだから、
当たり前といえば、当たり前である。
(崖から落ちても、爆弾で吹き飛ばされても
 機関銃で蜂の巣にされてもケロッとしている)
かくして、ズバットスーツをボロボロにされながらも
総統Dを打ち倒すズバット。
早川はボロボロになったズバットスーツを残し、
「悪の大組織 ダッカー壊滅」
と書かれたカードを置いて、
1人で去っていくのであった。

書いていても感じるが、
実にバタバタとした最終回である。
事態がめまぐるしく推移している。
実際に、映像を見てみればわかるが、
本当にバタバタと事態は進展していく。
もっとゆっくり話を展開させてもよかったのに、
なぜ急いだのだろう?

実は理由はシンプルで、
「快傑ズバット」は視聴率こそ高かったものの、
玩具の売り上げがふるわず、打ち切りになったのである。
当初、1年間の予定であった放送時間は、
突如、全32話ということになり、
このようなバタバタとした最終回になったのだ。
そのため、か、どうかはわからないが、
「ズバット」は1話における話の流れについては、
定型化した黄金のパターンがあるものの、
シリーズ全体のストーリーを見てみれば、
随分といびつな展開になっているのである。

この「快傑ズバット」、
その凄まじい内容から、一部の特撮ファンの間では、
現在でもカルト的な人気を誇っている。
40年近く前の特撮作品だが、
現在見直してみても、新鮮な面白さがある作品だ。
この作品最大の魅力、早川健というキャラクターが、
演じている宮内洋の演技に支えられているため、
リメイクされる可能性は、まずない。
(多分、宮内洋以外でリメイクされても、
 全く面白くないだろう)

レンタルビデオ店などで借りてこようにも、
扱っている店は、かなり少ない。
まさに幻の「特撮番組」なのである。

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